マナーうんちく話2229《気軽に楽しみたい飲み会やお酌文化とその効能》
新しい娯楽が沢山存在する今では、かなり簡素になりましたが、昔は「秋祭り」といえば、長い期間をかけ準備をして、ご馳走をいっぱい作り、祭りの日を迎えたものです。
海の幸、山の幸を沢山お供えして神事を執り行い、余興を盛大に行うわけです。だからこの日は、学校が午前中だけになったような記憶があります。
加えて、祭りの日に着る服も新しい物を用意したりしました。
いわゆる「晴れ着」です。
このようにして地域の人と人がつながりを深め、共同生活の基盤が強化されていくわけです。
普段は個々に自由な生活を謳歌していても、いざ「祭り」と言えば、付き合いのない人でも何か役割を与えられたりして、地域住民との交流を深め、大人も子供もイベントを一緒に楽しむのが、日本の秋祭りの大きな意義だと言えるかもしれませんね。
「秋深し隣は何をする人ぞ」ではないですが、今では「向う3軒両隣」の機能が失われています。それどころか隣に住んでいる人の顔も名前も知らないというのが珍しくありません。
これでは「孤独死」という言葉が生まれるのも無理はありませんね。
しかし、今回の台風もそうですが、雨や雪や風の被害は年々想定外と言われる位、今まで経験したこともないくらい大きくなっています。
いつ、どこで発生してもおかしくない状況です。
超高齢化も進展し「一人暮らしの高齢者」も増え続けています。
だから今こそ、家族や地域や職場等の「きずな作り」を真剣に考えなくてはいけないと思うのですが・・・。
日本人のきずな作りは、日本人が築きあげた前例に倣うのが一番だと思います。
そんな中、「秋祭り」という地域のコミュニティーを復活させ、横の絆を結び、暮らしの基盤を整えることで、トラブルや防災など、何かあった時に非常に役に立つのだと考えます。
日本全国に有名な祭りは沢山あり、毎年多くの見物者で賑わっています。
見物もいいですが、できたら祭りを行う当事者になり、力を合わせるのもおすすめです。
おみこしを担ぐ時に「ワッショイ」と掛け声を発しますが、「ワ」は「和」、「ショイ」は「背負う」、つまり「ワッショイ=和を背負う」とも言われます。
加えて、秋祭りが収穫に対する感謝の意味を含んでいる以上、食べ物に対する感謝の気持ちを添えたいものです。