値下げ交渉が来た!売主が決める3つのこと
「転勤で貸していた家を、そろそろ売りたい」
「親から相続したマンションに入居者さんがいるけれど、このまま売れるの?」
大阪市内では、住み替えや転勤のあいだ自宅を賃貸に出していた方からのご相談が少なくありません。
そのとき必ず出てくるのが「入居者さんに出てもらってから売るべきか、住んでもらったまま売るべきか」という迷いです。
結論から言うと、どちらが正解というより「賃貸借契約の中身」と「誰に売るか」で決まります。
今日は売る前に確認したい3つのポイントをお話しします。
①まず賃貸借契約書を確認する(普通借家か、定期借家か)
最初に見るのは、入居者さんとの契約が「普通借家契約」か「定期借家契約」かです。
普通借家契約の場合、貸主から契約を終わらせるには、期間満了の1年前から6か月前までに更新しない旨の通知をすることに加え、「正当事由」が必要です(借地借家法26条・28条)。
「家を売りたいから」という理由だけでは、正当事由として認められにくいのが実情です。
立退料を支払って合意で退去していただく方法もありますが、金額や時期は入居者さんとの話し合い次第で、売却スケジュールが読みにくくなります。
一方、定期借家契約なら、期間満了で契約は終了します(借地借家法38条)。
ただし期間が1年以上の場合、満了の1年前から6か月前までに「期間満了で終了します」という通知をしておかないと、終了を入居者さんに主張できない点に注意が必要です。
②入居者付きのまま売る「オーナーチェンジ」の考え方
入居者さんに住んでいただいたまま売ることもできます。
建物の引渡しを受けて住んでいる入居者さんの賃貸借は、新しい所有者にそのまま引き継がれ、敷金の返還義務も買主に移ります(借地借家法31条、民法605条の2)。
入居者さんの暮らしを守りながら売れるのは、この方法の大きな利点です。
ただし買主は、ご自身で住みたい方ではなく投資目的の方が中心になります。
価格は「家賃収入から見た利回り」で判断されるため、空室で自宅用として売る場合より価格が低めになることが多いです。
以前ご相談いただいた大阪市内の3LDKの分譲マンションでは、普通借家で入居中のまま売る場合と、契約更新のタイミングで入居者さんと話し合い、ご納得のうえで退去後に売る場合の両方で査定を出しました。
その差に立退料や空室期間のローン・管理費負担を差し引いて比べ、最終的に売主様は「入居者さんに無理をお願いしない」オーナーチェンジを選ばれました。
数字を並べて比べると、迷いがかなり整理されます。
③税金の特例が使えるかも、売る時期で変わる
もともとご自身が住んでいた家なら、「居住用財産の3,000万円特別控除」の対象になる可能性があります。
この特例は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが要件の一つです。
その間に賃貸していた場合でも、期限内の売却であれば対象になり得ますが、ほかの要件もありますので、具体的には税理士や税務署に確認しておくと安心です。
「入居者さんの退去を待っていたら期限を過ぎてしまった」ということもあり得ますので、退去を待つか、入居中のまま売るかは、税金の期限も並べて判断することをおすすめします。
まとめ
入居者さんがいる家の売却は、「契約の種類」「売る相手と価格」「税金の期限」の3つを並べて考えることが大切です。
そして、そこに住んでいる入居者さんにも生活があります。
売主様のご事情と入居者さんの暮らしの両方に配慮しながら、無理のない売り方を一緒に考えていきましょう。
賃貸借契約書をお手元にご用意いただければ、どちらの売り方が合うか具体的にお話しできます。
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