ビジネスでの新年の挨拶 2024年「あけましておめでとうございます」は、いつまで?
「分かりましたか?」は、上から目線で相手に失礼な言葉
4年前。携帯電話の調子が悪く、携帯電話会社のショップ窓口で新しい商品に買い換えようと訪れた時の話です。
普段、当たり前のように使っている身近なツールが使えなくなると、大変困ってしまいますね。そして、その有難さと、使い勝手の良さや利便性に改めて気づかされます。
私も買い替えに際し、出来れば自分にマッチした携帯電話サービスやプランをこの機会に見直し・選びたいと思いました。
窓口の女性のスタッフの方が、色々とご説明くださったのですが…
携帯電話のサービスも多様化し、おすすめプランも数多く、データー量や電話のかける回数や一度にどれくらい(何分程度)かけるのか…といった点で、様々なメリット・デメリッがあり、自分にどれが一番あっているのか、一度伺っただけではなかなか理解できないものです。
窓口業務ということで、ご説明の仕方や新しいサービスについて、おすすめするマニュアルもあるのでしょう。覚えていることをしっかりと説明してくださいました。
ですが…逆に私の方から質問や説明だけでは理解できなかった点を伺うと、窓口の女性スタッフの方の表情がぱっと変わり、不機嫌な顔。で、さきほどと同じ内容を繰り返す…。
私は、「・・・?・・・?・・・?」
こちらの質問や理解出来なかった点に対しての回答が得られずますます、「?」となって。なかなかブランの選択ができないでいました。
今思い返すと、この窓口の若い女性スタッフの方もマニュアル通りには説明できても、質問や要望に応えられるだけの知識や経験が、まだ浅かったのかもしれません。
多くの企業はサービスの均一化を図るために、マニュアルを作成します。マニュアルがいけないとは申しませんが、やはりお客様のご要望を伺い、お一人お一人に適切なサービスを提供できてこそ、満足して頂けるというもの。おすすめ商品を一方的に説明しても、お客様のライフスタイルやご希望に合っていなければ、それはただの押し売りになってしまいます。商品をおすすめする時に大切なのは、お客様への『配慮と尊重』と言えるでしょう・・・。
なんとか、今説明してくれたことを自分なりに理解しようと、目の前に開かれたカタログのプランのページを読み進めていると、
さきほどの女性スタッフの方から 『新プランの説明しましたけど、分かりましたか?分かりましたよね?』 との事。
聞きたいけれど、こちらから聞いた質問や要望には不機嫌な表情を露わにされると、こうも人は、聞くに聞けない状況になるのだと、改めて実感したものです。
自分の年齢よりもずいぶん年下の若い方から、上から目線で「分かりましたか?」と言われてしまうと、私自身理解しようと努めている分、なんだか悲しい気持ちになりました。新しい携帯電話の機種になる!という嬉しさや、早く使ってみたいという楽しみさえも、気持ちが半減してしまったことを覚えています。きっと私でなくとも、同じ状況での応対は、他のお客様も大変不快に感じることでしょう。途中で担当者を代わって欲しいとも思いましたが、店内は混み合っており、なかなか言える状況でもありません。
「分かりましたか?」を言い換えるなら。正しい確認の仕方
『分かりましたか?分かりましたよね?』
ではこの言葉は、どのような言葉に改善すれば、お客様やお話している相手に受け止めやすいお声かけとなるのでしょうか?
『ただ今、私の方からご説明致しましたが、説明不足の点や何かご不明な点は、なかったでしょうか?(ございませんでしょうか?)』
このようにお伝えすれば、お客様やお話の相手の方も受け止めやすく、話ししやすい・質問や要望をしやすい雰囲気を作ることができます。
「分かりましたか?分かりましたよね?」YOU(あなた)がどうなのか…ではなく、
「説明不足の点はございませんでしょうか?」I(私)がどうであるか…。
相手の理解度に対してではなく、自分の説明の仕方に問題や不十分な点はなかったのか?と謙虚な姿勢でうかがうことが、説明に対する確認にふさわしい言葉遣いといえるでしよう。
おすすめのサービス。キャンペーン中の新プラン。それらをしっかり覚えてお伝えする力も必要ですが、お客様がいかにご納得されたうえでご契約に至るかが、顧客満足に繋がるといっていいでしょう。
説明力に不可欠な、締めくくりの言葉の大切さ
これらのことは皆様に一例として、私自身の実体験から、携帯電話のショップ窓口での応対場面をお伝えしましたが、どのような業種の企業にとっても、同じことがいえます。お客様やお話している方のお気持ちを不快にすることなく、好印象で
「また、あの人に会いたい!あの人に対応してもらいたい!あの方から、買いたい(購入したい!)」と、思って頂けるお声かけの仕方。接客応対のあり方が求められているのです。
自社の製品や商品を一生懸命説明しおすすめして「購入決定」という成果や実績に結びつける為には、お客様や先方の理解度を確認する必要があります。ですがお客様や先方に確認の為に伝えた最後の締めくくりの言葉で、「分かりましたか?」と言って台無しにしてしまっては、皆さんのご努力が報われません。
『説明不足の点は、なかったでしょうか?』
このフレーズを知っているのと、知らないのでは、大きな差が生まれるといっても過言ではないでしょう。