成長する企業を創る経営者の、よき質問術

松本尚典

松本尚典

テーマ:質問 言い換え ビジネス



長年、中小企業の社長に経営指導をする中で、気づいた、成長する社長の、よき質問をするコツ


経営コンサルティングという仕事を長年にわたって行ってきた中で、僕が気づいたことは、成長する会社の経営者の方には、ある一定の共通点がある、ということです。

それは、よき質問をするコツをよく心得ておられるということ。

その方の学歴などとは一切関係なく、継続的に事業を健全に成長させる経営者は、間違いなく、「よき質問するコツを掴んでいる」という共通点があるわけです。

僕の経営コンサルティングサービスでは、その会社の過去の状況と現状を把握し、そこから未来に成長するための、現状の課題を洗い出し、それを解決する方法を、経営者と一緒に編み出してゆきます。

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その解決法を策定する段階で、経営者の方と僕は、無数の質問と答えのキャッチボールをしてゆくわけです。そのキャッチボールの過程で、成長する経営者の方は、僕の知恵や過去の経験・そして考え方を引き出すため、非常によい質問を投げてきます。

一方、成長が止まる経営者や、売上を乱高下させるような経営者は、概して、僕からの提案が一方通行になります。そして、的外れの質問を繰り返したり、協議している間に、論点が、どんどんずれていったりします。

このような経営者の方は、継続的に事業を成長させられないというのが、長年、中小企業の経営者を支援してきた僕の、感想です。

受け身の経営者と、質問をする経営者は、大きく違ってくる


同じ内容を、違う経営者にお話しをしても、それを、ただ聞き流して、質問も何も出てこない方、あるいは、質問が的をはずしている方もいます。

一方で、僕の話を聞きながら、しっかりとメモをとり、質問事項を書き留めて、最後に的確な質問をされる方もおられます。

その差は、経営に対する姿勢、何かを掴み取ろうとする姿勢、そして理解して自分の仕事や事業に活かそうとする姿勢の違い、のあらわれです。

そしてそれらの姿勢が、結局、事業や組織を成長させ続けることができる底チカラの差になって現れ、大きな成果の差を生みます。

「よき質問」とは?


では、よき質問をするコツは、どのあたりにあるのでしょうか?

質問したい事項を手帳に書きだしている


企業を伸ばせる経営者は、僕のコンサルティングカンファレンスに先立ち、僕に何を聞きたいかを書きだしておられます。中には、カンファレンス前に、必ずメールを僕に送ってきて、協議したい内容や質問を、事前に知らせてこられる方もおられます。

経営者は、日常の仕事の中で、様々な課題にぶつかっています。その課題の解決に積極的に向き合う中で、その解決法や解決への道筋を自分なりに考えだし、その検証として僕のカンファレンスを利用される経営者は、例外なく、事業を成長させておられます。

逆に、カンファレンスに際して、受け身で、問題意識がないまま、時間になったから、カンサレンスにやってくるタイプの方の会社は、成長が止まり、あるいは、大きく減退をする傾向が強いというのが、長年、僕がみてきた傾向です。

何をすべきか?でなく、何ができるか?を質問する


何をすべきか?という質問は、一見、目的的で、意欲的に思えるかもしれません。

しかし、実際の中小企業の経営の現場では、何をすべきか?にフォーカスしすぎると、失敗することが、ままあります。

中小企業は、経営学がベンチマークの対象としている巨大なコングロマリット企業ではありません。資金も、ヒトのチカラも、採用力も、ブランドも、充分ではありません。

中小企業の経営とは、そのような現実の制約の中で、成長戦略を考えることにあります。したがって、その経営の思考のパターンには、何をすべきか?という理想論ではなく、何ができるか?という現実論と成長戦略のバランス感覚が重要なのです。

従って、今の自社の経営資源に照らして、相応な成長を続けるため、何ができるか?という質問こそ、伸び続ける経営者のよき質問なのです。

何をすべきか?という思考の強迫観念に陥り、戦略論の中で編み出されたフレームワークをいたずらに試みたり、ネットやSNSで踊っている無責任な知識に踊らされる経営者は、中小企業の経営を誤る典型的なタイプなのです。

知識ではなく、相手の経営人生から学ぼうとする質問を繰り返す


インターネット上に情報が溢れている今、単なる知識は、ネット上の検索で容易に調べられる時代になりました。従って、この時代に、ネット上で簡単に調べられる程度の知識を、調べずに、ヒトに聞くというのは、最早、完全にヒトの使い方を誤っているといわざるをえません。

経営者がヒトに聞くべきことは、知識の相関関係や、相手の経営哲学や経営の経験が生み出すシナジー効果に関する質問です。

例えば、デットエクイティスワップという技術があります。これは、貸借対照表上の負債に計上している勘定を、純資産に振り替えるための会計上の技術を言います。

デットエクイティスワップという言葉を検索すれば、いくらでも、そのサービスを事業化している士業の方々の解説コンテンツがインターネット上に表示されてきます。

従って、「デットエクイティスワップって、何ですか?」という質問は、愚問です。

ところが、検索でいくらひいても、デットエクイティスワップを行ってはならない企業に関する情報や、その理由は表示されてきません。なぜなら、その情報を発信している人たちが、デットエクイティスワップをさせることで、売上をあげている人たちばかりだからです。

