体の機能を知る・ゴルフの動作編　～ゴルフでは体に備わる2種類の「回す動作」を使おう～

こんにちは、

姿勢トレーナーの八巻です。

姿勢や動作改善の指導を行いながら、
当コラムでもそれらに関する情報を発信しております。

今回は、ゴルフに使われる、体の機能について。

前回のバレエ・ダンスに続き、
今回はゴルフに必要な体の使い方・機能のお話です。

スイングがぶれる・腰が痛くなる・・なぜ起こる？

当方のところには、ゴルフをされている方もお越しになります。
その方々のお悩みで多いのが、
スイング時に肩が上がってしまったり、骨盤が左右に大きく揺らいだりして、
スイングが安定しないのが何とかならないかといったところです。

そのような動作を続けている事により、
腰が張ってくる・痛くなるなどの症状も多くなります。



一般のゴルファーさんに多い動きとして、
スイング時に骨盤が右から左に大きく移動する動きが挙げられます。
（左利きの場合は逆）

クラブのヘッドが動く方向と同じく、体が右から左に動きます。
右から左に重心が移ることは、より強い打球を打つために必要です。


クラブを体の右に振り上げた時、重心は右足側に移ります。
そこから左の方に重心を移しつつ、クラブを振り下ろしスイングします。


この時に、
左足側に移すべき重心が左足の外側までいってしまっている事が多いようです。

右足から左足に重心が移る際に、体の移動によるエネルギーが生じます。
これを活用してボールにより大きな力を加えるのですが、
骨盤を横ずれさせたスイングだと、左足からさらに体が落ちてしまうので、
一緒に移動によって生じるエネルギーも逃げてしまいます。
そうなると、スイングが腕の力に頼らざるを得なくなります。
いわゆる「手打ち」になってしまいますので、
手打ちと骨盤のぶれが重なり、軌道はどうしても不安定になります。


また、骨盤を左に強く移動させると、
その反動で右の腰が折れるような動作になるので、腰が痛めやすくなります。

骨盤を移動させずに、その場で回す。
これが体の機能に忠実な動作。

そこで代わりにご提案したいのが、
体の回旋機能を使う動作です。

ゴルフに限らず、一流のスポーツ選手はうまくこの機能を使っています。

ゴルフ・スポーツで使いたい回旋動作①～股関節の回旋～

体の中で回すことができる部位というのがいくつかあります。
その一つ目は、股関節です。


骨盤と大腿骨の関節・股関節は、球状の大腿骨頭を骨盤が受ける形になっており、
回せる形状になっています。


ひざを曲げて足を開く動作をするときに使うような動きです。
これを立ってゴルフで応用する場合、
脚の形はなるべく変えず、その脚の上に乗っている骨盤の向きを左右に変えます。
これも股関節の回旋動作です。

この動作を実際にやってみると、骨盤を左右に少し回すだけで、
足にかかる体重が変化すると思います。
両足の上に体をのせたまま、股関節を回すだけで、重心は左右の足の間を移動してくれます。

ゴルフ・スポーツで使いたい回旋動作②～体幹部の回旋～

もう一つ、体の中で回すことの出来る大きな部位は、体幹部です。
背骨は腰椎を除き回るので、ここを使います。


動作としては、両手を体の前であわせ、その手をあわせたまま、
左右に腕をスイングします。
この時に胸が軽く左右に向けばOKです。

この動作から、片肘を曲げて動作を続ければ、
より実際のスイング動作に近づきます。

この動作を、アドレス姿勢でそのままやってみましょう。
これでもう回旋動作を使ってのスイングになります。

これに先ほどやった股関節の動作を加えます。



体を左右に振る事なく、水平に回すのがミソです。

まずはクラブを持たずに、この動作そのものを繰り返して練習してみましょう。

この動作を身につければ、最初に挙げたような問題が何れも解決に向かっていくことでしょう。