マイベストプロ大阪
新谷千里

高利益を出すスーパーマーケットにするコンサルタント

新谷千里(しんがいちさと) / 経営コンサルタント

有限会社サミットリテイリングセンター

コラム

厳しい競争の中で客単価をアップさせる “売場づくりの4P”  実践的マーケティングの基本原則 

2017年9月11日 公開 / 2023年3月17日更新

テーマ:スーパーの営業戦略

コラムカテゴリ:ビジネス

皆さんは、スクワットの正しいやり方をご存知でしょうか?
そうです。筋トレのあのスクワットです。
「両足を肩幅程度に広げ爪先を前に向けて、土踏まずを地面にしっかり付ける感じで。背筋を伸ばしお腹を凹ませる。顎を引いた姿勢で膝を曲げます。そしてその時、膝が爪先より前に出ない様に・・・。」(コーチのアドバイス)
このやり方ことを知って行うスクワットと、今まで私がやっていたスクワットでは、効果が全く違うことを先日ジムのコーチに教えてもらいました。

販売戦略を練るうえでも、これと全く同じことが言えます。
マーケティングの基本をしっかり押さえて実践することが、結果を大きく変えることになります。

過去の記事で、レイアウト、フロントエンドとバックエンド、コピーライティング、USPなどの意味と重要性、そして実践方法について説明してきましが、どれも業績を向上する上でとても重要な原則です。
そして、実際に売場を作るときに知っておきたい重要な原則、それが“売場づくりの4P”です。

売り場づくりの4Pとは、
1.商品(製品)または、企画テーマ(Product)・・・ 何を売るか?
2.展開場所(Place)・・・・・・・・・・・・・・・どこで売るのか?
3.販促活動(Promotion)・・・・・・・・・・・・・どのように売るのか?
4.価格(Price)・・・・・・・・・・・・・・・・・いくらで売るのか?
のことです。

また、レイアウト、フロントエンドとバックエンド、コピーライティング、USPに深く関わることであり、売場の実践でその効果を最大化させるという考え方です。


  ※過去の記事を参照
【2016年11月号】 売れる、そして稼ぐ、店舗レイアウト
【2017年 6月号】 フロントエンドとバックエンド「儲けの仕組み」をつくる
【2017年 7月号】 「売れてしまう」 仕組みをつくる、コピーライティングの技術
【2017年 8月号】 マーケティングで重要なUSP


マーケティング・ミックスを売場で応用して実践

マーケティングの4Pとは、製品開発(Product)や価格設定(Price)、流通チャネルの選定(Place)、そして、イベントやキャンペーン、各種広告などのプロモーション(Promotion)のことです。
この4つのPをミックスして、ターゲット市場に対して、売上拡大のためのマーケティング(売れる仕組み)をつくり上げていきます。

これを、売場づくりに応用して実践するのが、“売場づくりの4P”です。

1.何を売るか?
2.どこで売るのか?
3.どのように売るのか?
4.いくらで売るのか?
これらを効果的に組み合わせて売場づくりを行います。
そして、基本的には安売りをしないで実行していくのです。


商品(サービス)または、企画(PRODUCT)

ここで言う商品とは、基本的に売上高が大きい重点商品(アイテム)や重点企画(カテゴリー)というものを指します。
その他、お客の利便性を追求した新規導入商品なども顧客の支持を得て、売上を大きく伸ばす可能性が高いと言えます。これらの商品群もこれに当たります。

重点商品とは、野菜のトマトや塩干の塩鮭など、部門や各種カテゴリーの中で、年間(または一定期間)でトップクラスの売上を上げる商品群のことを指します。
一方、重点企画とは、バレンタインデーやクリスマスなどや、乾麺やつゆなどの関連品を含むカテゴリーなど、その時季(日)に売上高の高い商品群を指します。

基本的には、お客からの支持の高い商品群となりますので、これらの売上の伸びは、部門や各カテゴリーの売上高に大きく関わることになります。
そして、売上を拡大する上から重要ポイントは、品揃えの充実と欠品をさせないことです。


展開場所(PLACE)

展開場所とは、店舗レイアウト上、通過率の高い場所(マグネット)のことを言います。
基本的に主通路に面するゴンドラエンドや平台エンド、催事用のステージなどのことです。

