年間の休日数は最低何日間必要か
社労士&アンガーマネジメントファシリテーターの三谷です。
今回は、パートさんの年次有給休暇の賃金の計算方法、についてです。
パートに限らず、年次有給休暇の賃金の計算方法は下記の3つと決められています。
1 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
2 平均賃金
3 健康保険法の標準報酬日額に相当する金額
このうち、どの方法で計算するかを会社はあらかじめ定めておく必要があります。
具体的には、
1と2は就業規則等で、
3の場合は労使協定を締結した上で、就業規則等によって定めます。
一旦計算方法を定めたら、Aさんは1で、Bさんは2とか労働者によって取り扱いを変えたりしてはいけません。
では、パートさんの計算方法は、1~3のどれがよいのでしょうか。
会社の実態やパートさんの働き方によって変わってくると思いますが、
私は2の平均賃金で計算するのがいいのではないかと考えています。
パートさんは正社員と違い、必ずしも毎日同じ時間に出勤して退勤するわけではなく、
日によって変則的な勤務形態をとっている人も多いと思います。
このような時給制のパートさんで1日の所定労働時間が定まっていない人や、
曜日によって所定労働時間が変わる人の場合には、
1の通常の賃金に基づいて支払うと有給休暇の所得日によって不公平が生じてしまいます。
また、パートさんの場合は、週の所定労働時間が短いことから、
社会保険の被保険者に該当しない人も多いため、標準報酬日額という方法は妥当ではないケースが多いでしょう。
ということで、2の平均賃金がいいのではないでしょうか。
平均賃金を計算するのが面倒、という声もありますが、今では給与計算ソフトですぐに算出できたり、
平均賃金の算出を一度やってみると単純であることが分かったりするので、そこまで事務負担もかからないと思います。
いずれにしましても、年次有給休暇期間中の賃金の計算方法は、
就業規則等で定めた方法によって支給することになるため、
計算方法が明確になっていない場合は、就業規則の整備を行いましょう。
そして、 パートさんの場合は、一般的に3の標準報酬日額による方法は取りづらいので、
勤務形態の実態を考慮して、通常の賃金によるか、平均賃金によるかを慎重に定める必要があるでしょう。