グルーミングルームのある間取り
エアゾル感染と云う定義された言葉は無い
昔は接触感染・空気感染・飛沫感染と云う言葉は昔からあり、聞き慣れた言葉ですが、エアゾル感染と云う言葉は、新型コロナウィルスが猛威を振るい始めて初めて耳にしました。ネット検索ですが、医学用語でも「エアゾル感染」と言う言葉についての、定まった定義は無い様です。
マスコミの報道なとを聞いていると、空気感染と飛沫感染の中間的な要素を持つかの様な、説明の仕方をしていますが、これはもう空気感染ではないでしょうか。
空気中に細菌なりウィルスなりが漂い、その汚染された空気を吸い込む事により感染するのが空気感染です。
空気感染と考えた方が良いのかも知れない
クルーズ客船の広がり具合を見ていても、接触感染だけであそこまで広がるとは思えません。
客室に隔離されて、人と人とが直接接触しなくなってから、感染者が激増したのは、潜伏期間だけの問題では無い様に思えます。では接触感染以外でどの様に感染するのか・・・・
私は空気感染を疑っています。隔離されているから空気感染も無い様に思いますが、換気ダクトを通じて船内は一つにつながっています。ダクトには給気ダクトと排気ダクトがあり、室内の汚れた空気と屋外の新鮮な空気が混ざらない構造になっています。勿論フィルターもついているでしょう。
一見、換気ダクトから感染する可能性は無い様に思われますが、一つだけ可能性が残っています。
給気と排気が交わる熱交換器
酷暑日や厳冬期に外部の空気を直接取り入れれば、真冬では室内が寒くなり、真夏では暑くなってしまいます。空調機をフル稼働させながら、窓を開けているのと同じ状態になるのです。
それを避ける為、排気する空気の温度だけを給気する空気に移し替える装置が熱交換機です。構造は段ボールの紙を何層にも重ねた様な構造になっており、その中に排気と給気が交わらない様に通過させて、段ボールの紙を熱だけが移動する様な仕組みになっています。
潜熱換気と顕熱換気
段ボールの紙に当たる部分を、プラスチックの様な、本当に熱だけしか通さない素材で造れば、空気は交わる事はありません。これを顕熱換気と云います。熱交換器の効率を高めようと思えば、紙の様な繊維で作る事です。そうすれば、水蒸気の移動も可能になり、熱効率があがります。これを潜熱換気と云います。
夏湿度が高く、冬に湿度の低い日本では、殆どの熱交換器が潜熱換気を採用しています。
顕熱換気の様に水蒸気が移動しなければ、夏場温度湿度共に高い外部の空気が熱交換器を通った際に、温度が下がる時、露点も下がりますので、気温は下がっているのに、湿度が上がってしまうと云う不都合が生じます。逆に冬場は温度の低い乾燥した空気が外部から入って来ますので、熱交換器を通った際に、露点が上がりますので、益々乾燥した空気として室内に入ってしまうのです。
その不具合を解消する為潜熱換気を採用しています。
で、その潜熱換気ですが、メーカーのカタログデータだけを信用すれば、ウィルス等の汚染物質は殆ど通過せず、水蒸気だけが行き来する構造だと云う事になっています。私はそこに疑いを持っています。
通常のインフルエンザの様に、数時間から一日程度の寿命であれば、熱交換器は機能するでしょうが、数日間も伝染能力を維持している新型コロナウィルスでは、絡め取る事が出来ず、ウィルスに汚染された空気が給気ダクトから船室に逆戻りして、汚染が広がっているのではないでしょうか。
病院の院内感染も同じパターン
数十年前、病院内の院内感染が話題になった時期がありました。その時も換気ダクトを通じ、薬に抗体を持ったウィルスが院内に蔓延しました。現在はダクト内に滅菌装置等が設けられていて、ダクトから院内感染する事はもうないかと思っていますが、クルーズ客船ではダクト内に滅菌装置が取り付けられているとは思えません。
家についても同じことが言えます。十数年前から、24時間換気が義務化され、新築全ての家に何等かの換気システムが取り付けられています。ダクトを設け、より確実に換気が出来る様に設計された家も少なからずあります。その様な家がウィルスの温床にならない事を祈るばかりです。