秀光ビルドが工事の「見える化」を宣言しました
まだ拡大する介護ビジネス
段階の世代が老齢期に到達し始めています。まだ70歳までには少し間がありますが、今後介護が必要になる世代は20年間増え続けると云われています。少なく見込んでも10年間は増え続け、後の10年は横ばいかと思われます。
今から計画しても、10年間は安泰なビジネスが老人介護ビジネスです。
しかし、大金を投資してまで行うビジネスでもありません。20年後には老人は減り始め過当競争の時代に突入する為です。現在活動中の大手の介護事業者は自社で土地を取得し建物を建設して運営する事はせず、建物オーナーから運営を委託されて運営のみ行う形態に変わりつつあります。
これは、償還期間が長ければ幾らお金を掛けた立派な建物でも、過当競争に残れない事を意味しています。
合法的に建物の構造躯体にお金を掛けずに、設備や仕上げに予算を投入する方が経営的に安定します。
成功のポイントは建設コスト
では構造躯体のコストを下げるにはどの工法がベストかを考えると在来木造に行きつきます。鉄筋コンクリート造や鉄骨造の介護施設が坪単価90~120万円するのに対し、在来木造であれば50~70万円で可能となります。300坪の施設であれば、鉄筋コンクリート造や鉄骨造が27000~36000万円するのに対し、木造では15000~21000万円で収まります。12000~15000万円の差額は、そのまま償還期間に反映されます。家賃収入を介護保険に頼る為建物の構造に関係なく家賃は一定になってしまうのです。建設費が高くついたからと云って、家賃を値上げする事が出来ません。
まして、20年後には老人人口は減少に向かい、新たな設備投資を考えるか、介護事業から撤退するかの選択に迫られます。そうなった場合、初期の過剰な設備投資が大きな問題となる事は間違いありません。
大規模な介護施設に何故木造が少ないのか
個人経営のデイサービスセンター等を除外すれば、木造の介護施設は稀です。では何故木造が少ないのかと云いますと、行政により防災対策として、福祉施設を耐火建築物にするよう条例で定めているところがある為です。この傾向は福祉施設に火災等の災害が起きる度に強化されていく傾向にあります。現在は条例に規定されていなくても、今後は耐火建築物に限定されて行くでしょう。
木造耐火建築物
もちろん従来の木造建築は耐火構造にはなりません。木造火災は構造躯体自体が可燃物である為。全焼すれば焼け落ちてしまいます。しかし、建築基準法の法律改正で木造でも耐火被覆を行えば耐火建築物として認められる様になりました。介護施設や保育所と云った福祉施設にはコストを抑えるだけでなく、木の風合いを残したデザインも歓迎されるでしょう。難点はまだ木造耐火が考案されて間もない為、熟達した技術者・技能者が少ない事です。
この度、神戸市北区で木造耐火建築物として、有料老人ホームを建設する事となりました。本コラムを利用して木造耐火建築物の実況中継を行います。