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神社にお参りに行って、神様が理不尽なクレームや因縁をつけます?~お客様は神様~

八巻稔秀

八巻稔秀

テーマ:姿勢改善・カラダ改善入門

こんにちは。

今回は、体に関する話題では無いですが、
一応サービス業に関わる人間として、以前から思う事について取り上げたいと思います。


「お客様は神様」という言葉について、解釈間違ってません?



昨日、近くのスーパーにお買い物に行くと、
カスタマーハラスメントについてのポスターが貼ってありました。



「お客様は神様」という言葉を盾に、
店側に理不尽な要求・クレームを突き付けるという事例って、
以前から起こっていますよね。
私も社会に出てからずっとサービス業に携わっているので、
そういう経験はゼロではありません。



私は直接言われた事はありませんが、
クレームなどで店側に対して優位に立ちたいためなのでしょうか、
「お客様は神様だぞ(だからお客の言う通りにするべきだろ?)」
というワードを口にする人がいるとか。

最初に「お客様は神様」と言った人の真意は?


最初にこのワードを言ったのは、
昭和に活躍した歌手の三波春夫さんだそうです。
このワードを検索すると、三波春夫さんのホームぺージがヒットし、
そこにはこの言葉の真意が書かれていました。
一部を抜粋させていただきます。

三波本人が生前にインタビューなどでこのフレーズの意味を尋ねられたとき、こう答えておりました。
 『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払ってまっさらな、澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。ですからお客様は絶対者、神様なのです』

 歌手として歌を歌う、「セリフ入り歌謡曲」や「長編歌謡浪曲」で歴史上の人物や物語を歌い語る、その折の三波春夫の心構えを表現した言葉であり、お客様に歓んでいただくことを歌手人生の第一義として追及して生きた、三波春夫らしい心情を表したものでした。
 また、三波春夫の舞台をお客様が楽しみにお越しになり、三波も一所懸命に舞台をつとめるといった、楽しさや高揚感がいっぱいの、歓び合う場での思いを表したものでした。

 そしてその始めは、「お客様は神様です」という型にはまった言い方ではありませんでした。いきさつについての本人の著述を最後にご紹介いたしますが、“お客様を神様とみる”という心構えであることを舞台の上で話したことが始まりで、それは芸能生活としては22年目、歌手デビューから数えると4年目の1961(昭和36)年のことでした。
 その後、漫才トリオのレツゴー三匹さんが「三波春夫でございます。お客様は神様です」という表現を流行させて、「お客様は神様です」という言い方が世の中に定着したというのが経緯です。

 三波にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。また、「お客様は神だから徹底的に大事にして媚びなさい。何をされようが我慢して尽くしなさい」などと発想、発言したことはまったくありません。

 しかし、このフレーズが真意と離れて使われる時には、「お客様」は商店、飲食店、乗り物のお客さん、営業先のクライアントなどになり、「お客様イコール神」となります。
 例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」という風になり、クレームをつけるときなどには恰好の言い分となってしまっているようです。店員さん側は「お客様は神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いっていうんですか?」と嘆かれています。

 また、クレーマーやカスタマーハラスメント問題を取り上げている番組などでは「“お客様は神様です”というのがありますからね」と、真意を紹介することなく引き合いに出されることもあります。



この内容を読みますと、ちょっと重い気もしますが、
少なくとも、ステージのオーディエンスに媚びるわけではなく、
理不尽な事をされたりしても耐えろという事では無いという事はわかります。

しかし実際に今、この言葉は、
お客様は神様なんだから、
何でも店側は言う事を聞けというような解釈がなされているように感じます。



”神様”って、そんなに威張っていましたっけ?




もしそう思っている人がいるならば、
神様ってどういう存在なのかもう一回考えてみましょう。


皆さん、何かお願い事がある時や、年始の初詣で、神社に行くと思います。

その時に皆さんは神様に対して、何をしますか?
お願い事や、誓いをしますよね?

神社に行ったときに、神様に理不尽な要求をされた事があるでしょうか?


店などに「お客様は神様だぞ」などと言って理不尽なクレームをするような人は、
神様にそんな風に責められた事があるのかを聞きたいところです。
まずその前に、自分の事を「神様」なんて言っている時点で恥ずかしくないですかと、
個人的には思います。



サービスを提供している側からでも、
確かにお店の商品を買ってくださったり、サービスを受けていただくお客様は
大切な存在で、丁重な接客・おもてなしは必須だと思います。
しかし、神様のように崇めるような存在というのとも少し違う気もしますし、
何を言われても我慢をするというのももちろん違うと思います。



売り手も買い手も人間!これを広めていきましょう!




売り手側と買い手側との関係と言えど、あくまで人間同士の付き合いに過ぎません。
そして、売り手と買い手は常に対等の関係でなくてはならないと思います。

何かお金を払う側が上にいるように勘違いしている人も多いようですが、
あくまでお金というのは、つくった商品を譲ってもらったり、
自分では出来ないサービスを受けたり、情報を手に入れたりするために、
対価として相手に渡すためのものに過ぎません。


お金を払う方が上とか買ってもらう方が下とかはありません。

そこで起こるのは、人と人とのコミュニケーションです。
もちろん人と神ではありません。

三波さんも「お客様」とは聴衆・オーディエンスを指しており、
「神様」と表現しつつも、聴く相手は人であるとお考えだと思います。
自分のレッスンを受けに来てくれた人たちに
「スッキリしたぁ」「楽しかった」と言って帰ってもらえるように全力でやりますが、
それは来てくれた「人たち」に喜んでもらいたいという思いです。




という訳で、言った人の真意とは異なった解釈をされ、
カスハラ・クレームの道具にされてしまってかわいそうな感もある、
「お客様は神様」という言葉。


こうやって間違った解釈で使われるのなら、神様の尊厳を傷つける事にもなるので、
私はこの言葉を使うのをやめるべきだと思いますが、
皆さんはどうお考えでしょうか。

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八巻稔秀
専門家

八巻稔秀(スポーツトレーナー)

TYカラダ調整セラピー

独自のエクササイズ「カラダ調整体操」をベースに、体のゆがみを本来の形に整え、正しい姿勢や動作へ導くトレーニングメニューを提供。スポーツイベントや出張指導で、生き生きとした日常を応援します。

八巻稔秀プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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