木造耐火建築物を建てています。
今月の20日、福岡市内で財団法人日本木造住宅産業協会(木住協)の木造建築物耐火認定講習会があり、受講して来ました。
従来、木造軸組工法による主要構造部を1時間準耐火構造にすることは可能でも、耐火構造とすることはできなかったため、多くの制約を受けておりました。耐火構造の国土交通大臣認定により、次のような木造軸組工法による1時間耐火建造物(屋根・階段は30分)の建設が実現できるようになりました。
1.防火地域の100m2を超え、または階数が3以上の建築物(法第61条)
2.準防火地域の1,500m2超え、または地階を除く階数が4以上の建築物(法第62条)
3.建築基準法以外の法規により耐火建築物の規制がかかる老人施設や保育園等
4.高さが13m又は軒高さが9mを超える地階を除く階数が4以上の建築物(法第21条)
5.3階建て以上の特殊建築物(法第27条)
認定の概略を説明すれば、構造体が木でも燃えさえしなければ耐火建築物と見なしてよいのではないか、と云うものです。石膏ボードを二重張りして1時間猛火に晒されても構造材に延焼しなければ、耐火構造となると云うものです。
耐火構造と似た言葉で、準耐火構造と云うものがあります。両者の違いを簡単に言いますと、
準耐火構造は、建物内の人が無事逃げられるまで、建物の健全性を保持しようと云う構造を指します。つまり人が逃げ切れれば建物は火災により倒壊しても良いと言う構造です。
耐火構造は火災が発生して室内は全焼しても、火災が沈下した時点で本体構造の健全性は保たれている構造を指します。つまり全焼しても建物が建っていると云う構造です。
防火地域内でも、木造3階建ての住宅が建設出来る道が開けましたので、建設価格を抑える事が可能になりました。住宅に関わらず商業施設や集合住宅も可能ですので、今後の発展が期待されます。
また、財団法人が取得した認定工法ですので、別途ギャランティーが発生したり、会員にならないと建設出来ない等の制約がありません。講習会さえ受講すれば誰でも造る事が出来ますので、多くの建設関係者の受講が望まれます。