緊張を取り除くためにする2つのこと
前回、「統一・一貫性」についてお伝えしました。今回は、統一・一貫性とよく似ている心理、もう一つの脳のクセ「自己保存」についお伝えします。
脳は変わることに拒否反応を示し、現状維持を好みます。「自己保存」は「命をまもるために安全なテリトリーから危険はところに出たくない」という自己防衛本能です。
しかし、「統一・一貫性」と同じように、これが過剰に働き過ぎると怒りに繋がったり、脳のパフォーマンスを落とす強烈な心理です。
分かりやすい事例で言えば、食品偽装をした会社が、記者会見で不祥事を隠蔽しようとウソに嘘を重ね、より事態を悪化させることがあります。これは「自分の名誉や立場を失いたくない」という「自己保存」の心理が働いているからですね。
私たちにもよくある例で言うと、会議などで対立する相手の意見が正しいと思いながらも、話を遮って無理やり持論を押しつけてしまう。良く似たことは夫婦げんかでもありませんか(笑)
私もありますが、自分の都合の良いことだけを選び、それらをつなぎ合わせてストーリーを作っていく。このような「自己保存」が強すぎると正しい判断ができなくなり、売り言葉に買い言葉でお互いに前に進めなくなります。
そこには何の解決策も生まれません。
自己保存をコントロール
私はアンガーマネジメントを学び、数年間で1000人以上の方に伝えてきましたが、イライラや怒りをコントロールできるようになった方は二桁です。それは何故でしょうか。
アンガーマネジメントは素晴らしいスキルだと思います。内容も腑に落ちるし、目からウロコのテクニックもあります。怒りは喜怒哀楽の中の1つですが、本質は「自己保存」と同じように自己防衛本能です。
本能をコントロールすることを2、3時間学んだくらいで解決できるはずがありません。加えて本質的な基礎能力や応用能力を向上させるスキルを学んでいないので変われないのです。
「自己保存」のような防衛本能を改善するには、長期継続的に過去からの強烈な思考のクセ、マインドセットを書き換え、学んだスキルの応用能力を高めるしかありません。
ただ、対処療法的ですが「自己保存」を短期的にトレーニングする方法があります。
「自己保存」の根底にある強烈な思考習慣や行動習慣のマインドセットの切り替えスイッチを設けるという方法です。
「自己保存」が出たと感じた時がチャンスです。今までの自己保存スイッチをオフにし、自分が正しいという前提を捨て、自分が納得できないことを半信半疑でも良いので意図的に行動してみて下さい。
まずはここから(^o^)
あなたにも気付きがありますように
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「脳に気持ちの切り替えスイッチをつくる」
認知のコントロールがコツ
◇「気持ちの切り替えができないのは何故?」
脳に気持ちの切り替えスイッチをつくる
【小さな実践】
脳の切り替えスイッチを作るコツは、あなたが想像できるリアルなスイッチをひとつイメージし、そのスイッチを事ある度に頭の中で切り替えるトレーニングをしてみる