人前で緊張する・その不安を和らげるシンプルな方法

小橋広市

小橋広市

テーマ:マインドセットの書き換え

人前で話す直前、手のひらに汗をかき、心臓の鼓動が早くなる。
「うまく話さなければ」と思うほど、頭が真っ白になる――。

このような経験は、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
講演
実は私自身も、人前で話すことが得意ではありませんでした。講師という立場でありながら、話す前の緊張度を10段階で表すと「8」程度。声が震え、足元が落ち着かず、呼吸も浅くなる状態を何度も経験してきましたが、ある方法を取り入れてから、その状態が大きく変わりました。

今回は、その方法の一つである「アンカリング」についてお伝えします。アンカリングとは、特定の感情や状態と、身体の動作や感覚を結びつけることで、意図的にその状態を呼び起こす技術。私たちは日常生活の中でも、無意識にこれを体験しています。

例えば、ある香りを嗅いだ瞬間に懐かしい記憶がよみがえったり、特定の音楽を聴いたときに当時の情景が鮮明に浮かんだりすることがあります。これらはすべて、感情と感覚が結びついた「アンカリング」の一種です。

この仕組みを意図的に活用すると、人前での緊張を和らげることができます。

方法はシンプルで、例えば、人前で話してうまくいった直後、達成感や高揚感が残っているタイミングで、その感情をしっかり味わいながら、普段は触らない身体の一部を軽く押さえます。これを繰り返すことで、「良い状態」と「特定の動作」が結びついていきます。私の場合は、右手の親指と人差し指の間にその感覚を結びつけています。

そして本番で緊張したときに同じ動作を行うと、落ち着いた状態が呼び戻され、過度な緊張が自然と和らぎます。実際に、話す前の緊張度が「8」から「4」程度まで下がり、話し始める頃には「3」程度の、ちょうど良い緊張感に変わるようになりました。

この技術の本質は、「過去の自分の良い状態を、今に再現できる」という点にあります。私は数年前、重度の心筋梗塞で入院した経験があります。そのとき、あえて一つの音楽を意識して聴き続けました。それは、平原綾香さんの「ジュピター」です。この曲を聴くと今でも、当時の病院の空気や会話、そして「ここからもう一度やり直そう」と決めた気持ちが鮮明によみがえります。

このように、感情と感覚は強く結びつき、時間が経っても呼び戻すことができます。すぐにできる一歩として、日常の中で「うまくいった瞬間」や「落ち着いている状態」に気づくことから始めてみてください。その感覚を意識しながら、小さな動作と結びつけるだけで、あなた自身の「安心スイッチ」をつくることができます。人前で話すことに対する苦手意識は、工夫次第で大きく変えることができます。

次回は、このアンカリングをより効果的にする具体的なコツと、日常での活用方法について詳しくお伝えします。

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小橋広市
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小橋広市(講師)

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

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