スーパーの生産性向上|たまねぎの皮むきは本当に必要?「昔からの作業」を見直して利益を生む方法

新谷千里

新谷千里

テーマ:スーパーの業務改善

スーパーの人手不足と人件費上昇にどう対応するか。

たまねぎの皮むきを例に、慣行作業を見直す判断基準、作業時間の活用、AIを使った商品価値の伝え方を、新谷千里が解説。動画でも具体的に紹介します。

「たまねぎの皮をむいたら、おいしくなるでしょうか」。
スーパーマーケットの生産性向上を考えるとき、まず問い直したいのは、毎日当たり前に続けている作業の目的です。

お客さまに必要な作業を残し、効果の薄い作業を見直すことで、売場の価値と営業利益を高める時間が生まれます。

たまねぎの皮むきから考える「作業の目的」

青果部門には、長年続けてきた下処理や手直しがあります。たまねぎの皮むきも、その一例です。 
しかし、
「以前からやっている」ことだけでは、続ける理由にはなりません。

まずは次のように問いかけてみてください。
・その作業は、品質・衛生・安全・見た目・買いやすさのどれを改善しているか
・お客さまは、作業後の商品に価値を感じているか
・作業に使った時間や廃棄量に見合う売上・粗利益が得られているか

もちろん、傷みの除去や品質維持に必要な処理まで省いてよいわけではありません。

商品や販売方法によって必要な作業は異なります。
大切なのは、作業の目的と効果を現場で確かめることです。

➤ 動画の「たまねぎの皮むきは本当に必要か」から見る(0:25)

作業を速くする前に、作業そのものを見直す

人手不足の現場では「もっと速く作業しよう」と言いがちです。

しかし、必要性が低い作業を速くしても、使う時間はゼロにはなりません。

売場とバックヤードの作業を洗い出し、
「やめる」
「回数を減らす」
「まとめる」
「やり方を標準化する」
の順に検討します。

作業をなくす判断は、鮮度、衛生、売れ行き、お客さまの反応を確認しながら小さく試すのが現実的です。

例えば、ある作業を1日10分減らせれば、30日で5時間になります。
これは効果を考えるための計算例であり、実際の削減時間は店舗ごとに測定してください。

➤ 動画の「今までの作業を見直して生産性を高める」から見る(2:11)

浮いた時間を、商品の価値を高める仕事に使う

作業改善の成果は、時間を減らしただけでは完成しません。

生まれた時間を、
・鮮度確認
・欠品防止
・ピーク前の補充
・食べ方の提案
・関連販売
などに振り向けてこそ、売場が変わります。

たまねぎなら、品種や用途に合わせて
「生で楽しむ」
「炒めて甘みを引き出す」
といった選び方を伝えられます。

価格と品名だけでは伝わらない価値を、お客さまが売場で理解できるようにするのです。
なお、味や用途の説明は、実際に扱う商品の特性を確認してから表示します。

➤ 動画の「加工作業を減らして時間を生み出す」から見る(4:14)

AIはPOPや提案文の下書きに活用する

商品価値を伝えたいと思っても、POPの文章を毎回ゼロから考えるのは負担です。

そこでAIに、
・対象商品
・特徴
・想定するお客さま
・文字数を伝え
・見出しや料理提案
の下書きを作らせる方法があります。

例えば、
「忙しい家庭に向けて、当店のたまねぎの特徴と簡単な食べ方を、短いPOPにまとめて」と依頼します。

出来上がった文章は、その商品の産地・品種・食味・価格表示と一致するかを担当者が確認し、売場の言葉に直してください。

AIは発想と下書きの補助として使うと、提案づくりに着手しやすくなります。

➤ 動画の「AIを活用して商品の価値を伝える」から見る(5:24)

生産性向上は「何をやめ、何に時間を使うか」で決まる

スーパーマーケットの生産性向上は、現場の人にさらに急いでもらうことだけでは実現しません。

まず作業の目的を確かめ、効果の薄い工程を見直す。
そして、確保した時間を、お客さまの買いやすさや商品の魅力を高める仕事に充てます。

店長やチーフは、まず一つの部門で「昔から続けている作業」を一つ選び、所要時間と必要な理由を確認してみてください。

小さな見直しを積み重ねることが、人時生産性と営業利益の改善につながります。

動画では、たまねぎの皮むきという身近な例から、作業の見直し、AIによる価値訴求、生まれた時間の使い道まで、新谷千里が順を追ってお話ししています。


記事を読んだ後は、ぜひ動画で現場改善の考え方を確認してください。
➤ YouTube動画「たまねぎの皮をむいたらおいしくなる?『昔からの作業』を疑う現場改善」を見る


動画の見どころ:
0:25 皮むきの必要性 /
2:11 従来作業の見直し /
4:14 加工作業と時間 /
5:24 AIによる価値訴求 /
7:38 生まれた時間の活用

サミットリテイリングセンター代表・新谷千里。スーパーマーケットの現場改善、売場づくり、営業利益の改善を支援しています。
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新谷千里(経営コンサルタント)

有限会社サミットリテイリングセンター

100社以上の業績向上を実現した業務改善のプロ。売れてしまう実践的マーケティングとオペレーション改善とコスト削減。他では教えてくれない理論と実践で、競争の厳しい時代に確実に営業利益を向上させます。

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