今、あえて問う! 服装は、ビジネスの成功に関係ないのか?
自分の能力の範囲で動くか、能力以上の領域に動くか
僕は、長年にわたり、会社を大きく成長させる経営者の方々を経営コンサルタントとして支援して参りました。
このような会社を成長させられる経営者には、一つの共通点があります。
それは、「自分の能力以上の領域に挑んで動くことができる」という仕事の仕方をしている点です。
他方、一時的に会社が伸びても、次第にその伸びが停滞し、やがて、衰退をはじめる経営者の多くが、「自分の能力の範囲の領域でしか動かない」人たちです。
人間には、だれしも、能力の限界があり、得意・不得意があります。万能なヒトなど、どこにもいません。新しいマーケットに打ち出してゆくとか、新しい商品を開発する、新しい事業のために、これまでの規模の組織を越えた規模の組織を創るというようなことを目指す場合、その新たな領域はそのヒトにとって未経験であり、自分の能力の範囲を超えた領域であることも多々あります。
その時、自分の能力の範囲でしか動かないのか、あるいは、能力以上の領域に動き出すのかで、大きな違いを生みます。
僕は、米国公認会計士であり、様々な士業の資格を持っています。しかし、僕は、自分の実力を伸ばす勉強の指標として資格をとっても、士業の会には登録しません。
公認会計士をはじめとする資格士業の専門家は、「リスクマネジメント」の専門家です。
リスクマネジメント思考を重視すれば、自分の能力を超えた領域に挑む行為は、無謀であり、リスクが高い行為となります。
しかし、そのようなリスクマネジメント重視の発想をし続けているヒトは、まず、間違いなく大きな成長をする組織は作れませんし、会社を大きく成長させることもできません。
リスクからマネジメントをまず考えてしまう士業の指導通りに経営者が動いて、会社が大きく成長するなどありえないのです。ですから、僕は自分の成長や学習のために、資格はとっていますが、資格業の「先生」の思考を実践するリスク回避者でありたいとは思っていません。僕自身が成長を優先する事業家であり、成長を志向する経営者の「成長のための指導者」でありたいというのが、僕の立ち位置です。
僕自身、自分の経営するURVグローバルグループを、創業から10期にあたる2024年度までの10年間で、グループ年商を44億円にまで成長させてきました。
その過程の経営は、常に自分の能力を超える事態に挑戦して常に無理をし、時には、無謀とも外側からみられる挑戦をし続けてきた結果です。
人倫に反するようなことは一切犯してはいませんが、小さなリスクは、常にとってきました。そして、自分の能力を超える領域に挑み、挑みながら、能力を高めてきました。
大きく組織を成長させている経営者は、僕と同じように、常に自分の能力の限界を越えた領域で動き、成長を積み重ねているのです。
何故、経営者には「背伸び」が必要なのか?
では、何故、成長する企業の経営者は、「自分の能力以上の領域に挑んで動くことができる」タイプなのでしょうか?
換言すれば、何故、自分の能力以上に背伸びをするタイプの経営者でないと、会社を成長させられないのでしょうか?
中小企業は、膨大な資本を市場から無返済で調達できる、優良な上場企業とは、全く経営条件が違います。中小企業が、成長のために投資できる資金は、売上から仕入れや販管費を支払った後に残る営業利益から、更に消費税や法人税等の税金を引いた税引き後利益を貯めた社内留保金、あるいは、銀行に金利を支払って借りた返済をしなければならない資金です。
資本市場から返済不用な資金を豊富に調達できる上場している大企業と比べ、資金調達条件において、圧倒的な制約があります。そのため、中小企業が仕掛けて成功する新規事業は、投下資金が少額で済み、しかも、その資本利益率が大きな事業に限定されてきます。
そのため、事業のライフサイクルのアーリーステージの段階にある事業か、アーリーステージにあるマーケットでしか、中小企業の新規事業は成功しないのです。
上場している大企業の新規事業は、リスクを避けて、成熟期にある事業や成熟期のマーケットに膨大な資金を投入することができるため、資本利益率が低い事業でも、大きな利益を生み出すことができます。コストや返済義務のない市場調達資金を、膨大に投資できる大企業の場合、資本利益率が低い事業でも、大きな利益を生み出すことが可能なのです。
成熟市場で事業を行っている企業をM&Aで買収するという手法で成功できるのが、大企業なのです。
一方、中小企業の新規事業は高い資本利益率が成り立つ事業でしか勝負ができません。リスクをテイクして、競合がまだいないブルーオーシャンマーケットや、ベンチャー事業に挑むしか、成功する方法がないのです。
このようなブルーオーシャンマーケットやベンチャー事業では、過去に成功事例がなく、事業に成功するノウハウや能力が確立されていません。
つまり、資金力が少ない中小企業で成功するには、経営者はリスクをとり、自分の能力を超えた領域に挑み、その結果、資金の投資に対する利益率を断トツで高めることができる事業に挑むのが、成功への道なのです。
目標は、「足し算」でなく、成りたい夢から「逆算」でたてるもの
現実を見つめることは必要なことです。
しかし、現実だけをみて、今の自分の力を足し算し、その足し算の結果だけから目標を立てる人は、よき官僚にはなれても、ベンチャー事業の経営者にはなれません。
URVグルーバルグループは、
夢をみろ!
