マナーうんちく話1689《今、中高年齢者の孤独が危ない!どうする?》

平松幹夫

平松幹夫

世界屈指の長寿国になった日本。
あなたは長い人生をどう生きますか?

長生きを競うことも大切ですが、長い人生を心豊かに生きることも大切ではないでしょうか。

日本は四季に恵まれ、物が豊かで、便利で、平和で、長寿で、世界に比べれば本当に恵まれていると思いますが、幸福度ランキングは決して高くありません。

人間が幸福になるには「人間関係」がとても大切という研究結果が発表されましたが、今の日本では家庭でも地域でも職場でも、人間関係が非常に希薄になっていると痛感します。

そしてより深刻な状況は《中高年齢者の孤独》だといわれています。

健康寿命を延ばすには、適度な運動、バランスの良い栄養、良質な睡眠、さらに生涯学習や交流があげられます。

これらは昔から言われていますが、最新の研究によると「孤独」が最も悪く、たばこや肥満より悪いとか・・・。

運動しないことより、肥満より、アルコール依存症より、タバコよりも孤独が健康に悪いとなれば事態は深刻です。

日本は世界屈指の超高齢社会ですが、超高齢社会の特徴の一つに独居高齢者の増加があげられます。

勿論この傾向は日本だけでなく世界的な傾向でしょうが、独居高齢者は孤独に陥る危険性が高いようです。

特に男性の場合は。

定年になれば仕事での人間関係が一夜にして無くなります。
そしてそのまま、家庭や地域で居場所を見つけられない場合は大変です。

また不幸にして先に奥さんに先立たれたら、より深刻な事態になりかねません。
「夫に先立たれた妻は長生きする」が、「妻に先立たれた夫は後を追う」といわれます。

ちなみに孤独にもいろいろな種類があります。
周囲に身寄りがなく物理的に一人暮らしの孤独もあれば、夫婦で生活しているけど、会話もなく、精神的に頼れる人がいない状態の孤独もあります。
孤独にもいろいろあるということです。

しかし孤独を楽しむ手もあります。
1999年に登場した「お一人様」という言葉もそうでしょう。
精神的に自立しており、ひとりで行動できる人をさすようですが、ひとり暮らしを前向きにとらえています。

一方「孤独死」「無縁仏」などと孤独を悲観的にとらえた言葉も存在します。
孤独死は明確な定義がないので統計的な数字は把握しづらい面がありますが、孤独死や孤立死と聞けばいい気はしませんね。

ちなみに人はいずれ死を迎えます。
病院で死ぬより自宅で迎える方が平穏死できるといわれますが、実は平穏死の半分は孤独死だといわれています。

そして孤独死の約7割は男性だそうです。

長い人生、誰かと一緒の方が充実するのか、ひとりの時間を大切にした方が幸せなのかは、人それぞれでしょうが、世界屈指の孤独といわれる日本の中高年齢者にとって再認識が必要ですね。

続きます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

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