ミドル&シニアの抗重力トレーニング。脚はどのように鍛えるのが得策か?
こんにちは、フィットネストレーナーの八巻です。
姿勢改善や体の機能向上を目的としたトレーニングを提供するトレーナーです。
都内でパーソナルトレーニング指導のほか、
藤沢市にある神奈川県立スポーツセンターなどで
グループエクササイズの講師をしております。
体の動かしにくくなっている部位を動かせるようにトレーニングをする目的の
エクササイズを行い、姿勢よく機能的に体が動かせるようにしていきます。
主に50~80代の健康な方に多くご参加いただいておりますが、
この世代に差し掛かった私も含めて、この世代は徐々に筋力が衰え、
姿勢や体の各関節の機能が低下してきます。
それに抗うためにトレーニングなどで健康維持に努めておられると思います。
高齢者の転倒防止・姿勢改善に必要と言われる、抗重力筋とは?
高齢者の筋力トレーニングにおいて、鍛えるべき重要な筋肉は、
抗重力筋であるとよく耳にします。
高齢になってくると、足が上がらなくなってつまずきやすくなり、
転倒によるけがのリスクが増大する事が懸念されます。
また、筋力低下による姿勢の悪化もあります。
これらを防止するために抗重力筋を鍛える必要があると、
運動指導の専門家が説いています。
抗重力筋とは、字の通り「重力に抗う筋肉」の事で、
立ったり姿勢を保持したりするのに使う筋肉を指すようです。
具体的には体幹(胴体)にある腹筋群や背筋群・背骨まわりの脊柱起立筋群や、
お尻や脚の筋肉を指します。
確かに体を立てて保持するためにはこれらの筋肉は必要不可欠です。
抗重力筋を鍛える前に、姿勢が悪くなる原因を正しく知ろう。
しかし、だからといって、ただそれらの筋肉を鍛えるようなエクササイズをしても、
それは拙速です。
でも、他所はそうしてしまっているようですが、
これは一番大切なところが抜けてしまっているんですね。
お腹の筋肉や脚の筋肉を鍛えるどうこうの前に、
現状の姿勢がどういう状況であるのかを知らないといけません。
高齢者に限らず、姿勢の良くない人は、立ち姿勢や座り姿勢の時に、
体幹部が重力に抗えずに崩れているから反り腰や猫背になっているのです。
なので、まず鍛えるべき抗重力筋は、
「姿勢を本来の位置まで引き上げる筋肉とその力」なんです。
姿勢の整え方として、どことどこが一直線上に並べばいいとかいう人が多いですが、
そんな事は結果そうなればいいのであって、
立っているとき本来あるべき高さのところにない頭や胴体・骨盤を、
上へ引き上げるという意識とアクションが、
姿勢を元の形に戻すことになります。
そもそもどうして姿勢がこうなっているのか、
それを知っていなければ本当に正しい改善は出来ません。
専門家もみんな見落としている、一番最初に鍛えるべき抗重力筋
頭や胸・骨盤が重力に負けて落ちてきているのだから、
まずは単純に上へ上げればいいのですから、
最初に・そして毎日でもやるべき抗重力筋エクササイズを具体的に言うなら、
「伸びの運動」です。
伸びの動作をする中で、
脇腹の部分を伸ばしたり、肋骨の部分を伸ばしたりと、
縮んでいるところを重力方向にストレッチをします。
そうする事で筋肉を上へ伸ばす方向に筋力発揮をさせて、
この体の形を体に記憶させていきます。
これで頭が覚えていけばそれでも姿勢が改善に向かっていくと思いますが、
多くのところで紹介されているようなエクササイズは、
まず姿勢をある程度こうして整えてからやらないと、
良くない姿勢のまま鍛える事になるので、あまり関係の無い筋力がつく結果になります。
私は教室の時は必ず体を伸ばすところから入りますが、
最も鍛えるべき抗重力筋は、この「伸ばして体を上へ引き戻す」筋力だと思っています。
これを無くして抗重力筋エクササイズは完成しない、最たる基礎の部分ですので、
お読みの皆さんも運動などの最初に欠かさないようにいれるようにしてみてください。
今回はここまでにします。