制限の良し悪し
学生の頃からラジオや音楽をBGMに勉強をしていました。BGMがある方がモチベーションが上がるからです。職場でもBGMを流しているところが多いので、音楽を聴きながら仕事をする方が生産性が上がると思っていました。
そんな私もBGMなしで仕事をすることがあります。もちろん集中したいからですが、モチベーションや生産性が上がると言いながらBGMを切るのは何故か・・・
BGMの弊害
結論から言うと、実のところBGMは集中力や生産性が下がります。これは私が脳科学を学びだした頃、ある曲で気づいたことがあります。
何かと言うと、ある曲を聴きながら文章を書いていた時、ふとその曲にまつわるエピソードを思い出し、その曲と文章の内容がシンクロして本当に伝えたいことが解らなくなるくらい影響されたことがあります。
このように集中力が切れるのは、日本語の歌詞も洋楽やイージリスニングでも同じです。これは片付けをしながら想い出のモノを見つけては懐かしがって手を止めるのと同じで非効率的です。
大学でこのような実験をしたそうです。「アップテンポ」「バラード」「話し声」「無音」の4つの部屋で、学生が学習する実験です。
その結果アップテンポの部屋の学生が一番成績が悪くなり、一番成績が上がったのは無音の部屋の学生だったそうです。
その理由は脳のクセです。
「リズム、歌詞、想い出、話し声、高揚感」と「学習」の情報処理を2つ同時に行なっていますが、悲しいかな脳は1つの作業しかできません。
脳は無意識に「音楽や会話」と「学習」の間を高速で行ったり来たりして情報処理を行なっているのでどちらにも集中できない。一方で無音の部屋では学習だけに集中できたのが理由です。
BGMを上手に利用する
では無音の環境を作らないと集中できないのかというと、そうではありません。このような音だったら集中力や生産性がアップします。自然音(小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、波、風で木々がそよぐ、雨音)やホワイトノイズ。
※ホワイトノイズとは、あらゆる可聴覚周波数帯域の周波数成分が含まれているノイズ
もう1つ音楽を利用できることがあります。
勉強や仕事に入る前に、大好きな音楽を聴いてモチベーションアップさせていると、より集中力を維持できます。これをミュージック・ウォームアップ・テクニックといって、アスリートが競技の直前に音楽を聴くのもそれにあたります。
ただ仕事内容によって、ダラダラと作業するくらいならBGMをかけて行なう方が効率的だったら音楽を聴きながら楽しむ方を選びます。
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「人は五感を使うのを忘れる退化する」
音楽を聴いてモチベーション上げる起動スイッチのアンカリング効果
◇「成功と失敗は紙一重」
起動スイッチのアンカリングとは
【小さな実践】
どのようなことがきっかけで集中力が切れるかを、些細なことでも徹底的に意識してノートに書いておく