読書でなくリサーチするビジネス書
努力しているのに成果が出ない。続けているのに上達を感じられない。仕事や起業、情報発信に取り組む方から、こうした相談を受けることは少なくありません。
この状態になると、多くの人は「やり方が間違っているのでは」「自分には向いていないのでは」と考え始めます。しかし私は、これを単なる停滞や失敗とは捉えていません。むしろ、大きな変化が起こる直前に多くの人が立つ“ある地点”だと考えています。
新しいことを始めた直後は、成長を実感しやすいものです。できなかったことができるようになり、変化が目に見えて分かります。ところが、ある程度続けると、その変化が感じにくくなります。
実際には前に進んでいても、成長のスピードが緩やかになるため、本人の感覚としては「止まっている」ように感じてしまうのです。この感覚が、不安や焦りを生み出します。
【見えない積み重ねが力になる】
私自身、テニスをしていた頃に同じ経験をしました。ラリーはすぐにできるようになったのに、サーブだけは長年苦手意識が抜けませんでした。失敗を恐れ、安全な打ち方を選び続けていたのです。
しかし、その間も何もしていなかったわけではありません。人の動きを観察し、イメージを重ねる中で、身体は少しずつ準備をしていました。ある日、ふと打ち方を変えた瞬間、驚くほど自然にサーブが決まったのです。
【ティッピングポイントという考え方】
このように、目に見えない変化が積み重なり、ある瞬間に一気に結果として現れる転換点を「ティッピングポイント」と呼びます。この直前は、最も成果を感じにくく、不安が強くなる時期でもあります。
起業や発信活動でも同じです。毎日ブログを書いても反応がない、SNSを続けても手応えがない。その時間が無意味だったわけではありません。変化は、水面下で進んでいます。
【不安な時ほど現在地を確認する】
大切なのは、目的そのものを疑う前に「自分が今どこにいるのか」を確認することです。そのために有効なのが、これまでの行動を書き出すことです。
何をしてきたのか、何を学び、どんな工夫をしてきたのか。目的から大きく外れていないか。紙に書き出すことで、自分の現在地が客観的に見えてきます。
【踊り場に立っているという視点】
成果が見えない時期は、階段の踊り場に立っている状態だと捉えてみてください。踊り場は止まる場所ではなく、次の段へ進むために呼吸を整える場所です。
焦ってやめるのではなく、立ち止まって整理する。この視点を持つことで、行動の質は大きく変わります。そしてある時、これまでの積み重ねが一気につながる瞬間が訪れます。
【経験者として伝えたいこと】
結果が出ない時期は、能力不足の証拠ではありません。多くの場合、変化の直前に必要な準備をしている段階です。その事実を知っているだけで、行動を継続する力になります。



