会社を伸ばす経営者の成長戦略|生成AI時代に必要な「能力を超える挑戦」とは
社長の服装やスタイルと、会社への与信や成長性の関係性
企業の技術力、商品力、ノウハウに加えて、経営者の服装や立ち居振る舞いは、会社の「姿勢」を映し出す重要な要素です。とりわけ、生成AIの活用が急速に進み、提案書・メール・資料・情報収集の質が一定水準まで平準化されつつある現在、人間としての信用、経営者としての品格、そして会社としての信頼感は、これまで以上に重要になっています。
近年は、ネクタイやスーツを着用しない経営者も増えています。しかし、そのような時代であるからこそ、場面に応じてきちんとした装いを選択できる経営者は、取引先、金融機関、大企業、海外企業から見て、会社全体の信用を高める存在になり得るのではないかと、私は考えています。
特に、上場企業を中心とした大企業との取引、金融機関からの与信、海外企業との交渉、人材採用、投資家との面談などにおいては、経営者の「姿勢」が、事業機会の獲得に大きく影響する場合があります。
生成AIを使えば、見栄えのよい文章や資料は短時間で作成できます。しかし、最終的に相手が判断するのは、「この経営者に任せてよいか」「この会社と長く取引できるか」「この人物は信用できるか」という、人間に対する評価です。
その意味で、今回は、今だからこそあえて問うべきテーマとして、服装はビジネスの成功に関係ないのか、そして生成AI時代の経営者やビジネスパーソンは、どのように自分自身の信用を設計すべきなのかについて考えてみたいと思います。
私が約10年間、グループ会社の取締役を務めたベンチャー企業グループのY副社長の事例
私がURVグローバルグループを創業する前に、グループ会社の役員を務めていた大手ベンチャー企業グループに、人事畑ご出身のY副社長がおられました。現在では年商200億円規模に成長し、さらに拡大を続けている企業です。
この会社では、Y副社長が、営業担当者を中心とする約400名規模の組織を統括されていました。Y副社長は、すべての営業担当者に対して、お客様を訪問する際には、真夏であってもネクタイを着用することを強く指導されていました。
当時の私は、
「東京の猛暑の中で営業活動をするのであれば、真夏までネクタイを着用しなくてもよいのではないか」
と感じていました。
しかし、Y副社長は、若手社員の反応に流されることなく、お客様と向き合う際の身だしなみを徹底して指導されました。その結果、このグループ会社では、大学新卒の若手社員であっても、全員が真夏でも端正で、規律ある印象を与えていました。
この徹底ぶりは、確かに、お客様からの評価向上につながっていました。営業担当者一人ひとりの装いが、会社全体の信頼感を高め、結果として高い成長を支える一因になっていたことは、私も認めざるを得ません。
ここで重要なのは、単にネクタイを着用するかどうかではありません。経営者や組織の責任者が、「お客様からどう見られるか」「相手にどのような安心感を与えるか」を真剣に考え、それを組織文化として徹底していたことです。
生成AIを導入する企業が増えている現在でも、この視点は変わりません。AIを使いこなすことは重要ですが、AIで作成した提案書を誰が持参するのか、誰が説明するのか、誰が責任を負うのかという点で、最終的には人間の信用が問われます。
フォーマルビジネススーツの少史
現在のZ世代の読者の方々の中には、日本人ビジネスパーソンがフォーマルスーツとネクタイを日常的に着用していた時代を知らない方も多いと思います。
私が大学に入学したのは、1986年、いわゆるバブル経済が始まる時期でした。2025年6月で58歳となる私自身の経験も踏まえながら、高度成長期からバブル期、そして失われた30年を経て、現代に至るまでの日本人ビジネスパーソンの服装の変化を簡潔に振り返ってみたいと思います。
昭和 バブル時代 日本人ビジネスマンのスーツ姿は、世界を怖れさせた
日本は、1945年の太平洋戦争終結後、焼け野原となった東京の闇市から再出発しました。当時の日本人は、職場に弁当を持参することすら難しく、仕事に行く際の服装も、男性であれば戦時中に着用していた服をそのまま着るような状況でした。
それは、今からわずか80年ほど前のことです。
その後、日本は朝鮮戦争の特需をきっかけに、経済的な復興を始めました。製造業、造船業、鉄鋼業などの基幹産業を中心に、日本はアメリカをはじめとする先進国への輸出を増やしていきました。そうなると、日本企業においては、製造業や商社などで、海外に売り込む営業活動が重要な仕事となります。