お客の支持の高い重点商品(カテゴリー)を、何処で展開するかで、その売上高は大きく変わります。

ですからここでの重要ポイントは、通過率と視認率の高い場所(マグネット)で重点商品(カテゴリー)を売場展開し、お客の接触率を上げるという仕掛けをするということになります。


<各種マグネットでの展開・事例>

OX母の日ワイン             ① 母の日・ワイン売場(主通路沿い) 

SAコストコフェア             ② コストコ・フェア(主通路中央)

SMハロウィン             ③ ハロウィン(柱周りステージ) 

AS乾麺             ④ 乾麺関連 (主通路中央)

SMみかん             ⑤ みかん・小型店(店頭平台)  

SMみかん             ⑥ みかん・中型店(店頭壁面平台)

OXいちご             ⑦いちご・大型店(店頭第一平台)        

ASいちご             ⑧いちご・小型店(店頭第一、第二平台)


販促活動(PROMOTION)全般

重点商品(PRODUCT)とその展開場所(PLACE)で売上高は変わると説明しましたが、結果を更に最大化するために、あらゆるマーケティングの手法を使います。これがプロモーション(販促活動全般)です。

新聞の折り込みチラシは勿論。SNS、メールマガジン、ダイレクトメール、POPなどの媒体の活用や、試食販売や各種イベント企画など複合的に行うことによって、効果を高めるのです。

ここでの重要ポイントは、商品の持つUSP(Unique Selling Proposition:独自の売り、強み)をお客に対して、(営業マンの代わりとなる)POPや、販売者や生産者からの直接的な説明で明確に打ち出すことです。

また、同時に商品の持つ機能的な価値以外にも、楽しい、面白いなど、“情緒的価値”を売場で打ち出すことも重要になります。

今まで「売る側」の論理だけで組み立てられたさまざまな『売る』仕組みを、「買う側」の視点で捉えて『売れる』仕組みに新たに作り上げるという意識が求められます。


ASトマト1             ① トマト売場 

ASトマト2             ② 価値情報POP(特徴、こだわりなど)

ASトマト3             ③ 糖度表示(全品)、糖度比較表
      
            

価格(PRICE)

ここで言う価格(PRICE)は、基本的に絶対価格ではなく、相対価格を考えます。

販促活動(PROMOTION)で、製品の品質や特徴、こだわり、使い方などを提案して、製品の持つ価値を十分に引き出し、製品の付加価値を上げていくことによって、魅力ある“商品化”を行うことが重要なポイントです。
ターゲットお客にとっての価値ある情報提案で、購買決定に繋げてもらうのです。

つまり価格ではなく、価値に重点を置くという考え方です。
そうすることで、販売側の価格決定力を高め、値入れを柔軟に設定することが可能となります。
このことにより売価をアップさせられることに繋がり、結果的に粗利益は拡大していくのです。


・・・・・・つづきは・・・・・・
・“売場展開計画書(4P計画書)”を作る
・ 客数を増やさずに売上を上げる!

こちらからご覧ください ⇒ 商人舎magazine9月号・Web版
※商人舎Magazineは、『月間・商人舎』の購読契約が必要です。

『スーパーの営業戦略』 その他の参考記事
  ⇒ スーパーの営業戦略 
業務改善の多くの 『成功事例』 を紹介しています。
  ⇒ 業務改善事例

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

この記事を書いたプロ

新谷千里

高利益を出すスーパーマーケットにするコンサルタント

新谷千里(有限会社サミットリテイリングセンター)

Share

関連するコラム

新谷千里プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
06-6654-6640

 

お急ぎの方は、携帯電話へご連絡ください。
090-4033-1384

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

新谷千里

有限会社サミットリテイリングセンター

担当新谷千里(しんがいちさと)

地図・アクセス

新谷千里のソーシャルメディア

youtube
YouTube
2024-03-22
facebook
Facebook
  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大阪
  3. 大阪のビジネス
  4. 大阪のビジネスコーチング
  5. 新谷千里
  6. コラム一覧
  7. 厳しい競争の中で客単価をアップさせる “売場づくりの4P”  実践的マーケティングの基本原則 

© My Best Pro