クラウドファンディング 成功するための極意を知ろう
寄付型から、商品生産資金調達型へ
クラウドファンディングとは、もともと、プラットフォーム事業者を通じて、寄付などの資金を募りたい人が出資者と繋がる仕組みをさしていました。
寄付型のクラウドファンディングと言われる形態です(尚、投資型クラウドファンディングという形態は、金融業の免許が必要となるため、今の日本では一般的ではありません)。
しかし、実は、結論から言うと、寄付型のクラウドファンディングは、資金を集める側は、簡単ではありません。ヒトから寄付の形でお金を出してもらうということ自体、非常に壁は高いわけですから、それをプラットフォームに載せたからと言って、簡単になるはずがありません。
実は、経営コンサルタントである僕のところに、相談が寄せられるクラウドファンディングに関する相談の殆どは、寄付型や投資型のクラウドファンディングで、おカネを集めたいという、安易な相談です。
資金繰りが詰まって、銀行からの借り入れも、もうできない、という状態の経営者が、「クラウドファンディングで、すぐに資金を集めたい」と言ってくるようなお話です。
実際、寄付型のクラウドファンデュングを行えるのは、非常に実績や知名度のある社会貢献系の事業や、ファンの方が実際についている人気の高いエンターテイメント事業などに限られます。
運転資金が足りないから、出してもらいたいというような、安易で短絡的な会社が、成功できるものではありません。従って、そのようなお気持ちで、このコラムを読まれた方には、このコラムは役立ちません。
寧ろ、いまの、クラウドファンディングの有効な使い方というのは、所謂、購入型と呼ばれる方式のクラウドファンディングなのです。
優良な商品やサービスのプレマーケティングを通して、優れた商品を持っているけれども、販路がない企業や個人事業主が、自分のビジネスを軌道に乗せるために、クラウドファンディングで購入者と出会い、資金を調達して、これを活用してレバレッジをかける方法です。
購入型クラウドファンディングとは何か?
購入型クラウドファンディングとは、プラットフォーム上で新商品や新サービスをアピールし、その商品が市場に出る前のアーリーステージで購入したいと考える購入者から集めた資金で商品やサービスの生産を行い、リターンとして生産した商品やサービスを量産して提供することを言います。
つまり、ファンディング=資金調達ではありますが、その資金は量産のための資金と、継続的にマーケティングにあてる次の投資のために使用する調達であることに特徴があります。
寄付型のクラウドファンディングが、集めた資金に対するリターンが不明瞭なのに対し、購入型のクラウドファンディングは、具体的な新商品や、新サービスをプラットフォーム上でアピールし、資金を提供する人は、その商品を受け取れるわけです。
特に、その商品やサービスが、いまだに、市場に出回っていないものや、新しい発想に基づくものであれば、資金提供者は、アーリーステージで、その商品を手に入れることができますから、資金提供者には、明確なリターンの動機が存在します。そして、そのような商品を、いち早く手に入れたい、そして、そのような商品が世の中に出ることに対して、それを応援したいという人が、プラットフォームの上に載っているのです。
その人たちに、アピールするわけですから、寄付型よりも、ずっと、成功確率があがるのです。
一方、商品を購買型のクラウドファンディングに出す人たちは、自分が企画した商品やサービスのプロトタイプを創り、サイト上で、それを魅力的にアピールすることができれば、具体的な販路や、その販路に卸すための事前の量産品がなくても、資金を集めることができます。その資金で、量産をして資金提供者に商品・サービスを販売するわけです。代金を先に資金提供の形で受けることができるわけですから、リスクなく、商品・サービスを生産して売ることができますし、成功すれば、次の投資資金に活用できます。
更に、自分の企画した商品・サービスの、消費者からの反応を知ることができる、つまり、プレ・マーケティングを行うことができるわけです。
これが、購入型のクラウドファンディングです。
今、まさに、この購入型クラウドファンディングが、クラウドファンディングの世界の主流になろうとしています。
購入型クラウドファンディングのための、お勧めプラットフォーム
購入型クラウドファンディンングに向く、お勧めのプラットフォームを次にご紹介します。
クラウドファンディングのプラットフォームは、それぞれに得意分野があり、特徴があるため、購入型でクラウドファンディングを行う場合、どのプラットフォームでもよいわけではありません。
1.Readyfor
まず、国内クラウドファンディングのプラットフォームの先駆けともいえるのが、Readyforです。ただ、Readyforは、社会貢献性の高いプロジェクトが多いため、現在の純粋な購入型プラットフォームとはいいがたいといえます。
2.CAMPFIRE
Readyforが社会性の強さに特徴があるのに対し、CAMPFIREはオールジャンル性に特徴があり、購入型クラウドファンディングに向いているプラットフォームです。
そして、CAMPFIREは、審査が即日で素早いため、スピード性が高いのが特徴です。
3.Makuake
サイバーエージェントが運営する、購買型に特化したクラウドファンディングです。そして、アメブロへのメディア連携や、伊勢丹とのコラボなども充実していて、ECサイト機能があります。テストマーケティングに続いて、継続的な販路獲得にも繋がるため、僕個人的には、Makuakeが最も購入型クラウドファンディングでは、お勧めのプラットフォームです。
但し、Readyforや、CAMPFIREなどの老舗のプラットフォームの手数料が、集金価格の17%と並んでいるのに対し、Makuakeは、20%と高率です。
4.GREEN
更に、自分の商品に自信のある方向けのプラットフォームが、GREENです。GREENは、最も審査が厳しいプラットフォームで、審査に合格するには、相当のプレゼンテーション力が必要です。一方、プラットフォーム側の、支援が厚く、審査に合格すると、その成功率は、86%を誇ります。
手数料は、やはり高く、20%と高率です。
5.Kibiango
自分の商品を、海外にも売りたい方向けのプラットフォームが、Kibidangoです。ECサイト機能も充実し、海外進出サポートを行ってくれるところに特徴があります。
手数料は、決済方法により、10%~14%と最も安くなっています。
クラウドファンディングでは、自分の力量や、目的によって、まず、プラットフォームを選択することがスタートです。
ちなみに、僕が経営するURVグローバルグループの、株式会社URVプランニングサポーターズでは、資金調達支援プロジェクトとして、クラウドファンディング支援サービスを実施しています。成功報酬制ですので、イニシャルの費用なく、非常に難しいクラウドファンディングのサイト作成や、プロジェクトに関するアドバイス支援を受けられます。
https://urv-group.com/services/consulting/funding/
次回は、購入型クラウドファンディングを行う上での、重要な注意点を発信いたします。
お楽しみに!
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