コロナ禍で増加する富裕層を魅了する商品で躍進する 株式会社フリーバス企画

松本尚典

松本尚典

テーマ:マーケティング ヒット商品 発想法


1.コロナ禍は格差を広げ、富裕層が誕生している


2020年から世界を襲った新型コロナ禍。

世界各国の政府が、人流をとめたため、世界の経済に大きな打撃を与えました。
当然、日本においても、経済は大きな打撃にあいました。

しかし、すべての事業者が経営成績を悪化させたわけではありません。外部環境が激変するということは、そこに必ず、事業機会が生まれます。

外部環境が激変すると、その変化に対して、俯いておびえる多くの大衆と、外部変化を受け入れ、その変化に適合して、そこに新たな事業機会を見出して、成長する一部のポジティブな少数者が分かれてきます。

これを結果的にとらえ、格差の拡大と表現され、非常に悪いことのように批判をされることもあります。

しかしながら、このような、格差の発生は、資本主義社会・自由主義社会の必然の結果です。これを否定して、格差を害悪視する社会主義や共産主義社会からは、経済の成長は生まれてきません。

実際、共産党が政権を独裁する中国や、ベトナムでも、今は、格差を全否定する政治思想はとられていません。

もし、格差を全否定して平等を最重視すれば、適正な競争が低下し、その結果、生産性は著しく低下をしてしまいます。そのような社会は、「みんなが平等に貧しい社会」でしか、ありません。

我々が、豊かになろうとすれば、そこには、他人が目をつけない事業機会に目をつけて、いち早く事業を立ち上げ、競争によって他社を排除し、勝者として、自ら生き残る道をとるしかありません。

そして、これを目指す少数者が、高い付加価値と生産性を実現し、豊かになっていきます。

コロナ禍が襲来した2020年に、僕は、このような信条に従い、自らの事業においても、新たな環境に適合する事業機会を摸索し、そして、自分の顧客の経営者にも、それを求めることを、熱心に説きました。

勿論、経営者の方の中には、僕のこのような方針に従わなかった方もいます。

「業界団体で、休業を求められたから、休みます。」
「支援金を貰えるので、コロナが去るまで、休業します。」

このような方針で、コロナ禍にうつむいた経営者もおられました。

このような方々は、今、休業により、離脱した従業者を補うことができず、そして、支援金がとまっても、休業した顧客が戻ってくるわけでもなく、非常に、苦戦を強いられておられます。中には、事実上、廃業や倒産に追い込まれた経営者もおられます。

非常に、厳しい言い方ですが、これは、経営者としては、自業自得だと僕は思っています。
経営者は、自分で、自分を助けるほか、生きる道はありません。

一方で、今、コロナによる外部環境の激変による人の要求の流れを捉えて、大成功した富裕層が、誕生しています。これらの富裕層は、コロナ禍が産んだ成功者ともいうべき方々です。

コロナ禍で、すべての方が、貧しくなったわけではありません。むしろ、環境の変化をとらえた人による、新たな富裕層も生まれてきています。

2.10人中9人がいらなくても、1人が絶対欲しいという商品か


さて、ここにご紹介する、株式会社フリーバス企画(以下、フリーバスと称します。)は、コロナ禍に生まれた富裕層の絶大な支持を受け、業績と利益を大きく成長させた企業の一つです。

フリーバス企画のサイト
https://free-bath.co.jp/


フリーバスが販売するのは、オーダーメイドの高級バスルームです。

日本人にとって、お風呂は、癒しの貴重な空間です。私たちは、温泉やリゾートで、食事などと共に、お風呂を楽しみます。そして、「素晴らしい温泉旅館で入ったお風呂を、自宅や別荘に創れたらいいなあ」と、思う方もでてきます。

勿論、そう思っても、温泉で入ったお風呂を自宅で造れるような方は限られています。
しかし、成功者の中には、そのような夢を、大きな資金を投じて、叶える人たちもいます。

フリーバスが創るお風呂は、そんな夢を形にする、お風呂であり、そのような成功者の方々をお客様にされています。

勿論、価格も安くありません。

お風呂の施工で、500万円から、数千万円まで。フリーバスの御客様の中には、お風呂一つで、家が買えてしまうような高額なお風呂を、自宅や別荘にいくつも創るかたもおられます。

そのようなお風呂の施工は、どこの企業でもできるわけではありません。

非常に優れた職人技術と、レアーで高級なツールの組み合わせで、お客様が欲しいと思う、夢のお風呂を、オンリーワンで設計し、施工するのが、フリーバスの強みです。

もちろん、そのような高級なお風呂は、誰にでも作れるわけではありません。

日本人の10人に1人未満の富裕層の、それも、相当にお風呂に思い入れのある方しか、お客様にはなりません。

しかし、大ヒット商品というものは、アンケートで、多くの人が平均点をつけるような商品からは、絶対に生まれないのです。

大ヒット商品の鉄則は、10人中9人には、用がないか買えないけれども、10人中1人が、絶対に欲しいモノ。そういう商品であるということです。

フリーバスが創る商品は、競合には、絶対に創ることができない商品で、しかも、それを欲しい人は、オカネに糸目をつけない、という種類のものです。つまり、大ヒットの可能性が高いと思い、フリーバスを率いる、神社長の経営顧問に就かせていだきました。

3.コロナ禍の、お家需要は、富裕層ほど、高かった!


