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コラム
お任せの住宅の寿命は短い
2013年2月16日 公開 / 2013年2月19日更新
全てお任せはフルサービスなのでとても快適な家造りの様に思えます。果たして本当にそうでしょうか?
お金を払うのは建築主です。お客様は神様ですから、痒いところに手の届くサービスを心掛けます。
ドラッカーも顧客の要望を聞き取ることからマネジメントは始まると説いています。
でも、それが全てお任せの家造りを指すのでしょうか?
考えどころなのですが、家を建てる作業は大金をつぎ込む作業です。殆どの方は大きな借金をすることになります。金額だけで考えれば、豪華客船で世界を何周も回れる金額です。
それだけのお金を出すのに、全てお任せで、世界旅行ほどの感動を得ることが出来るでしょうか?
どうせ、お金を使うなら1から10まで家造りに関わって、感動体験を重ねた方が良いのではないでしょうか?
全てお任せは、確かに楽ではありますが、得る感動は建築主様自ら建築に携わった家に比べ、遥かに少ないのです。
建てる側にしてみれば、全てお任せで依頼されても、ファッションモデルに似合う既製服は作れても、個人にフィットするオートクチュールは造れないのです。
建築主様自らが関わった家造りの感動は、建築主様個人だけでなく家族全体に伝わります。
リフォーム依頼で建築主様へ聞き取り調査を行う際、必ず「何故リフォームなのですか?」と云う質問を入れます。TPOで新築の方が安く済む場合もある為です。
その時、リフォームにこだわる依頼者の回答の多くは「親父が建てた家だから」と言うのです。決して「親父が買った家だから」ではありません。
建築主様が、ワクワク感を持って家造りに関与される姿を家族全員が見ているのです。それは言葉の端々や態度・行動になって、家への愛情へと進化し、家を守り伝えなければならない、(それが幸せな)使命感に変わるのです。
長く住める家は、構造や耐久性と云った物理的耐用年数では決まりません。住む人の家に対する愛情の深さが家の寿命を決めるのです。
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