ハラスメントのない社会づくりを目指して
「怒らない優しさ」は、組織を弱くすることもある
先月、岡山市内で、全管理職を対象に2日に分けて研修を担当しました。
研修担当者からは、
「怒るべき場面で適切に怒れる管理職を育てること」をテーマに、
その重要性を伝えてほしいとのご依頼をいただきました。
ハラスメントと指導の違い
数年前から、
「もう、何も言わないようにしてるんです」
——そんな声を、管理職の方から聞くことが増えました。
ハラスメントが怖い。
嫌われたくない。
トラブルになるくらいなら、何も言わない方がいい——
その気持ちは理解できます。
しかし、ここははっきりさせておきます。
怒るべき場面で怒らないことは、組織にとってリスクです。
なぜなら、管理職の役割は、人を育て、成果を出すことだからです。
パワーハラスメントとは、
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優位性を背景に
業務の適正範囲を超え
苦痛を与える行為
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この3つが揃ったものです。
つまり、業務上必要で、適切な範囲の指導はハラスメントではありません。
上手に怒る3つの技術
① 未来を伝える
→「今後はこうしてほしい」
② 主語を「私は」にする
→「私はこの点が気になった」
③ 感情を言葉にする
→「正直、今回の件は残念だった」
私たちはイラッとしたとき、つい感情をぶつけがちになります。
しかし本来、怒りはぶつけるものではなく、伝えるものです。
そもそも「何のために怒るのか」という目的を明確にすることで、
どのように伝えるべきかは、おのずと見えてきます。
NGな叱り方と怒らないリスク
「いつも」「絶対」といった決めつけや、過去の蒸し返し、強い言葉での圧力。
こうした叱り方は、指導ではなく“攻撃”になります。
一方で、何も言わないままでいると、
部下は育たず、問題は残り、不公平感だけが積み重なっていきます。
怒らないことは、優しさではありません。それは時に、組織を静かに弱らせる“放置”になります。
怒りは“壊す力”にも“育てる力”にもなる
研修終了後、多くの方が「怒ってもいいんですね」と口にされました。
やり方が分かれば、怖さは減ります。
管理職に求められるのは、感情を抑えることではありません。
感情を使いこなすことです。
怒りは、壊す力にもなれば、人を育てる力にもなります。
どちらにするかは、その伝え方次第だと思っています。


