認知症を包括的にサポートする ~個を尊重するという意味について~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:統合心理学・応用心理学・社会問題(課題)

今や認知症は大きな社会問題になってますが
問題自体も分野が多岐にわたっている中
今回は認知症に対するサポートと理解について考えていきたいと思います。

認知症と言えばよくトラブルを起こしてしまうので
あまり関わりたくないトラブルメーカーのような印象があるかもしれませんが
詐欺被害に遭うなど被害者になるケースもあり
やはり適切な保護とサポートが必要なことは言うまでもありません。

認知症と一口に言ってもその症状は様々ですので
同じやり方、同じサポートの仕方ではなく
その方その方、その時々によって臨機応変に対応していただきたいのですが
難しいのは本人に理解度や意思決定能力がどこまであるのか
身内であっても判断が難しいと思います。

そもそも本人自身がどこまで認知できているのかも定かではありませんので
他者にとっては余計理解するのが困難ではないでしょうか。

中でもお買い物など売買契約時には消費者トラブルとして
ご家族や警察機関、あるいは行政を巻き込んでしまう事態も起こっているくらいですから
予期せぬ事態への備え(対応)としてどういったサポートが必要なのか
地域や社会全体で考えていきたい問題です。

まず考えられるのは、今の時代は個人(個性)の尊重が言われる時代であり
幸いなことにこの時代風潮(時代の波)を取り入れますと
認知症の人にも個を尊重していけば良いのではないでしょうか?

ただし意思決定能力がどこまであるのか判断が難しいので
単純に個を尊重してもトラブルに発展してしまうケースが増えてしまうと思いますが
本人に意思決定ができない(困難である)からこそ考えられるサポートは
例えば先程の売買契約の機会が何かあったとしたら
販売者と本人のみで成立とするのではなく
ご本人のことをよく理解している家族や第三者といった人間が仲介し
話し合って最終的な意思決定とする、“決定権の分散”という方法が考えられます。

個を尊重するというと本人の考えや意思をそのまま意思決定とするような印象がありますが
私の言う個を尊重するとは、地域や社会でその人(個人)の面倒を見るといったように
“自己実現(本当に生きたい生き方の実現=幸せ)”に向けてのサポートといった意味で
包括的な個の尊重を提案したいわけですね。
(本人のわがままを叶える、実現させるような意味ではない)

あくまでその人らしさを周りや社会が全体でサポートしていけるようにといった意味で
個の尊重を私は推進していきたいと考えるのですが
皆様もアイデアを出し合って、個の尊重とより良い社会の実現に向けて
できることから少しずつ、ともに取り組んでいきましょう。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

宮本章太郎プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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