見ないと後悔する目からウロコの家造り
建築業とは製造業の集合体です。建築屋さん一人では何も出来ません。
建築屋さんの傘下に基礎屋さん、大工さん、瓦屋さん、左官屋さん、設備屋さん、内装屋さんと云った、様々な独立した製造業者さんが集合して組織的に動いているのが建築業です。
言い換えれば、建築の知識があって、仕事さえあれば明日からでも建築業は始められます。営利目的で建築業をするのであれば、業者登録と云う高いハードルもありますが、自分の家を自分で造るだけなら、すぐに出来ます。
全て他人任せで、電話一つあれば、家は建ちます。これを実行するのがセルフビルドです。私が家を建てるのであれば、迷わずこの方法で行います。
だからと云って、他人に勧める気はありません。建築の知識の無い人にとっては大きなリスクを背負う為です。35年間この仕事をしていて、今までセルフビルドの家に数回参加しましたが、結末は殆どが、工事前に取りやめになっているか、途中で諦め工務店さんに尻拭いをしてもらったかのいずれかです。
セルフビルドの唯一のメリットは、工務店経費を省けることです。建築業界を蔑視する言葉として良く耳にするのが「ぼったくり業者」と云う言葉です。動かすお金の単位が大きいですから、金銭的には非常に派手な商売です。ですので工務店さんも大そう羽振りが良い商売と思われ勝ちです。
何も自分では製造しない建築屋さんに、お金を払うのはもったいないと、セルフビルドに憧れる建築主さんは後を絶ちません。
しかし、実際にやってみると、工務店さんにお願いする方が安く上がります。それは各業者間の連携ミスによる追加金の発生であったり、知識不足による手直し工事であったり、常日頃工務店さんなら苦も無くやっている日頃の連携プレーに多大な費用が掛かってしまうのです。
また各業者さんとの金額交渉も相手の仕事を熟知していないと、ただの値切りとなり手抜き工事の温床となってしまいます。
「ぼったくり業者」は別ですが、工務店経費をちゃんと支払って工務店に工事をお任せするのが最も安く完成させる近道です。