リースバックのメリット・デメリット まぁ、やめておけ
「買主さんが決まって契約も済んだので、あとは待つだけですよね」
売買契約を結んだ直後の売主さまから、よくこう言われます。お気持ちはよく分かります。ただ、実務の感覚でいえば、契約から引渡し(決済)までの1〜2か月は、売主さまにとって「宿題の期間」です。
ここで段取りが遅れると、引渡し日に登記ができない、精算額でもめる、引越しが間に合わない、といったことが起こり得ます。今回は、家が売れた後に売主さまがやっておくべきことを3つに絞ってお伝えします。
①住宅ローンが残っているなら、抵当権を消す段取りから
住宅ローンが残っている家には、金融機関の抵当権が登記されています。抵当権が付いたままでは買主さまは安心して代金を払えませんので、実務では決済日に「買主さまからの代金でローンを一括返済し、同じ日に抵当権抹消登記を申請する」という流れをとります。
ここで大切なのは、金融機関への一括返済の申込みには一定の期間が必要だということです。目安として決済の1か月ほど前までに連絡を求められることが多く、金融機関によって手続きや手数料も異なります。契約が済んだら、まず借入先に「〇月〇日に一括返済したい」と早めに伝えてください。
あわせて確認したいのが次の2点です。
・権利証(登記識別情報)が手元にあるか
・登記簿上の住所と今の住所が同じか
権利証を紛失していても売却はできますが、司法書士による本人確認などの別の手続きと費用が必要になります。また、住み替えなどで住所が変わっている場合は、住所変更登記が先に必要です。どちらも決済直前に気づくと慌てることになるので、契約直後に確認しておくのがおすすめです。
②固定資産税の精算は「法律」ではなく「契約」で決まる
固定資産税・都市計画税は、その年の1月1日時点の所有者に課税されます。年の途中で売っても、その年度の納税通知書は売主さま宛てに届きます。
そこで売買では、引渡し日を境に日割りで精算し、買主さまの負担分を決済時に受け取るのが一般的です。ただしこれは法律で決まっているルールではなく、売買契約での取り決めです。精算の起算日も、関東では1月1日、関西では4月1日とする慣行が多く、大阪の取引でも4月1日起算がよく使われます。契約書にどちらで書かれているか、一度ご確認ください。
もう一点、意外と知られていないのが、この精算金は税務上、売却代金の一部(譲渡収入)として扱われることです。翌年の確定申告で譲渡所得を計算する際に含める必要がありますので、精算書は捨てずに保管しておいてください。
③「何を置いていくか」は付帯設備表どおりに
引渡しで意外ともめやすいのが、エアコン・照明・給湯器・カーテンレールなどの設備と、家財などの残置物です。
売買契約の際には、通常「付帯設備表」で、どの設備を残すか、故障や不具合があるかを売主さまが記入しています。引渡しではこの表のとおりに残すのが約束です。「このエアコンは古いから外していこう」「使えそうな家具は置いていけば喜ばれるだろう」という善意の判断が、かえってトラブルの元になることがあります。表と違う扱いをしたい場合は、必ず事前に担当者を通して買主さまの了承を取ってください。
以前、引越し業者の都合で退去が引渡し日の前日夜にずれ込み、残置物の撤去が間に合わなかったケースに立ち会ったことがあります。買主さまのご理解で大事には至りませんでしたが、住み替えで次の住まいへの入居日が決まっていない場合は、引越し日から逆算して引渡し日を設定する、必要なら契約時に引渡し猶予の取り決めをしておく、といった準備が大切だと改めて感じました。
まとめ
家が売れた瞬間はホッとされるものですが、実は大事な手続きはここからです。
・ローンの一括返済の申込みと、権利証・登記住所の確認
・固定資産税の精算方法(起算日)の確認と精算書の保管
・付帯設備表どおりの引渡しと、引越し日程の逆算
決済当日は、実印・印鑑証明書・本人確認書類・権利証・鍵などが必要になります。何をいつまでに用意すればよいか、一覧にしてお渡しするのも私たち不動産会社の役割です。登記は司法書士、税金の申告は税理士の領域ですが、その間をつなぐ段取りはお気軽にご相談ください。
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