南海地震の発生確率が上昇しました。
令和8年7月28日午後4時27分熊本県宇城市付近で震度7を観測する地震が発生してしまいました。
被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
法律上から見る熊本の建物
建築基準法では建物の地震に対する強度を一律的に定めるのは不適として、0.7~1.0の範囲で建物の強度を減じる事が出来ると定めています(地震係数と云います)。
この地震係数という言葉は、耐震性を考える上で非常に重要なワードになります。
全国の人口が集中する主要部分は地震係数を減じる事無く1.0を採用し、法律で要求される性能をそのまま発揮する事を求めています。
また、最近は耐震等級と云う言葉は一般にも浸透してきていますが、地震係数1.0の建物を耐震等級1として、耐震等級2は地震係数を1.25に割り増しした建物、耐震等級3は地震係数を1.5に割り増しした、建築基準法で定めた耐震性能よりもより耐震性に優れた建物にしようとする尺度になっています。
ところで熊本県の地震係数を調べていますと、宇城市も含め0.9を採用しています。つまり、大阪や首都圏の建物に比べ、一割程度耐震性能が劣っている事になるのです。
全国の地震係数。
この制度は人口比率を勘案し、人口が集中する地域の建物は耐震性能を高め、そうでない地域は耐震性よりも経済性を重視した政策だと思えてきます。
しかし、地震係数1.0の地域でも、建築基準法では建物の健全性を担保出来ていません。1.0は人の命を守る最低基準です。具体的に言えば、建物は倒壊しても人命は助かる事を想定して定められた基準なのです。それが、熊本を含む過疎地では地震係数が1.0を下回る建物でも合法とされています。
人口が多い地域で倒壊建物が多く出ると復興に莫大な費用が出るから頑丈に、そうでない地域は復興費用も大したことないから頑丈でなくても良い。と云うことなのでしょうか。
2024年11月の国交省が主催した有識者会議では地震係数を一律1.0にすべきだと云う見解が示されています。しかし、現在でも地震係数を見直す動きはありません。


