【解決事例】元交際相手からの金銭要求と勤務先への電話|接触禁止の誓約書を取得し、支払いなく解決した事例

若井亮

若井亮

テーマ:男女トラブル

※本記事は、当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。ご依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況などについては一部変更を加えています。


別れた後も金銭や物品を求める連絡が続き、応じなければ勤務先に電話をかけられる。警察や弁護士に相談しようとすると、それを思いとどまらせるような言葉を向けられる。元交際相手との間では、こうした状況が重なり、誰にも打ち明けられないまま負担が大きくなっていくことがあります。
 本記事では、弁護士が代理人として間に入り、相手方に事実関係を認めてもらったうえで、連絡や接触をしないことを約束する誓約書を取得し、金銭の支払いを伴わずに解決した事例をご紹介します。

ご相談の概要


項目内容
ご相談者関東地方在住の会社員の女性
相手方数年にわたり交際・同棲していた元交際相手(同棲中は無職の状態が続いていた)
ご相談のきっかけ関係の解消後も金銭や食料を送るよう求められ、断ると非難の連絡が続いたうえ、勤務先にも複数回電話がかかってきた
ご要望相手方からの連絡や要求、勤務先への電話を止めたい
懸念事項職場を巻き込まれていること/相談すれば自らの命に関わる行動をとるかのような発言を向けられていたこと
解決金なし(金銭の支払いを伴わない解決)
解決までの期間約3週間(ご依頼から誓約書の返送まで)


ご相談までの経緯


同棲中の生活費を負担し、別れた後も要求が続いた

 ご依頼者は、関東地方にお住まいの会社員の女性です。数年にわたって交際し、同棲もしていた相手方と関係を解消しました。同棲していた間、相手方は無職の状態が続いており、家賃や食費などの生活費はご依頼者が負担していました。
 関係を解消した後も、相手方からは金銭や食料を送ってほしいという求めが繰り返し届きました。ご依頼者は当初これに応じていましたが、求めに終わりが見えないと感じてお断りしたところ、今度は「約束を破った」「裏切られた」といった非難の連絡が続くようになりました。

勤務先への電話と、相談をためらわせる言葉

 さらに相手方は、ご依頼者が電話に出ないと勤務先へ直接電話をかけるようになり、実際に職場へ複数回の着信がありました。個人的なトラブルに職場を巻き込まれること自体が、ご依頼者にとって大きな負担でした。
 加えて、相手方からは、警察や弁護士に相談すれば自らの命に関わる行動をとるかのような発言を向けられていました。そのため、ご依頼者は誰にも相談できない状態が続いていました。
 このままでは状況が改善しないと考えたご依頼者は、ご自身での対応に限界を感じ、当事務所に対応をご依頼されました。

弁護士の対応と交渉の経緯


受任通知を2つの方法・2つの住所へ送付

 受任後、担当弁護士はすぐに受任通知を作成し、内容証明郵便と普通郵便の両方で相手方に送付しました。内容証明郵便は、相手方が受け取らないまま保管期間を過ぎると差出人に戻ってしまうことがあるため、郵便受けに届く普通郵便を併用しています。
 また、相手方がふだん生活している住所では受け取られない可能性もあったため、住民票上の住所にもあわせて送付し、弁護士が代理人に就いたことが確実に伝わるようにしました。受任通知の役割については、受任通知とは何か|送られると相手方との関係はどう変わるかで解説しています。

ご依頼者への助言

 あわせてご依頼者には、相手方から連絡があっても応じないこと、万一応答してしまった場合には当事務所の名称を伝えて通話を終えることをお伝えしました。窓口を弁護士に一本化し、ご依頼者が相手方と直接やり取りする場面をなくすためです。

電話で事実関係を一つずつ確認

 書面が届いた後、担当弁護士は相手方に直接電話をかけ、勤務先へ繰り返し電話をかけたこと、ご依頼者から金銭や物品を受け取っていたこと、同棲中の生活費をご依頼者に負担させていたことなど、事実関係を一つずつ確認しました。
 相手方は当初、あいまいな受け答えをしていました。しかし、担当弁護士がメッセージの履歴などの資料を確認済みであることを伝えると、事実関係を認めました。

