絶望からの与命

2013年3月29日午前4時30頃
胸の痛みと呼吸困難で目が覚めた。
冷や汗がシーツにボタボタ滴れる。

これはヤバイ・・・

心臓が鉛になったような重さを感じ
意識が遠のきそうになる。

ほとんど無意識に
服を着て携帯と財布を持ち
マンションの1階まで降りた。

携帯から救急車に連絡するが、
電池切れ

もう部屋まで戻る体力はない。

何とか駐車場の車にたどりつき
飛びそうな意識で乗り込んだ。

右手でイグニッションキーを持ち
いつでもエンジンを切れる状態で
普段、15分くらいの距離を1時間以上かけて
病院に向かった。

今、思えば無謀な事だったと思う。


病院にたどり着いたのはいいが、
受付には若い男性の事務員がひとり

「胸が苦しいのですが・・」

絞りだすような声が言葉になった。

事務員の対応は
「ソファに座ってお待ち下さい」
この時に死ぬかもしれないと思った。

いつの間にか意識が薄れ

・・・気が付くと

ストレッチャーに乗せられ移動していた。

周りに５、６人はいただろうか。
「小橋さん 緊急手術しますからね！」
と叫ぶ女性の声。

心臓の蒄動脈8ヶ所が遮断
及び、心不全の併発で緊急手術！

手術は長時間に及んだ。



こんな形で私の「与命」は始まった。
写真は手術直後、
ICUの個室にいる時に友人が撮ったもの。





上半身を自力で起こせず、
長い時間上半身を起こしていると、
心臓に負担がかかり危険とのこと。

友だちが来てくれた時には
油断できない状態だったそうです。


単身で暮らしていたので、
もし、部屋で意識がなくなっていれば
今はないでしょう。

重度の急性心筋梗塞になって
意識があったのは運が良かっただけのこと。



易経の中にこんな言葉があります。

「物事には始めに兆しがある。
後になってトラブルになり訴える場合でも、
その物事が始まった時点で、
すでにトラブルの原因が内包されていることが多い」


私は、倒れる前、
倦怠感・動悸・息切れ・胸の痛み
などの兆しを感じていました。

感じていながら、

自分は大丈夫だろうと高を括り、
病院に行こうともせず
その結果が心筋の60％以上を失った。



物事には必ず兆しがあり、
それはビジネスでも同じ。

何かいつもと違う些細な違和感は
普段の行動に隠れてしまい
アンテナを張ってないと気付きません。


もし、あなた自身や周囲に
「兆し」を感じたら、トラブルになる要因が
噴火前のマグマのように噴出口を探している状態。

それを読み取れるだけで
運命は大きく変わるはずです。