同じ物件、どの不動産会社で買っても同じ?

重村裕一

重村裕一

テーマ:不動産業者選び

「ポータルサイトで見つけた物件、同じ部屋が3つの会社から出ているんですが、どこに問い合わせればいいですか?」

購入のご相談で、実はよく聞かれる質問です。
物件探しでは「どの物件を買うか」に目が向きがちですが、同じ物件でも「どの不動産会社を通して買うか」で、費用も、契約までの安心感も変わることがあります。
今回は、買う物件が決まりかけている方に向けて、会社選びの見るべきポイントをお伝えします。


①同じ物件が複数の会社に出ている理由

売主様が複数の会社に売却を依頼している(一般媒介)場合や、売主様から依頼を受けた会社(元付業者)がレインズ(不動産流通機構のネットワーク)に登録し、ほかの会社が買主様を探す側として広告を出している場合、同じ物件が複数の会社から掲載されます。

つまり買主様は、最初に目に入った会社でなければ買えない、というわけではありません。
ご自身が信頼できると思える会社を窓口に選ぶことができます。

ただし、ひとつだけ筋を通していただきたいことがあります。
すでにある会社に内見の案内や条件交渉をしてもらっている場合、途中で別の会社に乗り換えると、トラブルの原因になることがあります。窓口を決めるのは、できれば問い合わせ・内見の前がおすすめです。


②広告の「取引態様」で、かかる費用が変わる

不動産の広告には「売主」「代理」「媒介(仲介)」のいずれかの取引態様を表示することが、宅地建物取引業法で義務づけられています。

・売主:その会社自身が売主なので、仲介手数料はかかりません
・媒介(仲介):仲介手数料がかかります。売買価格400万円超の物件では「価格×3%+6万円+消費税」が法律上の上限です
・代理:売主側の代理として取引する形で、買主様の費用負担は取り決めによるため、事前に確認が必要です

なお、仲介手数料の額はあくまで「上限」の定めです。また800万円以下の物件では、特例により上限の考え方が異なる場合があり、その場合は事前の説明と合意が必要とされています。
同じ物件でも会社によって費用の説明が違うことがあるので、「この物件でかかる諸費用の総額は?」と、最初に聞いてみてください。


③重要事項説明書を「事前に」もらえるか

契約前には、宅地建物取引士が宅建士証を提示したうえで、重要事項説明書を交付して説明することが法律で定められています。
実務では、契約当日にまとめて説明を受けるケースが多いのですが、数十ページある書面をその場で初めて読んで、すべて理解するのは簡単ではありません。

以前、大阪市内の中古マンションをご購入されたお客様から「前に別の会社で検討したとき、当日に初めて見た書類に管理費の値上げ予定が書いてあって驚いた」というお話を伺いました。
事前に目を通していれば、落ち着いて質問できた内容です。

「重要事項説明書の案を、契約の数日前にいただけますか?」と聞いてみてください。
快く応じてくれるかどうかは、その会社がお客様の理解をどれだけ大切にしているかを知る、分かりやすい目安になります。


まとめ

同じ物件でも、窓口となる不動産会社は買主様が選べます。
・窓口は問い合わせ・内見の前に決める
・広告の取引態様と諸費用の総額を確認する
・重要事項説明書を事前にもらえるか聞いてみる

この3つを押さえるだけで、「こんなはずじゃなかった」をぐっと減らせます。
物件そのものと同じくらい、「誰と一緒に買うか」も大切にしていただければと思います。


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重村裕一
専門家

重村裕一(宅地建物取引士)

株式会社クレアクロス

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