Mybestpro Members

谷津吉美プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

漢方薬の袋に書かれている数字について

谷津吉美

谷津吉美

テーマ:東洋医学の知恵袋



病院で出してもらう漢方薬には、番号と漢方薬の名前が書かれていますね。
この番号はもとはツムラが用いていたものでしたが、業界で統一され今では他の会社も用いるようになりました。ツムラで開発を担当した方が覚えやすいように番号をつけたので、五十音順ではありません。産婦人科の代表処方は連番になっていて、23は当帰芍薬散、24は加味逍遙散、25は桂枝茯苓丸です。縁起が悪く、患者さんに嫌われる番号(4,13,42,49,94)は抜かしてあるそうです。病院でもらう漢方薬は医療用の漢方製剤といいます。

むつごろう薬局でお出しすることが多い煎じ薬は、薬局製剤漢方といいます。薬袋に貼ってある紙に書いてある番号は192番までは連番で五十音順です。薬局でお出しできる漢方薬は、以前は192の処方(漢方薬の名前)だったからです。同じ名前でも粉薬や丸薬のものが18品、生薬(薬草)が違うものが2品あり、全部で212品目でした。その後お出しできる漢方薬が追加され、現在は216処方236品目です。

お子様を考えている方が、病院で温経湯(うんけいとう)を出してもらっていましたが、なかなか授からず相談にいらっしゃいました。いろいろお話を伺って、温経湯の証で間違いがないように思われました。まだ漢方が残っているということなので、煎じ薬の温経湯20日分をお出しし、30日で飲んでいただくようにしました。1日1回は病院でもらった温経湯を引き続き飲んでいただきました。するとすぐ妊娠され、無事出産されました。

病院で出してもらう温経湯は106番です。エキス剤といって、温経湯を煮出して濃縮したものを、スプレードライという製法(スプレー状に噴霧して高熱で水分を飛ばす製法)で作られています。一方、むつごろう薬局で煎じ薬で温経湯をお出しする場合、11種類の生薬が入った袋と阿膠(あきょう)が入った小さな袋をお渡しし、ご自分で煎じていただいています。薬袋に書かれた数字はK6なので番号が全然違いますね。効き目もエキス剤と煎じ薬は違うので、病院でもらって飲んでいてあまり効果がみられなかった場合でも、上記の例のように煎じ薬に変えてよくなる場合も多いです。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

谷津吉美プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

女性の悩みをやさしく包み込む漢方薬のプロ

谷津吉美プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