それをカタチにする
という言葉を、グループのドメインに掲げていますが、これは、長年にわたって経営コンサルタントとして、多くの事業家や経営者を成功に導いてきた僕が、自分の人生と生き方の総括として、自分のミッションを考えるなかで、最も、的確な言葉として生み出したドメインです。
成功する経営者は、現実からスタートして、それを足し算で目標を立てる優れた官僚タイプのヒトではありません。そのようなヒトは、大企業のビジネスパーソンとしては成功できますが、中小企業の起業家にはならないほうがよいでしょう。
自分の成りたい夢から逆算し、目標を設定し、その目標達成とその現実化に、無理を重ねて、結果的に、その夢をカタチにするタイプのヒトが、ベンチャーの起業家です。
僕の人生のミッションは、そのような経営者や事業家を励まし、その夢から逆算した目標をたてさせ、周囲の環境や組織に大きな負荷をかけながら、その達成に無理を重ねる冒険家たちに、その夢を達成させ、カタチにすることにありました。
そして、僕自身もまた、そのような経営コンサルタントである自分を越えて、事業家として、自分自身の夢を目標化して、夢をカタチにし続けています。
2025年3月で創業10周年を迎え、グループ年商44億円に到達したURVグローバルグループの経営の10年史は、毎日が無理な挑戦であり、時々は無茶な挑戦も厭わない日々の積み上げの結果なのです。
伸びる経営者は、部下に、「愛のある無茶ぶり」をする
部下のマネジメントにおいて、各種の労働法の定める法的な義務を完全に守り切ることは、経営の理想かもしれません。
しかし、実際、ベンチャー企業の経営者で、会社を成長させている経営者が、労働法が理想とする労働環境を実践しているケースは、まずないと言っていいでしょう。現実問題として、そのような経営は、「きれいごと」の域を出ません。
会社を成長させることができる経営者は、自分の仕事でも、相当な無理を毎日続けている状態にあります。その経営者が、部下に、大企業のエクセレントカンパニーが行うような理想的な人事労務政策で臨むことは、現実的ではありません。
自分でも、相当の無理をし、時々は無茶もしている経営者で、部下を上手く使いこなしているヒトは、「愛のある無茶ぶり」を部下にしています。部下の人選を根本から間違えていない限り、ベンチャー企業に入ってくる部下が、労働法を盾に会社に立ち向かうときは、「独裁的な無茶ぶり」を経営者が行っている場合です。
会社の成長の未来を部下と共有し、部下の無理を褒めながら、部下に「一緒に会社を伸ばそう」と語りかけて行う無茶を、優れた部下は、厭うことはほとんどありません。
僕も、若い頃、部下の反抗に合い、組織の崩壊の憂き目を見た苦い経験を、何度かしました。しかし、後になって、その事態を深く反省してみると、そのすべては、部下に無理をさせたからではなく、僕の目指す目標をしっかりと部下に共有しておらず、部下の無理を高く評価していないという、「愛の欠如」が原因でした。
断じていえることは、労働環境や職場のオフィス環境などの「働きやすさ」を追求することは、成長のびざかりのベンチャー企業が行うべき経営姿勢ではありません。
部下とともに、「働きがい」を共有し、その先に十分な利益を投資してから、「働きやすさ」を後で追求するのが、成長する経営者の現実の姿です。
「働きがい」を忘れて、「働きやすさ」という外形だけを追求する人事労務政策は、成長企業にとって、非常に有害な経営姿勢であると僕は声を大にして言いたいと思います。
踏み切ってから、学習を並行させること
自分の能力の範囲内でしか動けないヒトは、常にリスク管理を言い訳にして能力を超えた動きができないことを正当化しようとします。自分の能力や組織の能力を超えた行動に出てしまうと、結局、できずに終わり、目標や目的を達成できずに終わるだろうと、彼らは主張するわけです。
これは、僕に言わせれば、リスク管理に名を借りた、やらないことへの臆病者の言い訳なのです。
