筋トレ以前に、姿勢改善トレーニングが多くの人に必要な理由。
こんにちは、姿勢トレーナーの八巻です。
今回も姿勢についてのお話をしていきたいと思います。
今回は、タイトルにもあるように、正しい姿勢とは、
どんな姿勢?という疑問について考えていきたいと思います。
正しい姿勢≒人体模型のガイコツ
まず15年ほどの指導を経て、正しい姿勢とはどんな状態を指すのだろうか、
最初にお話しすると、
人間が正しく立っている状態=正しい姿勢とするならば、
人体模型のガイコツのような形で立っている状態が、正しい姿勢と言っていいかと思います。
脚の骨が地面からほぼ垂直に立ち、骨盤はおおむねその上に立っており、
その上にS字カーブの湾曲をした脊椎(背骨)が立っている。
そしてその上に頭がのっている。そんな風に骨格が配置されている状態が、
正しいと考えればいいのだろうと思います。
逆に、正しくない姿勢・悪い姿勢は、
その骨格が上で述べたようになって積まれていない状態と言えばいいでしょう。
悪い姿勢は、どうやってつくられてしまう?
悪い姿勢で挙げられる代表的な姿勢として、背中が丸まり、
骨盤が後ろに倒れた”猫背”姿勢や逆に腰が反り過ぎてしまう”反り腰”などの姿勢があります。
これらの姿勢は、なぜつくられてしまうのでしょう?
猫背や反り腰などの不良姿勢は、2足で直立歩行をする、
人間ならでは出来てしまう姿勢と言えます。
4足歩行で過ごす他の動物は、体の各部からそれぞれ地面への重力がかかるので、
重力が姿勢に与える影響は少ないでしょう。
それに対し、人間の場合は、頭が一番上にあり、
そこから胴体・足と垂直に並んでいるので、
頭や体の重さがすべて2本の足に向けてかかります。
その重さをまっすぐ立って支えていられれば姿勢は維持出来ますが、
重力に負けて頭や体が地面の方に近づいてしまうと、
正しい姿勢を保つ事が出来なくなってしまう訳です。
頭の位置が下がり、前の方に体が反ってしまったら”反り腰”、
後ろの方に反ってしまったら”猫背”、
どちらも重力に負けて頭や体が下に落ちた状態です。
いい姿勢=正しい姿勢ではない。
肩甲骨だけ寄せても、それはいい姿勢ではない。
姿勢が悪いという事で、その姿勢を直す時に、
例えば猫背の人は「肩甲骨を寄せて背中をピシっとしましょう」
反り腰の人は「腹筋を鍛えましょう」などといわれる事も多く見受けられます。
しかし、それらの対処はいずれも無意味です。
先に挙げたように、姿勢が崩れた原因は重力に体が潰された事にあるので、
この潰れて縮んだ体を戻す事なく反対側に体を反らしても意味が無い
んですね。
潰れた体を上へ戻す事こそが重要
なんです。
正しい姿勢を作る時の、一番の意識とは?
ひとつやってみてください。背中を丸め、骨盤も後傾させておいて、
そこから頭の位置をそぉっと上へ引き上げてみてください。
そうすると、背すじがだんだん伸びてきて、だんだん骨盤が勝手に起きてきませんか?
崩れた姿勢を元の正しい位置に戻すには、こんな意識があればいいのです。
頭の位置をそのままで骨盤だけ無理に前傾させたりするのでは、
姿勢が良くなりませんし、それは反り腰の姿勢に近くなります。
今回は正しい姿勢とは?というところの最初のお話でした。
まず、姿勢を改善するためには、
正しい姿勢がどういうものなのかをおおまかにでも知っておくこと、
それに対し自分の姿勢はどういう原因でどう崩れているのか、
それを知るところから始まります。
一番の大きな要因は、「重力に体がつぶされている」事にあるので、
重力の反対方向に向けて、頭など体のパーツを戻していく意識が、
正しい姿勢にするための一番大きな意識づけです。
それをするために、柔軟性が足りなければストレッチが必要ですし、
筋力が足りなければトレーニングが必要でしょう。
ただ、その前提にあるのは「重力に逆らって体を引き上げて、それを維持する」
という方向性にあります。それを知った上で、
正しいストレッチやトレーニングをする必要があるという事です。