怒りはトレーニングで抑制できる
16歳の時、私は大工の見習いをしていた頃があります。後に定時制高校を卒業して美大に入ったのは二十歳を過ぎてからです。
忘れもしない大工の見習いをしていた頃に、今で言うパワハラを受けていました。昔のことですから、その辺にあるものを私に当たるように投げられたり、足で蹴られたり超暴力的パワハラです。
この頃の私と大工の棟梁の関係を分析すると、怒る側(棟梁)は強者、怒られ側(私)は弱者、このように強者と弱者の関係性でした。
怒る側の強者は自分の方が強い立場だと思うと、怒られ側の弱者に怒りをぶつけやすくなります。一方で怒られ側の弱者は、弱い立場を無意識に受け入れてストレスが溜まり続けます。
怒りの連鎖
この状態が長く続くと、怒られ側の弱者は、やがて他者との関係性に勝ち負けのプログラムが組み込まれ、自分より弱い第三者にイライラや怒りをぶつけてストレスを解消するようになります。
自分より弱い人とは、彼女、妻、親、子ども、モノにイライラや怒りをぶつけるようになります。
例えば、職場で上司や先輩にパワハラを受けている夫は、家では妻や子どもに溜まったストレスをぶつけます。これこそが強い立場の人から弱い立場の人に伝染する怒りの連鎖です。
棟梁からイジメのようなパワハラを受けていた私は幸い、他者に鉾先向けず、夜中に峠道をバイクでレースをする「走り屋」という行動に溜まったストレスをぶつけていました。
このように強者から受けたストレスで起こるイライラや怒りは、鉾先がどこに向くのか分かりません。立場の弱い人に鉾先が向けば、周囲の人にも多大な影響を及ぼすことになります。
テクニックやスキルより勇気
イライラや怒りを耐えるだけでは、やがて弱者を抑圧し負の連鎖を起こします。また、感情にフタをすると鬱になったり引きこもりの原因になりま
もし弱者になったと思ったら何らかの行動を起こして下さい。
私の場合は、片親、中卒という劣等感があったので怒られ側の弱者になってしまいました。同じ職場ではこの関係性を断ち切ることはできないと判断し、環境を変えるために転職し、走り屋をやめて定時制高校に通いました。
大きく環境を変えることで、そこから私の人生は一変し、それが自信になって知らないうちに自己肯定感がアップしていました。
強者からのイジメから逃げるために転校したり、引きこもりになって環境を変えても何の解決にもなりません。環境を変えるのはひとつのきっかけに過ぎず、本当に大切なことは、弱者になった原因の根っこと正面から向き合って受け入れることです。
今回はテクニックやスキルの話はありません。勇気を出して弱者の自分とトコトン向き合って、フタをしている中身の全てを受け入れると、今まで観えなかった世界が観えるようになります。
あなたにも気付きがありますように
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「子どもの自己肯定感と自主性を高める①」
アイメッセージとユーメッセージのコミュニケーション
◇「イジメやパワハラは回避より予想外の対応で相手をフリーズさせる」
イジメ・パワハラは相手の意表をついて返してやれ
【小さな実践】
イジメやパワハラに対抗する最大の武器は、自分の弱さと向き合って受け入れる勇気