インターネット上の情報は、SNS上の情報ほどフェイク情報が溢れているわけではありませんが、発信者の不都合な情報が隠されていることはよくあります。そして、その情報発信者が、本当のプロではないため(士業の事務所が発信している情報も、その殆どは、SEO対策用のライターが量産している情報に過ぎません)、情報に深みや経験に裏付けられたインテリジェンスではありません。

このようなことから、「うちの会社の実情や総合的な観点から考えて、デットエクイティスワップを実施することは、正しい戦略でしょうか?」という質問が、よい質問です。

質問者に都合のよい反応を引き出す意図がない


自分が先に、自分の都合のよい回答を想定し、その答えを引き出すために質問するという方法は、相手からの新しい情報を封じ込め、阻害します。

この手の質問は、教師やコンサルタントが、教えられる側に行う質問であって、教えられる側が教える側に放つよき質問ではありません。

よき質問とは、その質問に対する相手の答えによって学び、自分の行動指針や戦略の、よき立案のための基礎情報を与えてくれる質問です。

成長する経営者の質問は、無私であり、純粋な情報への渇望があります。そのような要素よりも、自分の都合のよい答えを引き出す質問を繰り返す経営者は、自分も自分の会社も、成長が止まる典型的なタイプです。このような経営者のもとには、自分に都合のよい情報しか集まらなくなり、その結果、自分と自分の会社のベクトルを見誤るからです。

新しい可能性を前提に質問をしている


質問の意図にも、そのヒトの成長のポテンシャルがはっきり現れます。

成長をする企業の経営者は、新しい可能性を求め、その可能性を実現してカタチにすることのために質問を発します。新しい可能性が、あらゆるところに潜んでいて、それを誰かが掘り起こすことを目指していることを知っていて、そこに自分も踏み込むことを目指して、質問を発します。

学習型のリーダーの組織は成長し、判定型のリーダーに組織は離反する


僕が、多くの中小企業の経営者を対象に、コンサルティングのカンファレンスを積み上げてくる中で、リーダー対人スタンスには、2つの種類のヒトがいると思っています。

1つは、学習型リーダー。もう1つは、判定型のリーダーです。

学習型のリーダーは、対人関係に向き合うとき、常に何かを学ぼうとする姿勢で接します。僕のようなコンサルタントから、最大限、学びを引き出そうとすることは、当然の姿勢なのかもしれませんが、学習型のリーダーは、部下からも学びを引き出そうとします。

僕自身も、かなり強い学習型のリーダーです。僕は、日ごろ、膨大な本を読み続け、体系的な勉強に励み、作る人脈からそのヒトの優れた点を学び続けています。ある機能に優れた部下や業者さんからは、ミーティングを通して、その技能を学ぼうとします。そして、学ぶためによい質問を繰り返します。

学習型のリーダーの組織は、基本的に成長をします。
部下も、業者さんも、そのリーダーのために、尽力して協力してくれます。

一方、判定型のリーダーは、常に他者を判定し、批評します。部下や、業者の欠点をあげつらい、それを批評することで、自分の優位さを示そうとします。

判定型のリーダーは、一見、偉そうに見えますが、部下や業者はそのリーダーのために仕事をしなくなり、組織は崩壊を起こします。

組織を成長させられるリーダーは、学習型のリーダーであり、学習型のリーダーからは、よき質問が出てくるのです。

これが、成長する会社の経営者が、よき質問をする理由です

よき質問とは、相手から、学ぼうとする姿勢の中で生まれる質問なのです。

部下を活かす経営者の究極の質問 「君には僕のどんな助けが必要か?」


部下に対する質問にも、その経営者が会社の成長をさせられるかが表出します。

先に述べたように、判定型のリーダーが率いる会社は、組織が崩壊し、成長ができません。逆に、組織を成長させる経営者は、部下に、個としての自覚を求め、その自覚ができる部下を協働させて成果をえます。

経営者やリーダーが、自分のチカラを過信し、自分の仕事のストーリーに従ってマニュアルを創り上げ、その通りに行動することを求めて、その判定をしたがる経営者は、自律的な組織を創れず、成長が止まります。

僕は、URVグローバルグループの5つの経営理念の第4理念に、以下の内容を掲げて、自らに課しています。

URVグローバルグループ経営理念

4. URV Global Groupは、世界各国に存する、高い能力を有する自立した個や企業とのパートナーシップを結び、その有機的な結合に基づく組織の発展を重視する。

URVグローバルグループの採用は、その人材が「高い能力を有する自律した個」であるかどうかを最重視しています。

世界各国に人的資源を放って展開するURVグローバルグループは、自ら自律的に仕事を企画創出して計画をたて、それを実行できる個として自立している人材しか、決してグループに採用しません。これは、取引業者である個人事業主の方でも同じです。

従って、すべての部下に対する、経営者であり、上司である僕の質問は、以下の究極の質問のスタンスをとっています。

「君には僕のどんな助けが必要か?」

どんなに自律的な人材でも、壁にぶつかり、失敗することがあります。僕は、常時、部下や取引先の個人事業主の方の仕事に注目し、必要な時には、僕が助けに入り、その壁を打破し、失敗から学ばせて、次のステージに進ませます。

これが、僕の経営者としての、部下や取引先へのスタンスです。

自律できる人材に、自由にチカラを発揮する機会とステージを与えて投資し、その人材が助けを必要とする時に、直ちにそれを支援すること。これが、成長する経営者の究極の質問だと僕は、考えています。

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