マナーうんちく話233≪報・連・相とマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:ビジネスマナー

 職場や組織は多くの人が協力しながら、それぞれ責任を持って仕事をしています。
自分一人だけで勝手に判断しないで、日頃から同僚・先輩・上司等への「報告」「連絡」「相談」を心がけておくことは、社会人の基本動作で大変重要なことです。
今回は「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」のお話しです。

●報告
報告とは、「現在の状況等を説明する」ことです。
色々なことを主に先輩や上司に報告する癖をつけておいて下さい。そのポイントは話し方の項目でお話ししたように、「結論」が先で、それから「理由」を伝えます。経過説明等です。

また報告はタイミングがとても大切です。急ぐ必要が有るか否か?適切な判断が求められます。ちなみに報告は都合の良いことばかりではありません。「悪い報告は早めに!」がお勧めです。
また、急ぐ以外は相手の都合を伺うことが大事です。「お忙しいところ恐縮ですが今、ご都合はよろしいでしょうか?」という具合です。
先手必勝で、色々と聴かれる前に、小まめに報告することが大切です。

●連絡
「事実」やこれからの「予定」について伝えることが連絡です。
例えば、「電車が事故のため不通になったため、バスで行きますので30分遅れます」のようです。
この連絡は職場の同僚や上司等複数の人に伝えることもあり、連絡方法も多種多様です。

さらに、場合によっては連絡と同時に、相手(主として上司やお客さん)の判断を仰ぐ場合もあります。
例えば「電車が事故のため不通になりました。復旧の見込みが全然立っていません。どうしたらよいでしょうか?」等です。比較的簡単ですが、徹底されてない職場が多いのが現状ではないでしょうか?
加えて、メールでの連絡手段が普及したせいで、便利になった反面コミュニケーションが希薄になってきています。ケースバイケースで対話での連絡も大切にしなければいけませんね。

●相談
相談とは、わからないことや疑問に思うこと等について「伺いを立てる」ことです。
そして適切な「指示や助言を仰ぐ」ことです。
当然、社会経験、人生経験、職場経験等が浅ければ、何かと判断に困ったり、迷うことも多々有ります。恥ずかしいことではないので積極的に相談して下さい。

相談内容は仕事のことばかりではありません。多種多様です。
また、相談相手もしかりで、同僚・先輩・上司等と選択肢は多岐にわたります。
さらに、相談を持ちかける時には、相手の都合を優先させることが大切です。
例えば、「お忙しいところ恐縮ですが、○○のことについてご相談したいことがございます。今、ご都合はよろしいでしょうか?」と言って先ず相手の都合を伺うことです。

前もって、相談内容について自分なりの考えや状況などを簡潔にまとめておくこともお勧めです
特に相談は、日頃からの人間関係がとても大事で、仕事のことはもちろん、プライベートのことでも気軽に相談したり、されたりする人間関係を築いておきたいものです。最近この関係が希薄になってきた気がします。


職場でも、グループ等の組織でも、誰しも一人では何もできませんので、常に「和」を保つことはとても大事です。聖徳太子が説かれた「和を持って貴しとなす」の精神は、1000年以上経過しても日本社会には毅然として存在しています。また「同じ釜の飯を食う」という言葉も有ります。
その基になるのが「報告・相談・連絡」、いわゆる「ほうれんそう」です。

特に就職・移動したての時は、職場の様子、多様な人間関係、仕事の内容などなど、わからないことだらけです。従って毎日が「ほうれんそう」の繰り返しだと思います。
その時に強い味方になってくれるのが同僚や先輩や上司です。

人間関係はこのようにして築かれていくわけです。
先ず何でも、話したり、相談したり、自ら腹を割って行くことが大切です。
また、このコラム欄の「良好な人間関係を築くマナー」も参考にして下さい。

今の日本、「就職難」にもかかわらず「離職率」が高いのが現状です。
その大きな原因は職場における人間関係にあります。
給料が安い、仕事がきついという理由も確かに有りますが、それにより職場を去る人は微々たるものです。
職場を去る理由の8割以上が人間関係によるという統計数字もあるくらいです。
さらに人間関係の中で、当事者自身に原因が有るケースが圧倒的に多いという数字も、真摯に受け止めるべきだと思います。

「ほうれんそう」が先か?それがスムーズにできる人間関係の構築が先か?「鶏と卵」のような関係ですが、いずれも最重要事項には変わりありません。

私は、「私語」は一切禁止!というより、無駄話や冗談の一つや二つが気軽に云える雰囲気の職場が良いと思いますが、皆さんはどのように思われますか?

食堂が有る職場では、昼ご飯くらいは、部下も上司もワケアイアイの雰囲気作りが理想ですね。
安く・美味しく・栄養的な面を追求するのも良いですが、思い切り楽しい話に花を咲かせたいものです。

最後にもう一つ。「報告・連絡・相談」を自ら積極的に働きかけていくことが大事だと申しましたが、その時の「受け手」の対応もしっかり見届けて下さい。ここに受け手の人間性が出ます。
信頼関係が結べそうな人か否か?大きな判断基準になります。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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