こうして、日本のビジネスパーソンのスタイルは、営業担当者を中心に、スーツとネクタイを着用するものへと統一されていきました。
日本の高度成長期は、年間のGNPが高い成長率を記録した、まさに奇跡的な時代でした。日本人は勤勉であり、日本製品は安価でありながら高品質で安心できるものとして、世界市場から高い評価を得ました。スーツとネクタイを身にまとった日本のビジネスパーソンは、世界から羨望と警戒のまなざしを向けられる存在だったのです。
この時代のスーツ姿は、単なる服装ではありませんでした。品質、規律、約束を守る姿勢、組織力、そして国際市場で戦う覚悟の象徴でもありました。
90年代、ドレスコードで入ることを断られた、ウオール街の高級レストラン
ちなみに、スーツとネクタイが重要視されたのは、日本だけではありません。服装が自由だと思われがちなアメリカ合衆国でも、ニューヨークのエリートビジネスパーソンの間では、1990年代まで、スーツとネクタイのスタイルが非常に重視されていました。
私は1996年にアメリカの大学院を卒業し、ニューヨークのウオール街にある英国系の会計コンサルティング会社と契約して仕事を始めました。
その出社初日、私は、上司である公認会計士のシニアコンサルタントから、服装について注意を受けました。
日本の銀行出身であった私は、黒の「銀行員らしい」スーツを着用して事務所に出勤しました。しかし、上司は私に対して、次のように助言しました。
「君のスーツは、見るからに上質とは言えない。それでは、富裕層の顧客や大企業の役員から十分な信用を得られない。私がブランドの店を紹介するから、今夜、まずはスーツを作りに行きなさい。その装いで顧客の前に立つことは、君自身の評価だけでなく、事務所の信用にも関わる。」
日本では、高価なスーツを着るように上司が部下に指示することは、一般的には考えにくいかもしれません。しかし、当時のウオール街では、装いは職業的信用の一部として受け止められていました。
また、高級レストランのドレスコードも非常に厳しく、場にふさわしくない服装で訪問すると、入店を断られる店もニューヨークには少なくありませんでした。
私も、その上司から助言を受けて以降、ニューヨークで仕事をしていた約10年間、英国紳士の象徴ともいえるバーバリーのスリーピースを着用し続けました。
この経験から学んだことは、ビジネスにおける服装とは、自分を飾るためのものではなく、相手に対する敬意と、自分が背負う組織への責任を示すものだということです。
堀江貴文氏の服装は、当時、革命的だったが・・・
冷戦の終結とともに民間利用が拡大したインターネットは、新しいビジネスを次々に生み出しました。その中で、急成長を遂げたライブドアの創業者である堀江貴文氏がメディアに登場した頃、公式の場でもスーツを着用しない同氏のスタイルは、多くのビジネスパーソンに大きな影響を与えました。
猛暑における環境対策として導入されたクールビズを大きく超え、IT事業者を中心に、公式の場でも日常業務でもTシャツで仕事をすることが珍しくなくなりました。これは、堀江氏の知名度と時代性がもたらした、ビジネススタイルの大きな変化であったと言えます。
この変化には、良い面もありました。形式に過度に縛られず、実力や成果で評価される文化を広げたことは、日本のビジネス社会にとって重要な意味を持っていました。
しかし一方で、服装の自由化が、相手への配慮や場に応じた判断力の低下につながってしまった面もあります。営業担当者が、初めて訪問する相手先に対して、十分に身だしなみを整えないまま訪問しても問題ないと考えるような状況も見られるようになりました。
生成AIの普及によって、現在はさらに同じことが起きています。AIで作成した資料やメールの品質に頼りすぎるあまり、自分自身の印象、話し方、服装、姿勢、責任感といった、人間としての基本的な信用形成を軽視するビジネスパーソンが増えています。
しかし、AIがどれほど発達しても、取引の最終判断をするのは人間です。特に、大企業、金融機関、海外企業、投資家は、資料の内容だけでなく、その資料を提示する人物の信頼性を見ています。
つまり、生成AI時代においてこそ、経営者やビジネスパーソンは、服装、姿勢、言葉遣い、時間管理、礼儀、そして責任の取り方を含めた「総合的な信用設計」を考える必要があるのです。
今、あえて、私は、ネクタイの着用をはじめてみた!
