「テレワーク化できる作業はないか」一度は考えてみて
社労士&アンガーマネジメントファシリテーターの三谷です。
今回は、テレワーク中の「中抜け時間」について、です。
こちらのコラムでも何回か同じテーマで書かせていただきましたが、
テレワークが進む状況の中で、再度書かせていただきます。
テレワークにおける「中抜け時間」というのは、自宅等で仕事をしている際、
「ちょっと銀行に行きたいから一旦業務から離れます」
「子どもを幼稚園に迎えに行くから少し仕事抜けます」
というような場面での、業務から一定程度離れている時間のことです。
この「中抜け時間」の対応ですが、
次の2つの対応が考えられます。
【1】休憩時間として扱った上で、始業・終業時刻の繰り上げ、繰り下げ。
この場合、始業終業時刻を変更させることであるので、
その内容を就業規則に記載しておくことが必要です。
例えば、
「始業9時、終業18時。休憩12時~13時。ただし、業務の都合により
始業・終業の時刻を繰り上げ、繰り下げることがある」
このようにしておけば、仮に15時から16時までの1時間中抜けした場合、
終業時間を1時間繰り下げ、19時まで仕事をしてもらうことが可能です。
【2】休憩時間ではなく時間単位の年次有給休暇として取り扱う。
この場合は、時間単位年休のための労使協定が必要です。
【1】の場合とちがうのは、始業、終業時刻に関しては変更がないことです。
私の関与先企業で時間単位年休を導入している企業は、ほとんどないのですが、
テレワーク導入を進めている中で、時間単位年休の導入も検討し始めた例があります。
社長からしたら、仕事をしていないので、「中抜け時間」は労働時間とは
みなされないことは当たり前のことのように考えてしまいます。
もちろん、「少々の」中抜けは労働したものをみなすことも可能でしょう。
いずれにしても、労働者に「中抜け時間」の意味や取り扱いについて
きちんと理解していただかないとトラブルになる可能性があります。
そもそも就業規則や労使協定が不整備であったら違法となることもありますので注意しましょう。
コロナ対応で緊急的にテレワークを導入した企業は、
これからルール作りなどの整備をすることになろうかと思います。
労働時間に関しては、トラブルになりやすいところですので、
しっかりとルールを決めておきましょう。