ハウスメーカーと私の家造りの違い
ネット情報は自分の願う結論を探してしまう傾向がある
建築のコラムを書く事が多い私宛に、一般の方から問い合わせを頂く事が少なからずあります。
家造りに悩む方からの、ご相談メールが殆どなのですが、中にはコラムそのものに対するご質問もあります。
その中でも若干数ではありますが、私のコラムに対して、他のネット情報を取り上げて、自分にとって都合の良い結論を導き出したい意図がありありと伺える、詰問メールがあります。
ネット上では、様々な人が、様々な観点から情報発信をしています。
客観視出来る正確なアンテナを持っていないと、自分にとって都合の良い結論だけを集め、願望が推論に変わり、推論が確信へと変化していきます。
私も、建築以外は門外漢で、知りたい情報はネットで集めますが、往々にして自分にとって都合の良い情報ばかりを集めてしまいます。
と前置きして
新型コロナウィルスは空気感染しているのではないか
この件に関して、ネット情報を随分調べましたが、新型コロナウィルスが空気感染していると、明快に言及している情報は一件もありません。医学や感染症の専門家の皆さんが情報発信しておられるので、医学界では空気感染していると言う明確な証拠は無いのでしょう。
その中で、ある感染症の専門部会で、東北の方の大学の先生が、屋形船で発生したクラスターは接触感染や飛沫感染では説明が付かないと発言された情報に目が止まってしまいました。
空気感染の可能性に言及されたのです。
接触感染は、読んで字の如く病原体に触れる事により感染する事です。それに比べ飛沫感染と空気感染はよく混同されてしまう様です。それは両方ともウィルスが、口から出ることが原因である様です。
飛沫感染は、咳やクシャミにより、口から放出される小さな水滴(5μm以上)を直接、他の人が吸い込んでしまう事により起こる感染です。飛沫は5μmと大きく遠くまで拡散する事はありません。半径2m以内で床に落ちてしまいます。
空気感染は飛沫核感染とも呼ばれ、ウィルスを含んだ水滴のうち、水滴だけが蒸発してしまい、ウィルスのみが空気中を漂う為に起こる感染です。5μm以下のものを指し、通常のマスクをすり抜けてしまいます。また、軽さ故にいつまでも空気中を漂い、遠くまで拡散していきます。空気感染するとされている病原体は疱瘡と麻疹と結核が代表であると書かれており、一部の情報ではこの三つしか空気感染しないとも書かれていました。
状況証拠から見れば空気感染だ
もう一度言いますが、専門家は誰も空気感染すると明快に答えていません。
しかし、マスクは何の予防効果も無いと、どの情報にも出ています。マスクは拡散を防ぐ効果があっても、予防する効果は無いのだそうです。
しかし、飛沫感染ならば、マスクで防げる可能性は大きいのでは無いのでしょうか。空気感染(5μm以下)だからマスクをすり抜けてしまうのではないでしょうか。
客船や、院内感染にしても、接触感染・飛沫感染だけでは説明が付きません。各自個室に閉じこもっていて、濃厚接触出来ない環境で、何故あれだけ感染が広がったのでしょうか。換気ダクトを通じて院内・船内にウィルスが拡散したと考える方が自然ではないでしょうか。
食事担当の客室係員がウィルスに感染していて、配膳された食器にウィルスが付着していたのなら別ですが、それを示す資料を見つける事は出来ませんでした。
屋形船やライブハウス・スポーツジムにしても、飛沫感染で保菌者から2m離れれば大丈夫な状態で、あれだけ感染者が出るとは思えません。この事は先の専門の先生が言及している通りです。
首長はロックダウンを宣言する前にする事がある
大都市の首長は、夜の街やカラオケ・ライブハウスへ行くのを、留まる様に自粛要請を発信しています。今がギリギリの状態で、これ以上事態が悪くなれば、ロックダウンするしかないと云っています。
しかし、本当の恐ろしさを伝えないで、闇雲に自粛しなさいと言われても、説得力がありません。ロックダウンすると脅しても、経済への影響を考えれば、簡単に出来るものでもありません。
ロックダウンを宣言する前に、可能性でも構わないので、空気感染していると発信すべきではないでしょうか。
医学用語的に適切ではないにしても、政治用語として空気感染する(人の吐く息を吸い込んだだけで感染する可能性がある。)と云えば、余程のバカでない限り、夜の街に出歩く事はないでしょう。
もう一つ若者に対しても、この病気の恐ろしさを伝えるべきです。
ウィルスに感染した細胞は、その細胞自体が死滅しないとウィルスの感染拡大を防ぐ事は出来ません。肺は呼吸するのに重要な臓器です。ウィルスに侵された肺を治療するのは、ウィルスに侵された肺の細胞を殺す事に同義です。
細胞が死んだ部分は空洞になり、繊毛も機能しませんので病原体が繁殖する恰好の病巣になってしまいます。
人がウィルス性の肺炎から治癒するのは、ウィルスに侵されなかった肺の細胞が、死んでしまった細胞の分まで頑張るから治癒するのです。つまり残された細胞に負担がかかっているのです。若いあいだは、体力も抵抗力もありますから、なんともないでしょうが、齢を重ね体力も抵抗力も衰えた年齢になると、肺の病巣の菌が活動し始め、その人の健康を阻害し始めます。若い時は何ともなくても、歳をとってからこの代償は回って来ます。
この事が医学的に正しいかどうかは別にして、首長はこう情報発信すべきです。
単に自粛を訴えても、人の行動は止められません。