実際、自分の能力以上の領域に挑んで動くことができるヒトは、行動に踏みきって、動きながら、退路をたって、学習と行動を並行させて、行動の能力を後追いで高めて、目標や目的を達成しています。
忙しい人間は、踏み切って、切羽詰まらないと、勉強ができない生き物です。
例えば、僕は、新卒で入社した銀行から、入社後3年で、社費留学の権利を与えられました。社費留学の権利が与えられたというのは、会社の給与を貰い、学費を会社が出してくれるというだけで、大学院への入学許可やビザは、自己責任で獲得しなければなりません。
社費留学制度枠に入った当時の僕は、英語力も、海外での生活経験も、まったく不十分でした。それでも、僕は、自分の能力を遥かに超える、世界最高峰の経営大学院である、ハーバードビジネススク-ルに入学目標を定めて、寝る間も惜しんで、仕事と勉強を両立させ、ハーバードに入りました。
そして、死に物狂いで、食らいつき、2年後に、上位の成績でハーバード大学から世界最高峰の学位である、ハーバードのMBAを授与されて、PwCニューヨークと契約を獲得して、ウオール街に行き、約10年間、そこで、これまた死に物狂いで仕事と勉強を積み重ねました。
そして、いつか僕には、自分の能力を遥かに超える動向をし続けることが当たり前の習慣が身につき、その行動が、創業10年にして、URVグローバルグループを年商44億円の企業に導いたのです。
僕が、銀行から社費留学をいただいた時に、僕自身の客観的な英語力を見据えて、リスクを観てしまっていれば、僕は、巨大な銀行組織の中に納まり、その後に日本の金融機関を襲ったメガバンクへの合併に、一生怖れおののいて生きる道を選択していたことでしょう。
自分の限界を把握しつつも、それを乗り越えて、それよりも高い領域で行動し、必死に無理をし続ければ、自分の能力は飛躍的に高まり、行動に能力は必ずついてくるのです。
オーバーエクステンション戦略の基本は、「やめないこと」と「あきらめないこと」
企業経営の基礎は、「つぶれない会社を創ること」にあり、その基礎は、ストック型の収益によって、固定費を賄う構造を、創業からできるだけ早く創り出すことにあります。
この基礎をつくれば、会社は、潰れません。
この潰れない基礎をつくった後の段階に来る、重要な経営者の行動の次なる基礎は、先に掲げたように自分の能力を超えた無理なチャレンジを行い、チャレンジをしながら、学習をして能力をチャレンジの中で高める活動を、常態化させることにあります。
この活動を、僕は、オーバーエクステンションと名付けています。オーバーエクステンションは、もちろん、能力を超えた無理をしているわけですから、なかなか成果が思ったように出ないことが初期段階では多いわけです。
しかし、経営の中で、潰れない基礎を創っている以上、オーバーエクステンションで、簡単に結果が出なくても、あきらめる必要はないわけです。
あきらめなければ、必ず、結果は出るという言葉は、潰れない組織を基礎に、オーバーエクステンションに挑んでいる経営者に、最も当てはまる言葉だと僕は考えています。
僕の、自分の組織であるURVグローバルグループが、2025年で創業から10年を迎えました。この10年間、僕は、まず潰れない組織造り(ストック収入によって固定費や借入金返済・金利負担などを完全に賄える組織造り)に注力し、これが出来上がった後は、オーバーエクステンションに挑み続けました。
今、URVグローバルグループは、創業10年で、グループ年商44億円に到達しました。そして、僕は今、今後5年で、グループ年商を100億円に到達させるオーバーエクステンションに挑んでいます。
その実態は、自分と自分の組織の能力を超えたオーバーエクステンションに挑む無理な挑戦を行い、挑みながら学習して能力を挑戦のレベルにまで高め、そして、あきらめずに、挑戦を続ける行動だと思っているのです。



