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  1. モラル教育とコンプライアンス遵守をパート・アルバイトまで徹底させる難しさ
谷澤優花

人を敬う心“接遇”を伝えるビジネスマナーのプロ

谷澤優花(たにざわゆうか)

谷澤優花

コラム

モラル教育とコンプライアンス遵守をパート・アルバイトまで徹底させる難しさ

2019年2月18日 公開 / 2019年5月12日更新

テーマ:新入社員研修・新人研修・若手の人材育成

ビジネスモラルは、社会人としての基礎教養

不適切動画炎上でアルバイト・パート従業員までのモラルが問われる時代、ビジネス上でのモラルとは、どのようなことでしょうか?
一般的なモラルとは、人が生きていく上で守るべき倫理観や道徳意識で、特に善悪を伴う判断や良識が問われる基準・普遍的な道義をさします。このモラルは、それぞれが家庭でのしつけ・保護者から諭され、成長していく過程での学校からの指導で身に付ける、人間としての土台であり、基礎といえます。社会人になるまでに対人関係・道徳・公衆での立ち居振る舞い・公共心を理解することは、本来家庭の役割でした。現在、その土台が崩れつつあります。
ビジネス上でのモラルとは、法令順守、職場内・外での公私の区別・対人関係と個人情報の取り扱い、社会人としての時間管理、企業資産の適正使用・業務で扱う物の適切な利用や備品の管理、公正な取引…と多岐にわたります。これまで家庭や学校教えられ身に付けた事をベースに、ビジネスの上での良識・社会人としての根本を理解し、自分の頭で考えて、その判断と行動ができるようにならなければ、企業の社員・従業員として勤まりません。
とはいえ、法令を順守する上では法について、公正な取引に関しては取引上の知識を身に付けなければなりません。法にしても、取引にしても、そしてここで挙げたビジネスモラルのどれもが、これまで自分中心で、何かあれば家族や周囲が守ってくれた『学生という立場』から、「他者ありき・社会ありき」の『社会人としての立場』へと移行しなければならないのです。ビジネスモラルを学び身に付けることは、社会人としての基礎教養でもあるのです

モラルが身についていない従業員にこそ教育は必要

4月の入社式後やその前に新入社員研修や新人研修・新社会人教育がなされますが、なぜ社会人の基礎教養として、ビジネスモラルやビジネスマナーが必要であるかというならば、先ほど述べたように、自分中心で周囲から守られていた立場から、「他者ありき・社会ありき」と大きな移行・転換期を迎えるからです。4月に入社し、スーツを着れば見た目は社会人ですが、中身(心と考え)を大きく変えなければ、社会人にはなれません。正社員として入社した場合は、これらの研修や教育を通じて、その意識と責任について理解し身に付ける場が提供されますが、アルバイトやパートの場合は、ありません。採用する上で、面接時の人となりを見た上で判断し、採用したアルバイトやパートの「良心を信じて」業務従事を任せるからです。そこには、性善説(人間は基本的に「善」であるとする考え)を信じて採用する、面接担当者や経営者・店長の思いと責任があります。ただ単に、「バイト=お金が欲しい」という気持ちの学生や若者と、自社や自店で仕事がしたいと来たのだから、それなりの覚悟とやるべきこと、してはいけない事くらいは、分かっているはず!といった採用担当者や経営者・店長との気持ちの違いと隔たりは、大きいといえます。

これまで本来家庭でしつけられてくるべきモラルが、24時間なんでも好きな物が手に入り、そこまで食べる物にことかかない時代の中では、モラルが崩れつつあるのかもしれません。
不適切動画の数々は、食べ物を粗末にし、衛生面を問われる悪ふざけ、自分の物ではない企業や店舗の資産や備品を損なう投稿ばかりです。してはならない事だと教え・しつけられた経験があっても、悪い事と分かっていても、悪ふざけをしてその様子を動画で撮影し投稿することの方が、彼らの気持ちの中で上回っていることを正すことは、容易ではありません。
また、アルバイト・パートといった時間的制約の中で雇用している場合、教育や研修の機会、時間をそれに費やすことも難しいといえるでしょう。
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企業は、これまで「モラル」特に「ビジネスモラル」を軽視していたのか?というとそうではありません。企業理念だけでなく、「コンプライアンス」を企業独自で社員や従業員に分かりやすく説く為に、「社員の行動指針」「私達の心得」「行動規範」と掲げ、常日頃から唱和し、社員・従業員全員に周知徹底と、組織の一員としての自覚を促してきました。ですが、それは正社員や、各店舗であれば責任者や店長といった中での周知徹底で、アルバイトやパートといった末端の従業員までには、浸透していないのが現状のようです。

不適切動画炎上防止の為のガイドラインはどのように行うべき

これまで述べてきたように、実は不適切動画で悪ふざけをしているアルバイトや動画を撮影し投稿した当事者も動画上に「やばい・これはダメでしょ」などと画面上にコメントを入れる等、少なからずともモラルに反していることを自覚しつつ、罪悪感も多少なりともある上で、ネット上にアップしています。また、企業もこれまでなんの手立てもしていなかったわけでは無く、企業内でコンプライアンスの遵守を計る為に、企業理念や社員の行動指針・行動規範を作り、指導し徹底していたと思います。ただ、従業員や社員が「これらのことを守り、自ら行うであろう…」といった、各々の善意に委ねるのではなく、頻繁に振り返り、思い出させ、改めて自覚する機会が必要です。
 昨年、自動車免許の更新を行いましたが、更新時講習で視聴するDVD映像は短い時間とはいえ、改めてハンドルを握る気持ちを引き締めてくれました。車を運転する上での責任と自覚、ほんの少しの気持ちの緩みが起こす事故の怖さをビデオで目の当たりにし、5年毎に再認識させられます。これまで事故や違反もなく優良運転者であっても、やはり再認識する場はとても必要であり重要と感じました。
 不適切動画や悪ふざけ動画を防止する為に、企業ではそれぞれ考えを巡らせ様々な施策を行うと思いますが、やはり「ソーシャルメデイァとの付き合い方と企業内ルール」といった急務の徹底事項を周知させる為には、紙媒体での配布では難しいといえます。教育委員会で委員を務めていた際にも、「いかに指導するべき相手の手元に、周知内容を届けるか」が、課題でもありました。学校側から様々なお手紙や配布資料があっても、見てもらいたい、知ってもらい活かしてほしい、家庭や保護者の元には届かない…、または、紙面では見向きもされないか、読まれることなく捨てられる…といったことが、ほとんどだからです。
できるならば、不適切動画防止の施策として、紙媒体での配布にとどまることなく、研修や教育の時間を設けて、その研修中にこれまでの不適切動画の投稿から最後どのような結末になったのかといったビデオやDVDの視聴を短時間で分かりやすく実施することが良いのでは…と考えます。ネットと繋がりをもとめる若い世代は、特に紙面に書かれた事には興味を見せません。動画に興味があるのですから、動画での視聴を取り入れた学びと自覚の場の提供が必要であると感じます。運転も慣れてくると、「これくらい、いいか・大丈夫」といった甘さや気の緩みも出てきます。仕事や業務でも同じこと。従業員は「慣れてきたから、大丈夫」経営者や管理職は「うちの社員や従業員はちゃんとしているから、大丈夫」ではなく、少しずつ自覚が薄れ・気の緩みが出ることは誰でも有る事と常に危機意識をもち、定期的な学びの場や研修を実施することが、これからは大切であると言えます。
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