接触禁止を内容とする誓約書の取得

 そのうえで担当弁護士は、事実を認めて誓約書を提出するのであれば穏便な解決を検討できること、一方で事実関係を否定するのであれば、刑事上の手続も含めて対応を検討することになることを、相手方に明確に伝えました。相手方はこれを受けて、誓約書を提出する意向を示しました。
 担当弁護士は、ご依頼者本人や関係者への連絡・接触をしないこと、勤務先へ連絡しないことなどを内容とする誓約書を作成し、返送の期限を定めて相手方に送付しました。相手方からは、期限内に署名押印された誓約書が返送されました。

残された私物の処理も当事務所が窓口に

 相手方がご依頼者宅に残していた私物についても、当事者どうしが直接やり取りすることのないよう、当事務所が窓口となって扱いを調整し、引き渡しや処分の手続を終えています。

解決結果と対応のポイント


  • ご依頼者本人・関係者・勤務先への連絡や接触をしないことを内容とする誓約書を取得しました。
  • 相手方に事実関係を認めてもらったうえで、金銭の支払いを伴わずに解決しました。
  • 残された私物の処理も、ご依頼者が相手方と直接やり取りすることなく完了しました。
  • ご依頼からおよそ1週間で相手方が事実を認め、約3週間で誓約書の返送を受けました。


受任通知は「届く形」で送ることが出発点

 代理人が就いたことを相手方が知らなければ、連絡はご本人に向き続けます。本件では、送付の方法と宛先を重ねることで、相手方が「知らなかった」と言える余地を小さくし、その後の電話でのやり取りにつなげました。

記録をそろえてから事実を確認する

 相手方があいまいな受け答えをしていても、メッセージの履歴などの記録があれば、事実関係を一つずつ確認していくことができます。着信の履歴や、勤務先に電話があった日時のメモなども、後から状況を説明する材料になります。つらい内容であっても、消さずに保管しておくことをおすすめします。

誓約書は、行為が再開した場合の足場になる

 誓約書を交わしたからといって、それだけで相手方の行動を強制的に止められるわけではありません。それでも、事実関係と約束の内容が書面に残っていれば、万一連絡や接触が再開した場合に、その書面を前提として次の対応を検討しやすくなります。連絡を止めるための書面の考え方については、接触禁止条項の書き方|今後の連絡を止める設計もご参照ください。

勤務先への電話は早めに止めたい行為

 勤務先への電話は、ご本人だけでなく職場にも影響が及ぶため、早い段階で止める必要性が高い行為です。会社を巻き込む嫌がらせへの対応は、元恋人が職場へ電話・押しかけ|会社を巻き込む嫌がらせへの対応で詳しく取り上げています。

担当弁護士からのコメント

 別れた後も連絡や要求が続き、応じなければ勤務先に電話をかけられるといった行為は、その態様によっては業務妨害や、各都道府県の迷惑防止条例違反などの問題となる場合があります。連絡の目的や繰り返し方によっては、ストーカー規制法が関わることもあります。
 この種のトラブルでは、本件のように「相談したら自分がどうなるかわからない」といった趣旨の言葉によって、相談そのものをためらわされてしまうケースが少なくありません。そうした発言に責任を感じてお一人で抱え込んでしまう方もいらっしゃいますが、相手方の言動の結果までご依頼者が背負う必要はありません。相手方の身に危険が差し迫っていると感じる場面では、警察などへの連絡をためらわないでください。自らを傷つけることをほのめかす相手との向き合い方は、「別れたら死ぬ」と言われて別れられない|自傷をほのめかす相手への対応でも解説しています。
 弁護士が代理人として間に入ると、事実関係を法的に整理したうえで、相手方に行為の中止を求めることができます。本件のように、事実を認めてもらったうえで書面による約束を取り付けておけば、万一行為が再開した場合にも、その書面を前提に対応を進めることができます。
 また、こうした事案では、私物の受け渡しなど、当事者が顔を合わせるきっかけが残ってしまうことがあります。そうした点まで含めて代理人が窓口となることで、直接の接触が生じる機会を減らすことができます。
 元交際相手からの繰り返しの連絡や、勤務先への嫌がらせにお悩みの方は、お一人で抱え込まず、一度当事務所にご相談ください。

同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。

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若井亮
専門家

若井亮(弁護士)

弁護士法人若井綜合法律事務所

風俗トラブルや男女トラブル、それに伴う刑事事件まで一貫して対応。累計相談件数は男女トラブル約23,000件、風俗トラブル約8,000件。全国からの相談を24時間受け付け、迅速な対応を心がけています。

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