コロナ禍の換気設備の選び方

福味健治

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テーマ:【賢い家造り】

コロナ禍で家の換気の重要性が見直されている

コロナウィルスの家庭内感染が問題になっています。手洗い消毒も重要ですが、コロナはそれ以上に飛沫感染が問題視されています。去年の今頃はマスクはウィルスに対しては、無抵抗だと言う専門家もいましたが、現在では世界中でマスクの重要性を説いています。中にはマスクはワクチンと同じ効果があるとまで言う専門家も出てきています。
エチケットとして、屋外でのマスク使用は当たり前になっていますが、家の中でもマスクをしている人は少ないのではないでしょうか。
秋頃までは飲食を伴う接待業による感染と言うのが、問題視されていましたが、今最も感染患者が増えているのは家庭内感染です。家族にコロナを遷さない為にも外を出歩く人は注意したいものです。

家の中をゾーン分けしただけでは不十分

注意しましょうと言っても、交通標識の落石注意と同じで、どの様に注意して良いかわかりません。
コロナ発生当初日本でも、クルーズ船の中で、集団感染が問題になりました。船内の映像を見たところ、乗客は個室から出る事を許されず、感染者の動線と、非感染者の動線はテープで明確に仕切られていました。しかし、感染を抑え込む事が出来ませんでした。
挙句の果てに、調査に乗り込んだ、防疫の知識を持ち合わせた厚生省の担当者までもが感染してしまいました。
何故なんでしょう。
感染者と非感染者をゾーン分けするだけでは不十分なのです。それは、同じ空間にいないと言うだけで、船の中の同じ空気を吸っていたのです。
飛沫感染は2m離れていれば本当に大丈夫なのでしょうか。
空気の対流を考慮しない場合、2mのソーシャルディスタンスを取れば、飛沫は床に落ちてしまうと言うのが、政府の見解です。
しかし、室内が乾燥していて、飛沫の水分が蒸発してしまった場合は、もっと遠くまでウィルスが浮遊する事は容易に想像出来ます。
また、エアコンやストーブなどで室内に対流が発生してた場合、これももっと遠くまでウィルスは飛んで行くでしょう。

病室は負圧にして、他の部屋に空気が漏れ出ない様にする

もしも、家族に発熱患者が出た場合は、他の家族と隔離する事が大切です。それも換気扇のある部屋に隔離して病室を負圧にする事が需要です。病室に換気扇が無ければ、炊事で台所の換気扇を回しただけで、台所が負圧になってしまい、病室の空気が家中を漂う事になります。これでは、幾ら家中をゾーン分けして患者を隔離しても、患者と同じ空気を吸う事になりますので、極めて危険な状態と言えます。
クルーズ船で、集団感染を抑えられなかったのと同じ条件です。
患者を隔離するなら、自室に隔離する事に囚われず、負圧に出来る部屋にいてもらう事を優先しましょう。勿論自室に換気扇があれば、それを回して、他の部屋の換気扇を止める事によって負圧は成り立ちます。患者のいる場所から空気が漏れ出ない様にする事が肝心です。

マンションでトイレの臭いが部屋中に充満しないわけ

マンションのトイレは窓がありません。つまり自然換気が出来ない状態です。しかしトイレ臭が部屋中に充満する事はありません。マンションのトイレには小型の換気扇がついていて、24時間動いていています。その為トイレ空間は他の部屋に比べ負圧になっており、臭いが外に漏れないのです。トイレ臭をコロナウィルスと考えれば、何をすれば良いか見えてくるはずです。

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福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

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