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コラム

元教育委員会の委員として、教師・講師を目指す方々へのエールとアドバイス

2015年6月4日 公開 / 2015年6月5日更新

テーマ:教師・塾講師のためのコミュニケーションマナー

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: ビジネスマナー

子ども達や生徒から与えられる喜びや感動は、苦労の分大きい!

私は、平成20年から4年間の任期で、坂出市教育委員会の教育委員をさせて頂きました。ここでの経験は、とても貴重でかつ、現代の子どもを取り巻く問題点や課題に触れ、委員という立場としてだけではなく、一人の母親として心痛むことも多々ありました。委員として会議だけでなく、市内の幼稚園・小学校・中学校の諸先生方、そして子ども達や生徒と交流をさせて頂く機会も多く、今思い返せば、その一つ一つが『宝物』です。訪れる園や学校には、様々な課題や問題点もありましたが、その中で先生方が工夫をし、子ども達や生徒にとって良い方法を常に模索されていたことが印象に残っています。その分、校長先生をはじめ諸先生方のご苦労やお気遣いは並々ならぬものがあり、昼夜問わず子ども達の為に、力を尽くされていたことを覚えています。

その中で、私が見て感じたことというのは、現場の先生方のこれまでのご苦労の中の、ほんの一部かもしれません。
ですが、何日も暑い中練習し・準備してきた運動会、先生方が生徒に理解しやすく学びが定着出来るよう工夫を凝らした研究授業の数々、そして人生の節目となる入学式や卒業式といった式典等を通して、そこで輝く子ども達の笑顔と達成感、充実した表情、真剣な取り組みをかいま見て、何にも代えがたい感動と、幸せを感じました。
それは、きっと見ていた私や保護者だけではなく、携わっている先生にとっても大きな喜びであり、何よりのパワーの源となっていると思います。
子ども達や生徒の「笑顔」から得られるもの…、それは努力と苦労をしてきた分、とても大きい喜びとやりがいに代わります。

幼稚園

子どもを通して、保護者と共感する

子どもと接することが好きだからかもしれませんが、自分の子どもが参加していない他校を訪問した時でも、開会式での挨拶を行った全ての運動会で、最後の種目やプログラムまで見せて頂きました。なぜなら、私も親としてそうであるように、保護者の方々が大切に慈しみ育ててこられた、子ども達や生徒が、一つの目標に向けて一生懸命取り組む姿は、輝いているからです。
天気が良くて太陽が眩しいからだけではない、子ども達から発せられる輝かしいエネルギーを感じるからです。私は、そんな子ども達の笑顔や真剣な表情を見るたびに、有難い気持ちで一杯でした。なぜなら、私は2人の子どもしか育てていませんが、教育委員として参加させて頂くことで、こうしてたくさんの子ども達の成長と、喜びを一緒に味わい見ることが出来たからです。

教師・講師を目指す皆様に是非お伝えしたいのは、自分の子どもではなくても、
愛情を注いだ分、手をかけた分、熱心に指導した分、かえってくる幸せが大きいということです。

親が子どもを一人育て上げるのにも、どれほど大変か…。
ですが、教師・講師という職業は、その子どもの成長のほんの一部分・一定期間関わることで、それまで育ててきた大変さという過程を抜きにして、子どもの年齢に見合った「子供らしさと成長」といった『旬の時期』に触れることが出来ます。
幼稚園には幼稚園児の、小学校には小学生ならではの、中学校では少し大人になった生徒の、『それぞれの旬の時期』をたくさんの子ども達から感じることが出来ます。
「この子は、こんなにも真剣なまなざしで取り組んでいるんだ。お母さんにみせてあげたいな。」
「泣き虫だった子が、今日は歯をグッと食いしばり、泣いてない。成長したね。」
「クラスがまとまって何かをすると、こんなにも大きな力が生まれるんだ。」
「まとめ役は、あの子にとって初めての経験だけど、クラスメートに声掛けながら、頑張ってやり通したね。」
たくさんの子ども達の成長の過程を温かく見守り、喜怒哀楽を共にするからこそ生まれる、子ども達や生徒との共感。そして懇談会などで、その子の成長をお伝えした時に生まれる、保護者との共感。
教師・講師とは、「子どもの一瞬一瞬を目の当たりに出来る」素晴らしい、やりがいのある職業だといえます。

保護者も一生懸命、教師も一生懸命、子ども達も一生懸命な時代

子どもの数も減り、核家族化が進み、保護者の置かれている状況、そして子ども達の置かれている環境も、以前とは様変わりしました。先生方に求められることも多くなり、毎日が多忙な為、先ほど述べたように一つ一つの出来事に、一喜一憂してばかりではいられません。

私が教育委員会を通して分かったこと、その為に委員として出来ることは何かと考えた時、保護者の一生懸命さ、先生方の一生懸命さ、そして子どもの頑張りといった、それぞれが別々の離れた場所で、フル回転で回っている状態の歯車を、少しずつ近づけることで、(しっかりかみ合わせるまでは出来なくても)互いが絶えず全力で回転しているという「風」を感じさせるところまで、距離を縮められるのではないか…。
保護者・教師・子ども達という三者の現状と関係性をお伝えすること、それが私の役割と任務と感じ、四年間務めてまいりました。

歯車

保護者も毎日毎日、頑張っています。先生方も毎日毎日、努力されている。
そして、子ども達もそれに応えるべく、一日一日成長している。
人と関わる仕事…。
子どもの成長を支え・明るい未来へと導く、教師・講師としての仕事。
それは、子どもを通して感じる保護者との「共感」を抜きにしては出来ない、コミュニケーション力が求められる、特別な職業といっていいでしょう。

◆ビジネスマナー・接遇を通し円滑なコミュニケーション方法を提案 
問題点や改善点、実際のクレーム案件など企業ごとに内容を把握した上で、研修の内容を組み立てます。
現場ですぐに実践できるビジネスマナー・接遇を分かりやすく伝えています。
ビジネスマナー講師 谷澤優花 <ご相談はこちらから>

この記事を書いたプロ

谷澤優花

人を敬う心“接遇”を伝えるビジネスマナーのプロ

谷澤優花(谷澤優花)

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