私自身も、URVグローバルグループの最高経営責任者として独立してから、コロナ禍を経過するまでは、ネクタイを着用しないソフトなスーツ姿で仕事をしていました。それが、ベンチャー企業の経営者らしいスタイルであると、自分自身でも考えていました。
しかし、URVグローバルグループが成長し、グループ年商が44億円に到達した2025年、私は、猛暑の夏を除き、ネクタイとスーツのスタイルに戻すことを決めました。
大企業の経営支援や海外進出支援の案件が増え、上場企業の取締役会に出席する機会も増えました。また、経済界の方々との会食や交流も増えています。その中で、私自身の能力や実績だけでなく、立ち居振る舞いや装いも含めて見られていることを強く感じるようになりました。
そのため、私自身は、ベンチャースピリットを維持しながらも、海外のビジネスパーソンや国内の経済界の方々から見て、信頼に足るスタイルを選択することにしました。
ここで大切なのは、昔に戻ることではありません。時代に逆行することでもありません。生成AIを活用し、デジタル化を進め、効率化を図りながらも、最後に相手が見るのは、人間としての信用であるという現実を受け止めることです。
オンライン会議でも、リアルの商談でも、金融機関との面談でも、大企業への提案でも、経営者の装いは、その会社の文化や覚悟を静かに伝えます。
逆張りの勧め あえて、提言する 社長のフォーマルスーツは、会社の成長にプラスになる! 」
私自身の方針を、読者である経営者の皆様に押し付けるつもりはありません。
人のスタイルや服装は、自己表現の一分野です。私もそのことを理解していますし、ビジネスにおいて他人に特定の服装を強制するつもりはありません。スタイルや服装は、経営者個人の自由です。
しかし同時に、その服装やスタイルを、ビジネスの相手がどう受け止めるかもまた、相手方の自由です。Tシャツで初対面の潜在顧客に会った結果、相手から十分な信用を得られず、ビジネスチャンスを失うとすれば、それは経営判断上の損失です。
以前、私は、腕にタトゥーを入れた経営者の方の経営顧問をお引き受けしたことがあります。その方は、もちろん反社会的な方ではなく、非常にまじめな経営者でした。しかし、ある時、私はその方に対して、上場企業を中心とする大企業に営業対象を広げ、トップセールスを行うことを提案しました。すると、その経営者の方は、その提案を強く拒否されました。
その拒否の仕方があまりに強かったため、私は、過去に外見上の印象によって大企業の関係者から厳しい反応を受けた経験があったのではないかと感じました。
タトゥーは、現在では若い世代を中心にファッションとして受け入れられる場面も増えています。しかし、少なくとも、自ら事業を営み、営業活動を行い、大企業や金融機関、投資家との接点を持つ可能性がある経営者であれば、相手にどのような印象を与えるかを慎重に考えるべきです。
ビジネスにおけるスタイルは、自分の自由です。しかし同時に、相手がそのスタイルを好意的に受け止めるか、違和感を覚えるかも自由なのです。
生成AI時代には、情報発信の量は誰でも増やせます。AIを使えば、ブログ、メール、提案書、SNS投稿、営業資料を短時間で作成できます。しかし、それだけでは十分ではありません。AIで作った言葉の向こう側に、どのような経営者がいるのか。どのような姿勢で事業に向き合っているのか。そこが、最終的な信用を左右します。
したがって、私は、今の時代だからこそ、成長を志す経営者の方に、あえて提案したいと思います。
社長のフォーマルスーツは、会社の成長にプラスになる!
それは、単なる服装の問題ではありません。会社の信用、経営者の覚悟、顧客への敬意、金融機関への安心感、大企業との取引可能性、そして生成AIでは代替できない人間としての信頼を高めるための、経営戦略の一部なのです。
生成AIを導入しても成果が出ない、AIで作った資料や発信が商談につながらない、社員のAI活用が表面的な効率化で止まっている。もし、そのような課題を感じている経営者やビジネスパーソンの方は、AIの使い方だけでなく、AIを活用する人間側の信用設計を見直す必要があります。
URVグローバルグループでは、生成AIの活用、営業力強化、大企業開拓、経営者ブランディング、海外進出支援を含め、成長を志す中小企業経営者の皆様に対して、実践的な経営支援を行っています。
まずは、無料相談をご活用ください。自社の生成AI活用が成果につながっていない理由、営業や提案の信用力を高める方法、経営者自身のブランド設計について、具体的に整理する機会としてご利用いただけます。
さらに、本格的に経営改革、営業戦略、AI活用、組織成長に取り組みたい企業様には、URVグローバルグループの中小企業成長経営支援プロジェクトをご案内しています。
服装、言葉、提案書、AI活用、営業姿勢。これらは別々のものではありません。すべてが、会社の信用をつくる経営資源です。
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