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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

リフォームの心得

2013年12月7日

テーマ:【住宅再生】

コラムカテゴリ:住宅・建物

リフォームは新築に比べ、空間的な広がりが容易にイメージできます。実際に今まで住んでいたのですから増築や取り壊しをしない限り、それ以上大きくも小さくもなりません。
その中でリフォームをするのですが、最近の傾向としまして、小さな部屋を広くする事が流行っています。面積の変わらない空間でも余剰スペースが残っていないか必死に探し出す作業が続きます。

そこで注目されるのが、廊下の部屋への取り込みです。廊下は人が通る以外目的の無い空間です。個室を通って次の個室に行くのは抵抗がありますが、リビングを通ってダイニングへ行くのには抵抗を感じません。
リフォームするほどの古い家の間取りは廊下を通じて、リビングへも台所へも行ける様な間取りになっています。その廊下をリビングやダイニングに取り込めば増築せずに広い空間を手に入れる事ができます。

ここで考えたいのが、何故広い空間が必要なのかということです。返事がどれも大体同じで「今の空間が手狭になったから」という言葉が返ってくるでしょう。もう一歩踏み込んで何故手狭になったのでしょう?
ここからは答えがバラバラになります。家族が増えた・子供が大きくなって相対的に部屋が狭くなった。なら広げる必用があります。しかし、家族が増えていないのに手狭に感じるのでは、部屋を広くしても問題は解決しません。
それは、部屋がモノで溢れていることに起因します。何もしなくても消費社会に生活していれば、モノは増えて行きます。増えたモノを整理しようと家具を買うと部屋が狭くなります。リビングがすぐに使わないもので氾濫していませんか?
リビングには必要なものだけ置くようにすれば、広く生活できます。それには、リビングを広げるよりも収納空間を充実させるほうが効果的です。リビングは日当たりや通風、動線と言った条件を揃える必用がありますが、収納空間は場所を選びません。言い換えればどこにでも作ることができます。

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福味健治

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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