子供の課題を見守る勇気
褒め方・叱り方の大原則
叱ると褒めるをどのように使い分けるか・・・難しいですね。タイミングもあるし、状況にもよります。叱り過ぎず、褒め過ぎず、どちらも程度問題ですよね。
ただ、叱ったり褒めたりする前に、大原則を守らないとどちらも逆効果で、関係性を損なうリスクがあります。その大原則とは、褒めたり叱ったりする相手のことを普段からどれだけ注目して観察しているかです。
普段から自分に注目していない上司から「君はよく頑張ってるね」と言われても「おベンチャを言うな!俺の何を知っているんだ」と褒められても社交辞令にしか思えません。これは親子関係でも同じです。
普段から注意深く子どもの言動や行動を観察していると、子どもが何に興味を持ち、何に夢中になり、どのようなことが嫌なのか、だいたい把握できるのでその事実のみを褒めたり、叱ったりするということです。
例えば、
「○○ちゃんはいつも△△してるよね。ママはそれを観ててね。よく頑張ってるなぁと思っているのよ」
とママが普段から観ている事実を褒めてあげると、子どもは「ママはいつも自分のことを観てくれている」と感じるので、ママの気持ちを素直に受け入れられるようになります。これを「承認」といいます。
※ 承認とは「観察して得られた事実を言葉にして伝えること」
叱るのも褒めるのも、その前に承認がないと場合によっては逆効果になることがあります。但し、相手の容器に入っている承認された量によって、承認されても受け取ることができません。
どういうことかと言うと、幼い頃から親に承認され続けていると、子どもの承認の容器が一杯に満たされています。
満たされている子どもは、他者に対しても承認してあげることができるでしょうけど、容器が満たされていないと素直に受け取れないのです。無理もないですよね。承認された経験がないわけですからね。
そのように承認の容器が空っぽの人がいたら、承認を注いであげて、行動、存在、意識などを承認し続け容器を満たしてあげることです。
5つの承認
承認には下記のように、どのような承認をどのタイミング、どんな状況で行なうかを理解しておく必要があります。
・結果承認(結果)
・プロセス承認(結果を出せた過程)
・行動承認(過程や結果より行動)
・意識承認(モチベーション、集中力、思考)
・存在承認(本人の存在)
結果承認・プロセス承認は、結果が出た時しか承認できないが、行動承認・意識承認・存在承認は結果がでなくても承認できます。このように、褒める、叱るというのは、このように普段から承認していることが大前提になります。
逆に言えば、承認という基礎がある人は、褒めても叱っても自身が自立しているので他者にも影響を及ぼすことができます。時間は掛かりますが「承認」の基礎を作っているとコミュニケーションを取る上でも良い循環がおきるでしょう。
【小さな実践】
様々なシチュエーションでどのような承認の仕方をするか、普段からトレーニングし習慣にしておく