制限の良し悪し
この頃、30年以内にまた大きな地震が起きるようなことが言われています。去年、発生した大阪北部の地震でも、自宅の家具がすごいことになっていました。
ドアを開けると中から家財やモノが溢れ出てきました。室内を見るとゴミ屋敷状態で
足の踏み場もない状態でした。阪神淡路大震災の時も今回と同じ震度5強くらいでしたが、家具や本の落ち方がまったく違いました。
阪神淡路大震災の揺れは縦方向だったので、家財の移動はほとんどありませんでしたが、去年の地震で自宅マンションの揺れ方向を分析してみると、部屋の家財の移動方向から東西に大きく揺れたことが推測できました。
自宅マンションの形は長方形で長辺が東西方向。つまり、もし短辺の南北方向に大きく揺れていたら、あの程度ではすまなかったでしょう。
さて、今回のように大きく部屋の状態が変わるとすぐに気付けますが、少しずつ模様替えされると気づきません。今日はそんな話をしたいと思います。
先日、こんなことがありました。パートナーから髪を切ったと言われましたが、まったく気が付きませんでした。
友だちがヘアースタイルを変えていたらすぐに気が付いていたのに、何故、パートナーの時には気が付かなかったのか。それにはこんな理由があります。パートナーが髪を切るはずがないという思い込みがあったからです。
変化盲
このような心理を「変化盲」といいます。これは余談ですが、カツラを作る時はこの変化盲を利用して、数日かけて徐々に髪を増やすそうです。
※「変化盲」わずかな変化に気が付かないこと
私が体験した事例でこんなことがありました。地方のビジネスホテルでチェックインしている際、制服を着た30代のフロントの女性に「インターネットケーブルを貸して下さい」と名前を記入しながら言いました。
書き終えて「インターネットケーブルは?」と尋ねると、目の前の女性はこう言いました。「それなら先程、聴いた者がお部屋にお届け致します」私は一瞬???でした。
私が下を向いて記入している間に、目の前の女性が交替していたことを知らなかったのです。応対している女性が途中で交替するはずがないという私の思い込み。変化盲は、思い込みや少しずつ変化していくことは認知できません。
私が店舗デザインの仕事をしている時には、よくこの変化盲を応用していました。店舗のリニューアルは、店の売上に直接関係するような場合には、大きく変えずにお客様の動線を見ながら検証する必要があります。
この時に変化盲を使います。ポイントになる商品やレイアウトを小さく変えて購買率を分析します。他には居酒屋などでは売れ筋メニューの価格を少し値上げし、他のメニューの価格を押さえて様子をみたりしています。
変化盲はブログにも使えます。起業したばかりの人がブログを記事を上げていると、続けているとリソースが変化するので、最初の頃と専門性が変わってきます。
こんな時は、新たにブログを立ち上げるより、現在の読者さんを大切にしながら、少しずつ専門性を変化させていくことができます。
ただ変化盲は良いことばかりではありません。
自分の目的や夢はしっかり意識していないと、自分でも気づかないうちに周りに流されてしまったり、自分の小さな成果に気づかずにモチベーションが下がってしまうことになりかねません。
この変化盲、上手く使えばとても効果的なので、参考にしてみて下さいね。
【小さな実践】
どんなことに変化盲を応用できるか書き出してみる