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コラム
無駄が醸し出す魅力
2019年8月12日
「機能的なモノは美しい」の弊害
最近の車は、素晴らしいです。運動性・経済性・安全性・静粛性どれをとっても、10年前の車とは比較になりません。私もハイブリッド車に乗っていますが、高速道路を走っているとエンストしたのではないか、と思うくらい静かです。風を切る音とタイヤの路面を掴む音しか聞こえてきません。
1500ccの小さな車ですが、乗り心地は、ひと昔前の高級セダン並みです。
車が、発明されてから100年余り、性能もデザインも洗練され、車と云う概念では、これ以上進化出来ないのではないかと思われるくらい進化しました。
しかし、車の販売台数は落ちて来ています。若者の車離れが進んでいるのです。私が社会人になって初めての目標はマイカーを買う事でした。それくらい車はステータスであり、憧れだったのです。しかし、最近の若者は車にそれほどの魅力を感じていない様です。デザインも洗練されカッコ良くなりましたが、どの車も似たり寄ったりで、面白くないのです。美しいけど、のめり込む程、人を惹きつける魅力が無いのです。
一目惚れしてしまう車
先日、名古屋のトヨタ博物館へ行ってきました。クラシックカーが年代順に陳列されていると、人から聞きましたので、少なからず興味が沸き、ドライブがてら出かけました。博物館入口にトヨタが初めて作った自家用車が展示されており、中に入ると、ダイムラーが発明した単気筒1馬力のガソリン車のレプリカに始まり、最近の燃料電池車「未来」に至るまで数百台が展示されています。
その中の一台に一目ぼれしてしまいました。
デューセンバーグモデルJと呼ばれるこの車です。
4人乗りのオープンカーで、写真では分かりませんが、大きさはマイクロバスくらいの大きさがあります。バカでかいのです。
その割に座席は狭く、ダメ出しを始めたら、今の車では考えられない程無駄の多い代物です。しかしカッコいいのです。
理屈ではなく、乗ってみたい!所有したい!と云う衝動に駆られます。
女性を好きになるのに、理屈は必要ありません。それに似たカッコよさを感じてしまうのです。
今の時代、どんなに、無駄が多くても、どんなに不経済でも、どんなに快適でなくても、カッコよさで勝負する製品が無い事に気づかされました。
機能や性能ばかりを追求するのではなく、カッコよさ美しさを重視する時代がもうすぐやって来る気がします。
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