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在職中と退職後の傷病手当金の受給要件で間違いやすいポイント

三谷文夫

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テーマ:労務管理

傷病手当金に関してこの年末に2件問い合わせがありました。
それも退職後の給付についてでした。

この内容に関しては、少し前にコラムを書いていますので、
そちらを少し加筆して今回は書きたいと思います。


会社の担当者であれば、
「傷病手当金」の申請のご経験もあると思います。

この傷病手当金ですが、担当者の勘違いで、
間違って従業員に案内しているケースが最近顧問先でありました。

傷病手当金は、病気やけがで会社を休んだ場合に、
健康保険から支給される生活保障制度です。

そして、仮に退職してからも
仕事に就くことができない状態であるならば引き続き支給されます。

その時の要件のひとつが、
「退職前に健康保険に1年以上加入していること」。

最低1年は健康保険に加入していないといけないのですが、
勘違いしやすいのはこの点です。

1年以上加入という要件は、
あくまで「退職後にも引き続き」傷病手当金の支給を受けるための要件です。

「在職中」の方が受けるためには、1年以上加入という要件は必要ないのです。

例えば、
入社して半年の従業員が病気により3か月間の入院生活となった場合、
(他の要件も満たせば)傷病手当金は支給されます。

しかし、この方が病気のために退職となった場合、
半年間しか健康保険加入期間がないために、
退職後には傷病手当金の支給はない、ということになります。

さきの顧問先の担当者は、健康保険の加入が1年以上ないといけない、
という要件が在職中、退職後問わず必要という間違った理解で
従業員にも案内していました。

加入期間が問題となるのは、退職後も引き続き傷病手当金を受ける場合のみです。

間違えやすいところですので、担当者は注意しましょう。

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三谷文夫
専門家

三谷文夫(社会保険労務士)

三谷社会保険労務士事務所

労務についての法的観点からのアドバイス、それに加えて人材育成、組織力向上についての研修を行うことができることが私の強みです。「明日から実践できる研修」をモットーに、現場ニーズに合わせた研修が特徴です。

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