年商5億円を超える社長のための、組織戦略の鉄則

松本尚典

松本尚典

テーマ:組織マネジメント

組織マネジメントは、個人であるヒトの管理の延長線にはない


前回は、年商5億円を超える社長の、人事政策の要諦について発信しました。
今回は、個別の人事の話を一段超えて、組織戦略の鉄則の話に入ります。

組織というものは、ヒトの集まりではありますが、個別のヒトの管理を足し算して、それが組織戦略になるものではありません。

社会というものが、独自の社会科学という学問領域の研究対象になることからわかるように、ヒトが集まって集合体になると、そこには、ヒトの人数の足し算とは違った法則が働くようになり、そこの社会という、ヒト単体の管理法則とは異なる、別の「生命体」の法則が生まれます。

企業でも、年商5億円を超えたあたりから、個々のヒトの管理の足し算とは別の、組織それ自体に対するマネジメント法則が生まれます。これが、組織マネジメントです。

したがって、創業からスタートして、年商1億円を超えたあたりには、まだ、会社はヒトの管理の足し算で動きます。しかし、年商3億を超えても、まだ、経営者がそのような管理意識を継続していると、組織体は、生産性を落としはじめます。そして、この状態から経営者が脱皮できないと、年商3億から4億で足踏みをはじめ、何かの大きな外部環境の変動要因が加わると、会社の売上は減退に入り、組織は衰退を始めます。

僕は、これまで、年商3億円程度の会社の社長のコンサルにつくことが、数的に一番多かったのですが、このクラスの社長が、年商5億を超えて伸びていけるかどうかは、殆ど、この点にかかっています。

「ヒトの管理の足し算のマネジメントから、組織マネジメントに転換できたかどうか?」ということです。しかし、実は、これが超えられない社長が非常に多いのです。何故、超えられないのかというと、この転換のノウハウは、自分自身が会社を創業し、そのうえで、この年商5億円の壁を突破してみないと、身につかないからなのです。

社労士の先生方が指導するノウハウは、個別のヒトの管理方法です。殆どの研修企業が指導するノウハウも、個別のヒトのモチベーションや能力開発です。一方、年商5億円を超えるための、組織戦略は、この個別のヒトを対象とする管理や能力開発の延長線上にはありません。この点を教えられるヒトが、非常に少ないのです。当たり前ですが、自分自身で組織をゼロから作り上げ、それで年商5億円を超える会社を作った社長が、他の社長を指導してくれることが殆どないからです。

自分で会社を作り、年商5億を超えた社長が、経営コンサルティングをしていることがとても少ないのは当然です。こんなことを言っては、同業の方々に叱られますが、殆ど経営コンサルタントや人事コンサルタントは、経営者ですらありませんし、仮に経営者であっても、大手コンサルティング会社に所属していれば、経営経験すらない、単なるサラリーマンにしか過ぎません。自営の経営コンサル会社の社長でも、年商は3000万円に満たない弱小企業の経営者が殆どです。

僕は、大学新卒で、大手銀行に入行し、そこから、銀行系シンクタンクに出向して、23歳の時に、はじめて経営コンサルの仕事に就きました。系列下にある、上場企業から、中小企業まで、幅ひろい企業の経営コンサルティングを、まずは、サラリーマン経営コンサルタントとして数多く経験しました。これが出来たのは、当時の僕が実力が優れていたわけではなく、銀行という巨大組織の看板があったからに過ぎません。

そして、その後、銀行から米国の大学院への社費留学の機会をいただき、大学院卒業後に日本の銀行を退行し、米国ニューヨークの大手金融系コンサルティング会社で、巨大なグローバル企業の経営コンサルティングを11年間積み、パートナー(経営層)になりました。

そして、日本に帰国し、上場企業の経営コンサルティング組織や、海外進出支援コンサルティング組織を構築する仕事をえて、自分の会社を設立し、URVグローバルグループというコングロマリットを組織して、CEOとして事業を展開してきました。これが今、僕が率いているグループ組織です。

URVグローバルグループ
https://urv-group.com

勿論、グループの所属する各社を、ゼロから創業し、あるいは投資して社長を育ててきました。各会社は、創業→年商1000万円→年商3000万円→年商1億円→年商5億円超えと売上を踏み上げ、今尚、各社を成長させています。

その経験から、年商5億を超える組織戦略のノウハウというものを経験し、自力でこれを乗り越えた経験を活かして、今でも、経営コンサルティングの現場に立っています。

そんなところから、このマイベストプロのタグラインを、「年商5億円を超えさせる」経営コンサルタントとしているのです。

組織マネジメントとは


では、個人の管理の延長上にない、組織のマネジメントというのは、どのようなものなのでしょうか?

勿論、僕自身が習得してきたノウハウを、ここで、コラムで書けるほど、簡単なものではありません。

ただ、それをあえて理論的に書くとしたら、参考になるのが、協働体系論という考え方です。

個々の個人というものは、それぞれに異なった価値観を持ち、生活感を持っています。その多様な価値観を否定するのでは、強い組織は生まれません。個人の価値観を「金太郎あめ」のように、どこを切っても同じ顔が出てくるようにすることが、組織マネジメントであるわけではありません。

まず個人の各位が持っている価値観を尊重し、その各々の強みを発揮させることを前提とします。そのうえで、組織としての一体の目的や存在価値(ドメインと呼ばれます)をメンバーが確認し、自分の持つ価値観とは別に、組織の価値観を自分の目標と把握するようにマネジメントします。そして、その組織の目標を達成するために、組織を構成する個人が協働し、個人の持つ強みを発揮し、弱みを他の個人が補うことで、統一体として目標に向かって進ませること。
これが、協働体系論に基づくマネジメントです。

勿論、上記のマネジメントは、言うは易く、行うは難し、です。

僕の経営支援事業における経営者へのコンサルティングは、具体的に、上記の協働体系論に基づくマネジメントを、具体的なそれぞれの企業に落とし込み、現場ごとに、協働体系を稼働させて管理できるマネジメントを育成し、そのマネジメントを中心に、各現場を協働体系として機能させ、更に、その協働体系の集合体としての、会社または事業部を有機的に稼働させる、そのノウハウを社長に個別に時間をかけて、伝授していくものです。

続く

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