このような大ヒットを生み出す素地があったフリーバスのビジネスで、同社の神俊行社長は、コロナ禍に、マーケティングを攻め続けました。

その結果、コロナ禍の「お家需要」で、大きく売り上げと利益を伸ばしたのです。

コロナ禍では、業務をテレワークに移行した割合は、所得の高さに比例しています。

大企業の経営者や管理職、ベンチャー企業の経営者、起業家、投資家、士業やコンサルタントなどの専門家の多くは、職場に通う日が減り、それまで大量に使用していた交際費なども大きく減少しました。その分、お家需要と言われる消費が、富裕層程大きく増えました。

これらの、お家需要の増大で、お風呂が好きな人たちが、「お家で贅沢」を志向し、そのニーズが、フリーバスに集まったのです。

フリーバスでは、コロナ禍において、これまで創ったことがないほどの、個性的なお風呂のニーズが増え、大きなヒットを打つことができました。

フリーバス企画 神 俊行社長
https://urv-group.com/works/works-017/


4.競争なきブルーオーシャンを攻める


ブルーオーシャン戦略という言葉があります。

ブルーオーシャンという言葉は、レッドオーシャンの対義語です。多くのビジネスパーソンは、その言葉のニュアンスから、安易にブルーオーシャン戦略を目指します。

しかし、ブルーオーシャン戦略を攻めるには、大きな注意点があります。

「碧い海」というのは、何故、青いのかと言いますと、それは、そこにプランクトンなどの生物がいないからです。

プランクトンがいないということは、何らかの理由で、それが生息できない海であることを示します。従って、そこで生物が生息をするための、餌が少なく、非常に生息しにくい環境の海であるということです。

プランクトンなどが多く生息する海は、豊かな海で、そこには、多くの魚が集まってくる、非常に生息が簡単な海です。ですので、更に、その魚を餌にする、大きな魚が集まってくるのです。

プランクトンが多すぎて、赤潮が発生し、大きい魚が小さい魚を餌にする、「真っ赤な海」ということで、レッドオーシャンと言われるのですが、そのレッドオーシャンは、どんな魚にも多くの餌がある、生きやすい海なのです。

経営におけるブルーオーシャン戦略も同じです。

経営の世界でいえば、参入障壁の高さが、レッドオーシャンとブルーオーシャンを分けています。参入障壁が低いビジネスで、利益をあげていると、そこには誰でも参入できるわけですから、すぐに、競合が現れます。

特に、大企業の戦略は、他の企業が利益をあげている領域の模倣によって参入し、圧倒的な経営資源を投入して、他者よりも勝ちにいきます。

レッドオーシャンをみつけて、利益をあげていると、そう遠くないうちに、他者が参入し、価格戦略や商品戦略などのマーケティング上の優位性を発揮して、マーケットを奪います。その他者の中には、どう戦っても勝ち目のない、大資本を持った相手もいます。そして、これらの後発者に、漁夫の利を奪われるのが、レッドオーシャンの掟です。

これを防ぐためには、生きにくいブルーオーシャンに挑むしかありません。
ビジネスでは、参入障壁を構築するしかありません。他者が参入できないブラックボックスを参入障壁と呼びます。

しかし、自分だけが参入障壁を構築することができるということは、容易にできることではありません。

ブルーオーシャン戦略というのは、他者が生存できない優位性を構築し、そこで、自社だけが生存を確保できる特殊な能力や、特殊な資格などの保有が条件になります。

レッドオーシャンに入るのは非常に簡単ですが、ブルーオーシャンを構築し、それを守り切るのは、とても困難なことです。

さて、フリーバスなどの富裕層向けビジネスというのは、ほぼ、このブルーオーシャン戦略が成功した結果、差別化が図られているために成立しています。

フリーバスには、他のメーカーや工務店が創ることができない、お風呂の技術を多数持っており、富裕層の贅沢な悩みに対するソリューションを提供しているのです。

5.資本主義の必然の結果、世界では格差は広がり、富裕層は誕生


コロナ禍は、国民の間に、意識面・経済面で格差を広げました。

コロナ禍が齎した新しい暮らす方や働き方に対応し、それを利用して乗り越えた人の中から、新しい成功者が生まれており、単に、コロナを怖れて、過ぎ去るまでじっとしていた人は、意識面と経済面で大きく後退しました。

しかし、これは、単に、コロナ禍だけの問題ではありません。環境が激変する中では、既存の成功法則は適用できず、環境の激変にあわせてスピーディに進化をとげる者だけが、環境に適用して生存を続けるのは、進化論の基本です。

そして、このような環境の激変の中にあって、その成功者が何を求めてお金を使い、そのお金を消費する部分をビジネスとして提供をするビジネスモデルを引ける企業が、勝つのもまた、資本主義社会の必然の結果なのです。

フリーバスは、このような成功者を顧客として取り込み、その顧客の我儘な要求を満たす技術で、ブルーオーシャンに生き続けることで、成功を続ける企業の一例です。

続く

松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス

https://mbp-japan.com/tokyo/yoshinori-matsumoto/service1/5002501/

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

松本尚典プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

松本尚典
専門家

松本尚典(経営コンサルタント)

URVグローバルグループ 

経営者の弱みを補強して売上を伸ばし、強みをさらに伸ばして新規事業を立ち上げるなど、相談者一人一人の個性を大切にしたコンサルティングで中小企業を成長させる。副業から始めて、独立で成功したい人も相談可能。

松本尚典プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

年商5億円の壁を突破したい社長のための経営コンサルタント

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のビジネス
  4. 東京の経営コンサルティング
  5. 松本尚典
  6. コラム一覧
  7. コロナ禍で増加する富裕層を魅了する商品で躍進する 株式会社フリーバス企画

松本尚典プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