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高利益を出すスーパーマーケットにするコンサルタント

新谷千里(しんがいちさと) / 経営コンサルタント

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コラム

生鮮部門の支持率を上げろ! スーパーの売上アップと競争力アップを実現する実践法とは

2019年6月9日 公開 / 2023年3月23日更新

テーマ:スーパーの営業戦略

コラムカテゴリ:ビジネス

実績数値(情報)の中で重要な数値の一つが、部門支持率(部門買上客数 ÷ 店舗買上客数)です。
部門支持率の向上は、売上の拡大は勿論、営業戦略上重要であり、鮮度管理や品揃え、価格戦略など、日々の行動の成果を表す数値となります。

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ちなみに、部門の売上高は、通常、客数 × 客単価で求められますが、
細分化すると、
店舗客数 × 支持率 × 一客点数 × 一品単価となります。

   ※一客点数 = 部門販売点数 ÷ 部門買上客数
    一品単価 = 部門売上高 ÷ 部門販売点数

そして、部門支持率、一客点数、一品単価を、週単位で管理して推移表で見られるように帳票を作成し、管理の仕組みを作っておくと、問題点が発見しやすくなります。

ですから、部門支持率は、売上アップを考える上での根幹で、重要な管理数値と言えます。
あなたのお店は、この支持率を管理して、活用しているでしょうか?

売上をアップさせる上で重要な部門支持率。その中身を解説していきます。

SM・20190609_131603.jpg

支持率の差は、売上高と粗利益に大きな差を生み続ける

シミュレーションに沿って考えてみましょう。

客数が2,000人のスーパーマーケットで、
A店の支持率が50%の野菜部門の場合、部門の買上客数は、1,000人です。
一方B店の支持率が、45%の場合、部門の買上客数は、900人になります。

仮に、両店とも一客点数を3品、一品単価を150円としたら、各々の売上高は、
A店(支持率50%):1,000人 × 3品 × 150円 = 45.0万円
B店( 〃 45%): 9,00人 × 3品 × 150円 = 40.5万円
ということになります。

このシミュレーションの場合、支持率5%の差が、売上高で、10%以上の差が出ることになるわけです。

来店客数が同じであっても、支持率が低ければ、売上高は大きく落ち込むことになります。

支持率を上げるために実行すべき、重要ポイント!

それでは、「どうやったら支持率を上げることが出来るのか」を説明します。

グロサリーなど、ナショナルブランド品が多い部門は、内的要因としては、何と言っても価格と品揃え(特に新規商品)、そして欠品が、その大きなポイントとなります。

一方生鮮品は、グロサリーとの違いがあります。
重要なことは、品質、特に鮮度と味、
そして、品揃え(欠品しないこと)が、最も重要な要素となります。その他の課題もありますが、ここを先ず注視して管理すべきです。

AS・20190608_124401.jpg
鮮度については、特に野菜や生魚など、お客があなたのお店で買い物をして、日々「新鮮さを体感できるか」が、重要で大きなカギになります。
そして何より、葉物野菜など、お客が買って帰ったあとの商品の日持ちなど、良い体験をしてもらっているかが重要なポイントです。

一方、味ですが、特に果物や精肉、刺身や惣菜などのカテゴリーが、その対象となります。
これらの商品群は、味を極めることが重要です。価格を先に優先して考えてはいけません。

そして何と言っても、お客からの支持の高い(売上高構成比も高い)主力商品の品揃えと、欠品をしないということが重要です。欠品が多いと、そもそも支持率は、上がりようがありません。
ここで言う品揃えとは、容量的なSKU(単品)、グレード(産地など)などを、集中的に強化して、お客の「買わない(買えない)理由を無くす」ということを理解して、日々実行することが重要です。


リーダーは、現場を常に確認することを主体業務、責務と理解すること

特に、鮮度と味、そして欠品は、クリンリネスや接客と並んで、スーパーマーケットの基本四原則に当てはまる重要課題です。

これらの日々の出来栄えが、お店の信用を生み、日々の来店客数と来店頻度に大きく関わることとなります。
ですから、ここに重点を置いて、バイイングや売場づくり、オペレーションを組み立てて管理することが重要です。

特に、リーダー(店長、商品部、経営幹部など)は、これらの課題に対して、優先順位を付けて、現場を深く確認することが責務です。
お客からの信用が、売上と利益を日々積み上げてくれるのですから・・・。

安売りだけで、支持率を上げようと思っても、信用が無い店では、それは到底かないません。
その意味でも、原理原則に沿って、鮮度と味、品揃え(欠品しない)のスタンダードレベルを上げること、
そして、『地域ダントツ一番になる』ことを念頭において、改善を加えることです。


「部門の経験が無い」と言って、出来ない言い訳をしている店長は、失格です。
解らなければ、勉強すれば良いだけです。
お店の成長と発展に確実に関わる重要課題なのです。

社内で解決できなければ、専門家の力を借りてでも改善すべきです。会社の未来を左右する、最優先事項と理解して改善に取り組むべきです。

3週続けて低下したら・・・、要注意・即解決!

店長や商品部は、部門の支持率が3週連続低下した場合、すぐに現場に直行して、売場の現況を確認する必要があります。

その場合、鮮度や味、品揃え(欠品)などに、何らかの不具合が発生している可能性が考えられます。
また、競合店など、外部要因も考えられます。併せて実地確認をする必要があります。

決して、机上の聞き取り程度で、済ませるようなことをしてはいけません。
鮮度と味は、スーパーマーケットの最重要戦略なのです。
ここを怠ってしまっては、競争など勝てるわけが無いのです。

さて、あなたのお店の鮮度と味は、大丈夫でしょうか・・・?
そして、支持率は高いでしょうか?


『スーパーの営業戦略』 その他の参考記事

  ■ 参考記事はこちらから、ご覧ください ⇒ スーパーの営業戦略 
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