マナーうんちく話251≪電話のかけ方のマナー≫
マナーうんちく話44《接客・接遇の意味》
接客・接遇マナー①「接客・接遇とは」。前置きを添えて・・・
立春を過ぎたばかりのこの時期は「スイセン」がいいですね。
漢名は「水仙」で、美しい花の姿と何とも言えない香りが、いかにも仙人のようだという中国の古典に端を発しています。また英名は、ギリシャ神話に登場する美少年「ナルシサス」に由来し、「ナルシスト」の語源になっているそうです。そして日本では、雪の中で春の訪れを告げる「雪中花」として昔から多くの人に愛され続けている、この時期を代表する花です。
凛とした美しさのほかに、良い香りがするので香水の原料にもなります。加えて大変優れた鎮静作用を持っているので疲れた心を癒してくれる「花効果」も大いに期待できます。
和でも洋でも、場所を選ばず楽しめるのも嬉しいです。我が家でも、時節柄花の少ない花壇でしっかりその存在感を主張してくれており、只今食卓でも主役の座についております。
リフレッシュしたい、心を落ち着けたい、爽やかな気分になりたいと思われたら、水仙がお勧めです。花屋さんで、お手頃価格で売られています。透明なガラスの器が有れば緑の茎の美しさも同時に楽しむことができます。
さて、今までこのコラム欄で、マナーに関する多彩な話題を取り上げましたが、今回から、「接客・接遇マナー」について色々な視点からお話ししていきたいと思います。今までもそうでしたが、今回も、主として33年間に及ぶ接客の現場経験から触れてみます。
接客・接遇はまさに100人100色で、これぞという正解はないので、あくまで平松流で進めてまいります。また接客・接遇は非常に多岐に渡るので、要領よくまとめることが難しいと思います。加えて今まで触れてきたことと重複するところも多々あると思います。予めご了承ください。
しかし、「新たな気づき」とか「参考になること」も多いと思います。
さらに只今、学生の人、就活中の人、就業中の方はもちろん、主婦、子育て、孫育てなどに携わっている人にも有益なお話だと確信していますので、最後までお付き合いいただければ嬉しい限りです。
◆接客・接遇とは?
最近頻繁に「接遇」と言う言葉に触れるようになりました。「接客」とどう異なるのでしょうか?
書店でも接遇、接客に関する本は実に多く見かけますが、この違いについては様々な記述があります。しかしいずれも的を射たものではないように思います。
私がホテル業界に入った頃は、「接客」と言う言葉さえ普及していませんでした。ちなみに私が最初に配属された部署は、ダイニングルーム、フレンチレストラン、バンケット、ブライダルを担う部門でしたが、その部署の名前は「饗応部」と呼ばれていました。それからしばらくして「接客」と言う言葉が広く使用され、すっかり定着していましたが、2001年からの小泉政権以来、医療、介護、福祉、教育分野まで市場経済原理が大幅に導入されてから、「接遇」と言う言葉が表面化してきたように思います。医療も介護も教育も福祉まで全てサービス業になりましたが、従来のサービス業(ホテル、美容、、百貨店、飲食店等)とニアンスが少し異なるので、接客ではなく接遇の言葉が使用されてきたのではないかという気がします。「接客業」と言う言葉はよく聞きますが、「接遇業」という言葉は存在しないのはこのためだと思います。間違っていたら御免なさい。
言葉の違いにこだわることなく、接客も接遇も大切なことは、「何かの目的を持って、特定の場所に来られたお客様を、思いやりのある優しい心で接する」ことです。そして「心と心の交流を図る」こと。このことに尽きると思います。
その「目的」と、「特定の場所」は実に様々です。例えば
・役所の窓口に住民票をとりに来た人。
・歯医者に歯の治療を受けにきた人。
・自宅にお婆ちゃんの古希の祝いを持ってきてくれた人。
・レストランに食事に来た人。
・コンビニに弁当を買いに来た人。
・ブティックに洋服を買いに来た人。
・介護サービスの事業所に介護相談を受けにきた人等。
挙げればきりがないです。冒頭に、主婦もお母さんも、営業関係、販売関係、公務員、医療関係、教師等など、皆さんに「接客技術を身につけていただければ大変お役に立ちますよ」と申した理由がここに有ります。
ところで水仙は「花言葉」が多いのも大きな特徴ですが、それだけ世界の多くの国の人に強い思いを抱かれているのだと思います。
私の大好きなラッパ水仙の花言葉は、「自尊」「尊敬」「心遣い」です。
接客・接遇の極意は、常に自分を大切に、自尊心を持ちながらも、相手に尊敬の念を抱き、心遣いを施すことです。
このことをお伝えしたくて最初に水仙に登場してもらいました。
次回は接客・接遇の「捉え方・意義・やりがい」などに触れて行きます。