住まい再好築【今どきの家は何故和風住宅が減っているのか】
○○設計と名乗りながら、住宅建設を展開しているビルダーがいますが、一般的には施工に携わるのは工務店の仕事です。
テレビの増改築番組で、デザイナーさんが工具を使って仕上げの一品を造るシーンを良く見かけますが、一般的にはデザイナーさんが、自分でモノを作ることはありません。云ってみれば、指揮者が突然ピアノを弾きだす様なもので、これは技能者への冒涜とも取れます。
建築工事は、職能の異なる多くの職人さんが携わります。基礎工事を工事する基礎屋さんに始まって、大工さん・屋根屋さん・左官屋さんと多くの職人さんのリレーで家は出来上がって行きます。
工務店さん自身も直接工具を持って建築に携わる訳ではありませんが、職人さんたちを束ねて建物の着工から竣工引渡しまで、工事管理・原価管理・工程管理を行うという意味で建設に参加しています。
設計事務所の立ち位置はそこからは少し離れています。設計事務所は、建築主の意向を設計図書にまとめ、それを施工者に伝え、設計図書通りに工事がなされているか、確認するのが仕事ですので、立ち位置的には建築主と施工者さんたちの中間に立っています。
設計事務所が存在しなければ、若しくは、設計と施工を一社に依頼したならば、建築主自身が自分の希望通りの建物になっているか、また所定の性能を有しているか確認せねばならず、それは相当の建築知識が無ければ出来ない事でもあります。