神戸大学大学院保健学研究科で「大学院講義」をしました。
糖尿病が原因で、1年間で約3000人もの方が足を切断しています。
高血糖が持続すると血管が障害されたり、神経が障害されることが、その原因です。
通常であれば、足の裏に米粒がくっついたり、靴の中に小さな石が入ったりするだけで、不快になってしまいます。しかし、高血糖状態が長年続いているような場合では、足の感覚が鈍くなってしまい、靴づれなどのケガをしても気がつかなくなってしまいます。この状態を放置すると壊疽と呼ばれる腐ったような状況になり、治療が遅れると切断しないと命にかかわるような事態を招いてしまいます。
フットケアとは、糖尿病患者さんの足を守るためのケアのことを言います。欧米では、足の専門家がいて、フットケアという概念も浸透していますが、日本ではまだまだ知名度が低いことが大きな問題です。
先日も京都で行われた、日本糖尿病療養指導学術集会において、フットケアについてディスカッションをしてきました。色々な立場の方々と意見交換が出来ました。
当院でもフットケアを随時行っていますが、より充実させることで、「足を守る」ことに貢献したいと思います。